デンマークから日本へつながる【私のウェルビーイング】

 デンマークから日本へつながる【私のウェルビーイング】
Photo by Chiaki Okochi

こどもとアートの世界に関わりたくて、でも勇気が出ずに石橋を叩きまくって10年。どうにかそのヒントを得たくて留学したデンマーク。そこでは手探りながらも、出会った人たちとの対話や経験を通して、自分が大切にしていきたいものが徐々に見つかっていきました。

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これまでのデンマークでの留学生活や、私とアートにまつわるお話については、以前の記事もご覧いただけたら嬉しいです。

デンマークのアーティスト

私が留学中に出会った、デンマークの2人組のアーティストがいます。彼らの名前は「シアター・マダム・バッハ」。世界中で活躍している、デンマークを代表する児童劇のアーティストです。

シアター・マダム・バッハとは、日本の親子向けのオンラインのワークショップをきっかけに出会いました。生演奏とストーリーテリングを中心に、観客も参加しながら展開されるのが、彼らの作品の特徴です。ついさっきまで鑑賞していたはずなのに、気がつけば今度は自分がアートをつくっている…。そこからまた、彼らのパフォーマンスが始まっていく。観ている私たちも、美しい音楽と物語にのせて手を動かし、色を重ねていく体験。一瞬でその世界観に引き込まれ、魅了されてしまいました。

児童劇の作品だけど、こどもをこども扱いしない。一人の人間として尊重し、こどもたちの視点から、この世界の美しさをめいっぱい感じさせてくれるような作品たち。そして、彼らが織りなす時間は、私が大好きになったデンマークの空気が、まるっと凝縮されているような感じがします。

Photo by Chiaki Okochi
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自然を享受する

私はデンマークでおよそ1年のあいだ、首都のコペンハーゲンのほか、地方の2カ所にも滞在していました。そこでの暮らしを通して感じたのは、デンマークの人たちの自然を享受する気持ちです。

たった3つの町の、それも短い期間での出来事です。ですから、デンマークはこうだ、と一概には言えません。それでも、太陽の日差しを喜んだり、燃えるような夕陽を静かに見入る顔が忘れられないのです。

そして、寒くて暗い冬の季節には、お部屋でキャンドルを灯して。ようやく春が訪れ、日が長くなって来る頃には、テラスで食事を取ったり。とっても短い夏には、ここぞとばかりに海水浴を。驚いたことに、コペンハーゲンの街中でも、みんな水着を着て運河で泳いでいました。

Photo by Chiaki Okochi
Photo by Chiaki Okochi

こう聞くと、とてものんびりと牧歌的な印象を受けるかもしれません。ですが、それだけでないのがデンマークのすごいところ。たとえば、生活に欠かすことのできないエネルギーの分野では、風力発電機メーカーのヴェスタスは世界最大手です。さらに加えて、2022年のSDGsランキングでは、世界第2位(※)となりました。デンマークの人口およそ581万人、九州ほどの面積(※)しか持たない小さな国が、世界に与えているこのインパクト。

いまこの瞬間に降り注ぐ日差しを喜ぶことから、未来の地球環境を考えた暮らし方まで。そのスケールの振り幅に圧倒されそうになりますが、本当は、どちらも私たちが直接関わっている、日々の大切な暮らしのことだと思います。

Photo by Chiaki Okochi
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話は再び戻り、シアター・マダム・バッハのことへ。実はこの夏、彼らが日本にやって来ることになりました。帰国後に携わらせていただいている、Creative Kids Academyというプロジェクトにて、来日公演が決定したのです。

今回上演するのは、『BLOOM』〜地球がつむぐ ”いのち” たちの物語〜というプログラム。バイオダイバーシティ(生物多様性)をテーマにした作品です。彼らはパンデミック中、自分たちの劇場兼ワークショップスペースに、「好奇心の庭〜Curious Garden〜」と名付けたお庭をつくりました。ここを訪れるこどもたちや家族のために、遊び心がたくさんの、まさに好奇心をくすぐるお庭を手作りでつくったそうです。日本初上演となる今回のプログラムは、ここにいる鳥や昆虫たちの小さな "いのち”たちの物語から地球へのまなざしを、歌やパフォーマンスとともに届けてくれます。

バイオダイバーシティ(生物多様性)と聞くと、頭ではわかっているつもりでも、実はよくわからないことがたくさん。そんな時、アートは五感にはたらきかけ、”感じ”ながら世界に思いを馳せる体験をさせてくれると思います。ですからぜひ、彼らとデンマークの雰囲気を、アートを通して感じていただけたら嬉しく思います。

このプロジェクトのために、クラウドファンディングにも挑戦しています。公演へのご参加はもちろん、このご支援からもプロジェクトを一緒につくっていただけたら幸いです。

マダムバッハ

Creative Kids Academy代表、サンダークリフさやかさんのインタビュー記事はこちら

参考:

(※)朝日新聞SDGs ACTION! 

(※)外務省 デンマーク王国(Kingdom of Denmark)基礎データ

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AUTHOR

大河内千晶

大河内千晶

1988年愛知県名古屋市生まれ。大学ではコンテンポラリーダンスを専攻。都内でファッションブランド、デザイン関連の展覧会を行う文化施設にておよそ10年勤務。のちに約1年デンマークに留学・滞在。帰国後は、子どもとアートに関わることを軸に活動中。



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