「極端な生き方・極端な行動から見えてきたこと」画家・フランキー・スィーヒさんの笑顔の元にあるものとは
――大学卒業から、画家としての仕事はどのように始めたのでしょうか。
「卒業後、ニューヨークから帰国し、まずは個展を開催しました。無名の私の絵を買ってくれる方もいましたが、難しかったです。画家としてだけで食べていくにはまだまだ未熟でした。だから表向きは画家として、でも生活するために英語の教師や通訳の仕事を始めました。画家が3割、他が7割、それが現実でしたね。大学院に行くことも考え、お金が必要だったので、がむしゃらに仕事をしていました。そんな時にテラスハウス(フジテレビ・Netflixのリアリティ番組)への出演が決まったんです。やはり自分にとっては大きな転機になりましたね。存在を知ってもらえるきっかけになりました。ずっと家に閉じこもって絵を描いているのではなく、一人でも多くの方に知ってもらわないと意味がない。そのチャンスをもらえて嬉しかったです」
――転機となったテラスハウスへの出演によって、作品自体に影響はありましたか?
「テラスハウスに入居する前は、個展に向けて自分の世界観で、自分だけのフィロソフィーで作品を発表していました。でもテラスハウスへの出演をきっかけに、様々なジャンルの企業やブランドの方からコラボレーションのオファーをいただくようになりました。お受けするときは、100%私だけの考え方ではもちろん通りません。企業の想いはもちろん、その先にはターゲットとなるお客さまがいるわけで。『自分プラス相手』を考えるようになりました。常にハッピーで、ポジティブでないといけませんし、責任感を感じるようになりましたね。でも、そんな中でも“フランキーらしさ”が分かるように、作品を残していきたいとは思っています」
――“フランキーらしさ”とは具体的にどんなところだと考えていますか?
「(即答で)コンセプト。カラフルな色や、珊瑚のモチーフが私らしいと言われますが、絵のタッチで言えばそう。でも目に見えないコンセプトの部分が自分らしさだと考えています。
ある時計ブランドとのコラボレーションのために、いくつか作品を描いているところなのですが、今季のテーマが“黒”だと言われたんです。毎シーズン様々な色の時計が出るのですが、今回は全て黒。それにまつわる作品を描いて欲しいというオーダーを頂きました。カラフルな色を評価してくださる方が多い中、悩みましたね。でも発明したんです、“レインボーブラック”という色を(笑)!
つまり黄色や青、緑などの虹色を混ぜて私らしい黒を作りました。そうやってコンセプトを考えるのは楽しいですね。ひらめいた時は自然に笑顔がこぼれます」
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