イーロン・マスクの元恋人グライムスが摂食障害を告白、世間が押し付ける「美しさの基準」の闇
全身コンドームの衣装やお尻丸出しファッションで公の場に登場するなど、その過激なファッションで話題が尽きないジ女優ジュリア・フォックス。そしてイーロン・マスクの元カノで独創的な音楽やファッションで世界的に注目される歌手グライムス。この話題のふたりが先日、ポッドキャスト「Forbidden Fruits(フォービドン・フルーツ)(ジュリア・フォックスと友人のニキ・タケシュが共同ホストする番組)」の最新エピソードで、現代社会に根強く蔓延る抑圧的な“美の基準”について真剣にトークを繰り広げた。グライムスは、自身の10年間の摂食障害について語り、キム・カーダシアンの存在が自信に繋がったことを告白した。
抑圧的な“美の基準”が与える損害や影響
最近、いわゆる“美の基準”が与える損害や影響について、セレブリティの間でも大きな議論となっている。先月、アリアナ・グランデがファンによる彼女の体や体重に対する批判について言及し、先日放送された米リアリティ番組「カーダシアン家のセレブな日常」の新シーズンの予告編では、カイリー・ジェンナーが自身の姉たちと到達困難な理想を維持し続ける彼女たちの役割について話し合おうとする場面が映し出された。「私たちが設定している“美の基準”について、もっとしっかり話し合うべき」と彼女は述べた。
そして今回、女優ジュリア・フォックスと歌手のグライムスが「Forbidden Fruits」の最新エピソードでいわゆる“美の基準”というテーマについてトークを繰り広げた。インパクトのあるウィッグをかぶったジュリア・フォックスが、グライムスの見た目を「最高!」と褒めすると、グライムスは若い頃、抑圧的な美の基準に逆らっていたという。「キャリアの初期にはメイクアップをあまりにすぎないように気をつけていたけれど、あるときから、素直にただ美を楽しみたいと心に決めたの」と述べた。それに対し、「人生で一度はバディ(セクシーで強い女性)になりたくなるわよね」とジュリアは語った。
「スリムな太め」から「痩せ型」ボディに人気が移行していることを懸念
グライムスは、10年間摂食障害を患っていたことを打ち明け、昨年くらいから、理想とされるボディイメージが「スリムな太め(メリハリのあるボディ)」から、90年代から2000年代初頭に人気のあった「痩せ型」へと戻っていったことについて議論が発展した。「キム・カーダシアンやカーディ・Bが人気になって、自分の体に対する異常な嫌悪感を克服できたし、今は自分のボディイメージに前向きになれた。良い時代が来たと思ったし、体に対する嫌悪感を乗り越えて前向きになれたから、今回痩せ型の人気が復活するのは残念」と続けた。
SNSとフィルターの存在が若者に与える影響
ニキが、今と昔の若者のどちらが大変だと思うかと尋ねると、ジュリアとグライムスは、良い面と悪い面があると述べた。そして今はより多くの表現方法がある一方で、SNSとフィルターが若者に与える圧力は計り知れないという意見で一致した。多くのセレブがフォトショップで画像を加工してしまい、一般人は「どうして自分はあんな風になれないの?!」と非現実的な期待を抱いてしまう。ジュリアは、「私は自分の写真をフォトショップで加工しないように心がけている。もちろん、雑誌であれば話は別だけれど。でも、いつも『フォトショップは最小限にしてください』とお願いしているの。私は、自分がきれいに見えなくても気にしないし、きれいに見えることは私の課題ではないので、本当にどうでもいいの。いわゆる“美の基準”は確かに超圧迫的だと思う」と述べた。
出典:Watch Julia Fox and Grimes discuss body dysmorphia and eating disorders
AUTHOR
山口華恵
翻訳者・ライター。大学卒業後、製薬会社やPR代理店勤務を経て10年間海外(ベルギー・ドイツ・アメリカ)で暮らす。現在は翻訳(仏英日)、ライフスタイルや海外セレブリティに関する記事を執筆するなど、フリーランスとして活動。趣味はヨガとインテリア。
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