管理栄養士が「疲れたときにきのこ」をおすすめしたい理由|きのこに含まれる栄養素とおすすめの食べ方
いそがしくて疲れちゃった…。なんだか元気がでない…。そんなときにおすすめの食材はきのこです。きのこは、糖質やたんぱく質の代謝に関わる栄養素がたくさん含まれています。いつもの料理にきのこをプラスして元気な体づくりを始めましょう。
疲れたときにきのこがおすすめな理由とは?
ビタミンB群が豊富
わたしたちは、食べ物からさまざまな栄養素を摂取して、エネルギーに変えたり生命の維持のために合成や分解をしたりしています。この働きを「代謝」といいます。
きのこにはビタミンB群が豊富に含まれていて、代謝に働きかけてくれるのです。
・ビタミンB1…糖質の代謝
ビタミンB1が不足すると、糖質の代謝がしづらくなり疲労の原因になってしまいます。
・ビタミンB2…脂質の代謝
脂質の代謝にはビタミンB2が活躍。皮膚、粘膜、爪、髪などを健康に保ち、体の発育を促進させます。
・ビタミンB6…たんぱく質の代謝 など
ビタミンB6は、体をつくったり酵素やホルモンとして働いたりするアミノ酸(たんぱく質)の代謝に関わっています。
わたしたちが元気に動くためにはしっかりと代謝されなければなりません。代謝のために必要なビタミンB1群がきのこには豊富に含まれているのです。
オルニチンが含まれる
きのこには「オルニチン」も含まれています。オルニチンには肝臓の疲労回復に役立つ効果があります。有毒物質であるアンモニアの解毒を行うことで、肝臓を元気にしてくれているのです。
オルニチンといえば二日酔いのときに効果がある、というイメージがあるかもしれません。しかし、二日酔い以外でも、疲れを感じたときにも肝臓の疲労回復のために摂取したい栄養素なのです。
どのような料理にも合い、使いやすい
ビタミンB群やオルニチンを含む食材は、きのこ以外にもさまざまなものがあります。その中でもきのこをおすすめする理由は、きのこが料理に取り入れやすく、調理しやすいからです。
きのこは和食、洋食、中華料理などどのような料理にも加えやすく、手頃な価格で手に入りやすいのがメリットです。
きのこをたくさん食べても大丈夫?
疲労回復のためにきのこを積極的に食べよう!と思ったときに「でもどのくらい食べてもいいのだろうか」と気になりますよね。
きのこは毎日食べても体に悪影響はありません。ただし、きのこだけを積極的に食べていると栄養バランスが崩れてしまいます。
また、きのこはビタミンB群やオルニチン以外に、食物繊維が含まれています。不溶性食物繊維は食べすぎると胃腸に負担をかけてしまうことがあるのです。
きのこだけをたくさん食べるのではなく、ほかの野菜やお肉などと一緒にバランスよく、そしてしっかりと噛んで食べるようにしましょう。
きのこのおすすめの食べ方とは
・お鍋の具材
あつあつで体があたたまるお鍋にえのきやしいたけなどのきのこを入れてみましょう。きのこの風味がお鍋のスープに加わりうまみが感じられます。
・炊き込みご飯
炊き込みご飯には、しめじ、まいたけ、エリンギ、しいたけなどいろいろなきのこが合います。ご飯の糖質の代謝を、きのこのビタミンB1が助けてくれますよ。
・お味噌汁
お味噌汁にもいろいろなきのこを合わせてみましょう。しめじ、えのき、まいたけ、なめこなどお好みで選んでみてくださいね。豚汁など具沢山のお味噌汁にもおすすめです。
きのこは代謝に働きかけるビタミンB1や肝臓の働きを助けてくれるオルニチンが豊富で、疲れたときにおすすめの食材です。いつもの料理にきのこを加えて、疲れた体を元気にしていきましょう。
AUTHOR
なつめももこ
管理栄養士/Webライター/イラストレーター。管理栄養士として病院に7年間勤務。出産を機に「子どもとの時間を大切にしながら働くこと」を目標にフリーランスのWebライター&イラストレーターとして活動開始。現在は栄養に関する記事を執筆するほか、未経験からイラストレーターになる方法について発信している。
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