痩せても自信が持てない理由は?摂食障害経験者でもあるカウンセラーが伝えたい「本物の自信の育て方」
「摂食障害」という言葉は聞いたことがある人もいるでしょう。けれど、自分とは全く関係がないことだと思っていませんか?例えば、何かを食べるたびに「今、何キロカロリー摂取したんだろう」「こんなの食べたら太るに決まってる…」そんな考えに支配され、摂食障害に至るケースもあります。摂食障害は誰にとっても身近にあるものです。摂食障害相談室を運営するカウンセラーのあかねさんによる連載コラムでは、決して縁遠いものではない「摂食障害」についてお伝えします。
自信=優越感と勘違いしていませんか
「痩せると自信を持てる」と思い込み、ダイエットにのめり込む方が後を絶ちません。
しかし、ここで彼女たちが指す「自信」とは、優越感に他なりません。つまり、自信を優越感と置き換えて考えている方が大半でしょう。
しかし、自信のない人が痩せても自信を感じることはできません。それどころか、「周りよりも痩せている」という優越感を感じ続けるために、さらに神経質に痩せる努力をします。なぜなら、人と比べることからは優越感か劣等感しか生まれず、優越感を感じ続けるためには、一生痩せ続けなければいけないからです。しかし、厳しすぎる自分の理想は簡単に逸脱してしまうので、その度に激しい劣等感に苦しむことになるでしょう。
はたして、これは健康的な自信と言えるでしょうか。
SNSで自慢に走る人の心理とは
広辞苑によると、自信とは「自分の能力・価値や自分の言行の正しさなどをみずから信じること。また、その気持ち。」と定義されています。言い換えると、自信とは「自分自身の思い込み」です。
けれども、多くの人は自信の「根拠」を求めます。この根拠となる物差しは「他者からの評価」であり、例えば、学歴、経済力、フォロワー数、顔やスタイルが良いことがあげられます。しかし、絶対的な自信とは、周りと比較できるものではありません。自信を優越感と勘違いしていると承認欲求がエスカレートし、特にSNSにおいて行き過ぎた投稿をするケースもでてきます。つまり、本物の自信がある人は自分の内側にある自信を認識しているため、わざわざ周りに誇示して確認する行動はしません。一方で、自信=優越感と置き換えて考えている人は、「自慢」という形で自分の能力を誇示する傾向があります。
そう考えると、SNSで一見美しく見える写真を載せている人のすべてが、本物の自信にあふれているわけではないでしょう。
AUTHOR
あかね@摂食障害相談室
「壁を扉に」を合言葉に、元摂食障害の心理士として「摂食障害オンライン相談室」を運営。1990年生まれ。高校生の頃に27kgになり10年に渡る摂食障害に悩んだのち完治。その間、入退院、高校中退、引きこもり、高卒認定試験合格の後に進学。大学では心理学を専攻し、卒業後は広告会社でコピーライター、デザイナーとして従事。30カ国60都市を訪問の末、宮崎に移住。カウンセラーの傍ら、農家でありクリエイターでもある。3児の母。
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