「授乳できないくらい痩せた」極端な減量に没頭していたデミ・ムーアが60代になった今、思うこと
60歳になっても見事なボディをキープしているデミ・ムーア。先週、独立記念日のオフをビキニで楽しむ様子をインスタグラムで披露した。相変わらず引き締まったボディに賞賛の声が寄せられている。でも人が羨むボディの裏には長年人には見せてこなかった葛藤があった。自伝『Inside Out』の中で「体を鍛えあげ、体型をキープすることにずっと取りつかれてきた」と体型に対する思いを綴っている。
彼女が体型にこだわるようになったきっかけは、1992年に出演した法廷映画『ア・フュー・グッドメン』。弁護士資格を持つ軍人を演じた彼女は「軍服をきちんと着こなせる体型になりたい」という思いからエクササイズに打ち込んだ。しかしプライベートで子どもを出産したばかりだったことから、妊娠中に増えた体重を落とした上でさらに絞るという2段階の苦行に取り組むことに。「毎日約10キロ走り、自転車を漕ぎ、1日2時間のウェイトリフティングをやっていた」と振り返っている。その結果「胸の脂肪がなくなって子どもに授乳できないくらい痩せた」というから相当絞ったことがわかる。細くなくてはいけない、引き締めなくてはいけないという強迫観念は「その後5年くらい続いた」そう。当然その強迫観念は食生活にも影響を与え、摂食障害に陥ったことも。「1日の炭水化物は朝食のオートミールだけ。半カップを水で調理して食べていた。残りの食事はタンパク質と野菜だけだった」時期もあるという。デミは「今聞くと、クレイジーに聞こえると思う。その通り。摂食障害はクレイジーだし病気。でも現実に起こっていること」と振り返る。
自分のエクササイズが極端であることに気づいて
40代になって彼女は自分のエクササイズがあまりにも極端であることに気がついたそう。負荷の低いものに変える必要があると思った彼女はビクラムヨガをスタート、その後クンダリーニヨガにもトライ。なんとその後インストラクターの資格もとった。極める性格なのは以前から変わっていないが、ヨガを通して体に対する向き合い方は変わったという。「私は自分の体を支配しようとし、何度も体型を変えてきた。でもどれも長くは続かなかったし、結局のところ一時的な幸せしかもたらしてくれなかった」。20代、30代と痩せようとしてきたけれど「それでは何も解決しなかった。自分の体を支配したいという欲望を捨てて初めて自分が望んでいた体になれた。体型に対する執着は無意味なことだということがわかった」と綴っている。
60代になった今はより楽しむエクササイズに移行したそう。それまでしばらくエクササイズを休んでいたが、数年前にバーチャルなワークアウトデバイス「The Mirror」を使って再始動。今は家の鏡の前でダンスエクササイズするのを楽しんでいるという。
ファンの中からはガチガチに鍛え上げた若い頃の筋肉質の体より今の方が素敵だし綺麗、という声も上がっている。長い時間はかかったが体型をめぐる葛藤を自分で乗り越え、自分の力で体型を受け入れたからこそ得られた美しさなのかもしれない。
AUTHOR
長坂陽子
ライター&翻訳者。ハリウッド女優、シンガーからロイヤルファミリー、アメリカ政治界注目の女性政治家まで世界のセレブの動向を追う。女性をエンパワメントしてくれるセレブが特に好き。著書に「Be yourself あなたのままでいられる80の言葉」(メディアソフト)など。
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