寒天とゼラチン…ダイエットや美容にはどちらがおすすめ？違いや選び方のポイントを栄養士が解説

寒天とゼラチン、おすすめはどっち？

寒天とゼラチン、ダイエットや美容にはどちらがよいのでしょうか。まずは寒天とゼラチンの基本的な違いを理解しておきましょう。

・寒天…海藻（テングサなど）から作られる
・ゼラチン…動物の皮や骨から作られる

寒天は植物性であり、ゼラチンは動物性です。この違いから生まれる特長を活かした選び方を紹介していきます。

ダイエットに取り入れるなら「寒天」がおすすめ

寒天もゼラチンも使用量は少量のため、カロリーを抑える目的ならどちらでも問題ありません。しかし、寒天は食物繊維を補給できるため、ダイエットをより効果的に進めたい場合は寒天を選ぶとよいでしょう。食物繊維の100gあたりの含有量は、ゼラチンはほとんど含まれないのに対し、寒天（粉）は79.0ｇも含まれます。食物繊維は糖や脂質の吸収を妨げる働きや、血糖値の上昇を穏やかにして満腹感を長持ちさせる働きが期待できるため、ダイエットをサポートしてくれます。

ダイエット中は食物繊維をたっぷり取り入れることが大切なため、どちらか悩んだときは寒天にしてみましょう。

美容目的なら「ゼラチン」「寒天」どちらでもOK

美容目的で選ぶなら、タンパク質をより摂りたい場合はゼラチン、食物繊維の整腸作用を期待したい場合は寒天がおすすめです。

ゼラチンには、肌や筋肉の材料となるタンパク質が含まれます。寒天にはほとんど含まれないため、タンパク質補給を意識したい方によいでしょう。ただし、ゼラチンをとったからといって「肌がプルプルになる」というわけではありません。ゼラチンにはコラーゲンが含まれますが、消化・吸収の際にアミノ酸となるため、特別な効果を期待できるとはいいづらいのです。あくまで「タンパク質補給」と考えるようにしたほうがよいでしょう。

寒天は先ほども伝えたとおり、食物繊維が含まれるため、腸内環境を整えてくれる働きが期待できます。腸内環境と肌のコンディションは関連していることが知られているため、美肌づくりの一環として役立ってくれるでしょう。

寒天とゼラチンの違いと選び方

寒天とゼラチンは原材料の違いだけでなく、使い方や食感にも違いがあります。

▼寒天の特徴
・食物繊維を含む
・凝固力が強く、歯切れのよい食感
・沸騰させて溶かす
・常温で固まる

▼ゼラチンの特徴
・タンパク質を含む
・凝固力は弱めで、やわらかくなめらかな食感
・60度くらいの温度で溶かす
・冷蔵庫で固める必要がある

お好みの食感や、目的にあわせてどちらかを選ぶようにしましょう。

寒天やゼラチンの取り入れ方

寒天やゼラチンを取り入れるなら、間食の代わりにしてみるとよいでしょう。クッキーやチョコレートといった洋菓子に比べるとカロリーカットできるため、カロリーを抑えながらスイーツを楽しめます。間食を適度に取り入れることで食事の食べすぎも防げれば、さらに無理なくカロリーを抑えられます。

ダイエットや美容には、寒天やゼラチンを取り入れる以外にも、バランスのよい食事を心がけることも大切です。上手に活用しながら、自身のなりたい姿に近づいてくださいね。

【参考文献】
・文部科学省,日本食品標準成分表（八訂）増補2023年