現在81歳のマーサ・スチュワート、水着姿で表紙を飾る「画像修正されすぎていないのを…」
アメリカのスポーツ雑誌『Sports Illustrated(スポーツ・イラストレイテッド)』では、毎年一度水着特集号を発行している。その最新号カバーに登場したのは、元祖カリスマ主婦のマーサ・スチュワート。彼女のモデル起用は、SI史上最年長だという。
年齢や体型、人種や宗教の枠組みを超えた多様な美を表現している雑誌『スポーツ・イラストレイテッド(SI)』の水着特集号。近年を簡単に見るだけでもモデルたちはバラエティに富んでいる。2017年には63歳のモデル、クリスティ・ブリンクリーが登場。2020年にはソマリ出身のハリマ・アデンがイスラム教の女性のための水着、ブルキニ(ブルカとビキニをミックスさせた水着)でグラビアを飾った。2021年には初めてアジア系カーヴィーモデルのユミ・ヌーが起用されている。
そして今年は元祖カリスマ主婦のマーサ・スチュワートが表紙を飾った。彼女は現在81歳。SI誌の水着特集号のモデルとしては史上最年長である。ご存知の通りマーサはテレビ番組への出演やキッチンやインテリアアイテムのプロデュース、雑誌やレシピ本の出版などで活躍する実業家。水着モデルを務めることが決まったとき「普段はあまり年齢のことは考えないのだけれど、これは歴史的なことだとだと感じた」という。ちなみに今年はマーサの他、俳優のミーガン・フォックス、モデルのブルックス・ネイダー、そしてトランス女性のシンガーのキム・ペトラスが表紙モデルを務めた。キムは水着特集号の表紙を飾った2人目のトランス女性である。
雑誌が発売されると、案の定とも言えるが「整形している」「ボトックスを打っている」「画像修整しすぎ」という声が上がった。でもマーサはこれらをほぼ全面否定。雑誌『バラエティ』に「あちこちにある小さな線のためにフィラーが存在しているけれど、私はボトックスが嫌い。ボトックスは変だから。本当にあまりやらない」。あまり、というところが正直。自分のポッドキャストでは「『ボトックスを使うのをやめた方がいい』というコメントをもらうけれど、私は首筋に少し使う以外はボトックスは使っていない。嫌いなんだ」。首には時々少量打つが、顔は表情が固まってしまい不自然になるので使わないという。
画像修整も必要最小限。「リタッチはほとんどしていない。本当に正確に写している。修整されすぎていないのを嬉しいと思う」と語っている。そして「整形は一切していない」ときっぱりと断言した。
画像修整や整形の有無を問わず、81歳の女性が水着姿で雑誌の表紙に自信を持って登場できる社会は多様性に富んでいる。さらにそれを実現させる雑誌と受け入れる読者(多少の中傷はあるが)が存在する社会は希望を感じさせる。来年のSIがどんな美の形を見せてくれるのか今から楽しみにしたい。
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長坂陽子
ライター&翻訳者。ハリウッド女優、シンガーからロイヤルファミリー、アメリカ政治界注目の女性政治家まで世界のセレブの動向を追う。女性をエンパワメントしてくれるセレブが特に好き。著書に「Be yourself あなたのままでいられる80の言葉」(メディアソフト)など。
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