歯周病を放置すると糖尿病が悪化する?意外と知らない〈歯周病と糖尿病の関係〉歯科医師が解説
生きる楽しみのひとつは食べること、という人は少なくありません。でも今、糖尿病か歯周病、どちらかに罹患しているなら、近い将来その生きがいを制限されたり、取り上げられてしまうかも……。
30代から急増する、糖尿病予備軍
中年男性が発症するイメージが強い、糖尿病。ですが、女性も例外でなく、女性において糖尿病予備軍は30代からどんどん増え続けていきます。
糖尿病の怖いところは、合併症。代表的なものは、足がおぼつかない、全身の違和感を起こす神経障害、ものが二重に見える視覚障害、腎臓機能の低下などが挙げられます。そして、最近では6番目の合併症として、歯周病がとりあげられるようになりました。
合併症なんて、まさか! と思っている人に知ってほしい症状があります。もし今、糖尿病にかかっていて、口の中の乾燥が気になるなら、実はそれ、歯周病増悪が原因です。
お互いを悪化させる、糖尿病と歯周病
歯周病になると、糖尿病の治療に不可欠なインスリンが効きにくくなるため、糖尿病を悪化させます。そして、糖尿病が悪化すると、全身の免疫力が低下するので、歯周病も併せて悪化。
まさに健康の負のスパイラルに陥ってしまうのです。
その結果、大好きな食べ物を制限するしかなくなったり、美味しく食べるための健康な歯そのものを失ってしまう可能性が高くなります。
2つの疾患は、どちらもよく効く病名で、初期なら自認症状もなく、あまり大病と捉えられることがありません。でも、2つ同時に発症してしまうと、死ぬまで制限のある不自由な時間を過ごす危険性が潜んでいることを知っておきましょう。
まずは、歯周病治療からはじめよう
歯周病の治療をすると、血糖コントロールが改善することは、すでにわかっています。
さらに、歯周病は、糖尿病だけでなく、骨粗鬆症、アテローム性動脈硬化症、心臓病、メタボリックシンドローム、妊娠トラブルにも深く関わっているため、早期治療をおすすめしたいのです。
自分は元気だから大丈夫、と過信することはもうやめましょう。自分の体の変化や異常を素直に認め、早期にケアもしくは治療することが、楽しい人生を全うできる方法なのですから。
教えてくれたのは…石幡一樹先生
いしはた歯科クリニック院長。歯学博士。日本補綴歯科学会専門医・日本顎咬合学会認定医。昭和大学歯学部卒業後、東京医科歯科大学病院義歯外来(入れ歯科)で歯科医師としての経験を積み、10年前に埼玉県久喜市に「いしはた歯科クリニック」を開業。
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ヨガジャーナルオンライン編集部
ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。
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