「きのこは冷凍したほうがいい」意外な理由とは?冷凍きのこのメリット・デメリット|管理栄養士が解説

 「きのこは冷凍したほうがいい」意外な理由とは?冷凍きのこのメリット・デメリット|管理栄養士が解説
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さまざまなメディアで、きのこを冷凍すると栄養価が高くなると紹介されています。せっかくきのこを食べるなら、栄養価が高い方が良いですよね。 その他にも、きのこを冷凍するメリットはいくつかありますが、きのこを冷凍する際には注意したいポイントもあります。 今回は冷凍きのこのメリットとデメリット、美味しく食べるためのポイントをご紹介します。 きのこの栄養価を高めて、美味しく食べるためにも参考にしてくださいね。

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きのこは冷凍すると栄養価が高くなる?

そもそもきのこはなぜ冷凍すると栄養価が高くなると言われるのでしょうか。

きのこは冷凍すると細胞膜が破壊され栄養素が溶けやすい状態になるため、栄養価がアップするとされます。

きのこに含まれる栄養素は種類によって異なりますが、ビタミンDやビタミンB群、カリウムなどが含まれています。

ビタミンDは骨や歯に必要な栄養素であり、ビタミンB群は糖質や脂質の代謝に関わる栄養素です。

カリウムは筋肉の収縮にはたらき、高血圧やむくみの予防に役立ちます。

冷凍することで、効率良く体に必要な栄養素が補給できるのはうれしいですね。

きのこ
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栄養価が高くなるだけじゃない?冷凍きのこのメリット

きのこを冷凍すると栄養価だけではなく、きのこに含まれる旨味成分である「グアニン酸」「グルタミン酸」「アスパラギン酸」も溶けやすくなり、旨味アップにつながると言われています。

また、長期保存が可能になるのもメリットの一つです。

さらに冷凍しておくと料理に使いやすい状態になるため、料理に具材を追加したい際に役立つでしょう。

このように冷凍きのこにはいくつかメリットがありますが、注意したいポイントもあります。

きのこ
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きのこを冷凍する注意点とは?

きのこを冷凍すると栄養価や旨みが高くなる反面、色や食感が悪くなると言われています。

そのため、色や食感を重視する料理に使用するのはおすすめできません。特に「えのき」「しめじ」は色や食感が変化しやすいといわれています。

例えば、煮込み料理や汁物などのようにきのこがメインではない料理の方が色や食感が気にならないでしょう。

冷凍きのこを美味しく食べるためには?

最後に、冷凍きのこを美味しく食べるためのポイントをご紹介します。

まず、きのこは水で洗わずに冷凍するようにしましょう。

水で洗うと風味が落ちてしまう恐れがあるため、

そのままの状態で石づき取り、使いやすいサイズにカットして保存することがポイントです。

もし汚れやホコリが気になる場合は、キッチンペーパーで拭き取ると良いでしょう。

きのこ
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冷凍したきのこを調理する際は、解凍せずに冷凍のまま使用することがポイントです。

解凍してから使用すると、水分が出てきて栄養素や旨みが失われてしまいます。

またきのこがグズグズした状態になり、より食感が悪くなる可能性もあります。

冷凍庫から出したら、できるだけ早く調理すると良いでしょう。

 

きのこは冷凍すると栄養価や旨みのアップに期待ができます。また長期保存も可能になるため、上手に活用したいですね。

今回ご紹介した冷凍する際の注意点やコツを意識して、冷凍きのこを取り入れてみてくださいね。

【参考文献】(2023年4月6日閲覧)

文部科学省, 日本食品標準成分表2020年版(八訂)
厚生労働省, 日本人の食事摂取基準(2020年版)
甲山恵美 ほか, キノコは冷凍に適しているか, 日本食生活学会誌, 第26巻 第1号(2015)

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AUTHOR

一ノ木菜摘

一ノ木菜摘

管理栄養士/ライター。短大卒業後、病院で栄養士として働きながら管理栄養士免許を取得。その後は病院の管理栄養士やコールセンターなどの経験を経てライターとして活動を始める。ダイエットや食品、メンタルなどのヘルスケアについて論文などの科学的根拠をもとにコラムを執筆している。



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