おりものシートのメリット・デメリット|その使い方、膣トラブルの原因かも?産婦人科医の見解

 おりものシートのメリット・デメリット|その使い方、膣トラブルの原因かも?産婦人科医の見解
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おりものシートのデメリット:ムレが膣トラブルを引き起こす?

おりものシートはショーツに密着するよう、ショーツとの接着面には通気性の低い素材が使われ、さらには粘着剤が塗布されている場合が多い。「トラブルを引き起こしやすいのは、おりものシートにより股間が長時間ムレた時。膣の中は、膣内フローラ(花畑)と称されるごとく、さまざな細菌やカビなど常在菌が仲良く存在しています。もともと湿度が高い部位であるのに、そこに体力の低下やストレスなどが加わると普段は悪さをしない雑菌が繁殖し、かゆみ・ただれなどの膣トラブルが起こるのです」と、八田医師。なんと、私たちの体を守ってくれる膣内フローラが一転、荒地となり膣炎を引き起こすというのだ。

膣まわりを清潔にすることが最重要課題

「もともと、膣は雑菌が入りやすい部位ではあるんです。だって、膣の入口には尿道口があり、後ろは肛門があります。排泄物に接しやすい場所だからこそ、常に清潔に保つことを意識的にして欲しいのです」と八田医師。尿道口や肛門の汚れがおりものシートに付着する可能性は……十分に考えられる。それらがシート内でジワジワ繁殖していると想像すると、自分の膣がリスキーな状態にさらされている危機感はぬぐえない。ではどうすればいいのだろうか?

正しい使い方:おりものシートは小まめに取り替えよう

「一番簡単にできることは、小まめに取り替えること。目に見えて汚れがなくとも雑菌が繁殖していることもあるので、小まめな交換を習慣にしてください。また、体調が悪いと感じているときは、膣の自浄作用も低下するので『使わない』という選択肢も」(八田医師)。

素材や香料にも気を使って見よう

「膣は粘膜なので、本当にデリケートな部位。経皮吸収の可能性のあるため(その吸収率は、腕の内側の約40倍!)体調が悪い時やストレスを感じている時こそ、要注意なんです。強めの人工香料やシートの素材で、外陰部が荒れたりする場合もありますから」と、八田医師は話してくれた。

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この記事を書いた後、改めてドラッグストアでおりものシートをチェックしてみた。「無香料」は前からあるが、最近では「全面通気性シート」や「天然素材」を売りにしたものなど、想像以上に選択肢が広がっている。メーカー側も、シートによるトラブルを防ごうという企業努力を行っているのだろう。筆者にとってはすでに生活習慣となっているおりものシートだが、これからは、購入の段階、そして毎朝の体調に合わせた使い方など、いろいろ見直す点がありそうだ。便利なサニタリーグッズだからこそ、そのデメリットまで正しく把握した上で、上手に利用したい。

お話を聞いたのは…八田真理子医師
産婦人科医。1990年聖マリアンナ医科大学卒業。順天堂大学、千葉大学、松戸市立病院産婦人科勤務を経て、1998年、千葉県松戸市で女性のためのクリニック「ジュノ・ヴェスタクリニック八田」を開業。思春期から更年期までの幅広い女性の診療を行う。日本産科婦人科学会専門医、母体保護法指定医。日本マタニティフィットネス協会認定インストラクター。膣をきちんとケアすることの重要性を訴え、女性の体について知っておくべき知識を1冊にまとめた「産婦人科医が教えるオトナ女子に知っておいてほしい大切なからだの話」(アスコム)を発売。

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Text by Yuki Ikeda



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