「予定が詰まった日の朝、頭痛が。あなたは病院に行く?」更年期世代の女性にアンケートして驚いたこと
更年期と聞いてイメージするのは何でしょうか?イライラしている、のぼせて汗をかいている…そんなイメージを持つ人が多いと思いますが、実は肩こりや頭痛、疲れやすさも更年期症状なのです。そんな"知られざる更年期"について、更年期の方に向けたサービス「よりそる」を運営する高本玲代さんが綴るコラム連載です。高本さんご自身もまさに更年期世代。わかりやすい不調だけではない更年期の影響について、体験を交えてお話しいただきます。
ある日の朝、感じたことのないような頭の激痛で目が覚めました。「脳はさすがに怖いな」と思って、病院に行くか悩みました。なぜならその日は、仕事上の予定が盛りだくさんだったからです。
しかし、私には「絶対的なルール」として決めていることがあります。それは「自分にとって一番大事なのは自分の健康と家族であり、それさえあればあとはなんとかなる」というもの。もろもろスケジュールを調整して脳神経内科にいくことにしました。
病院ではCTを取りましたが、深刻なものではなく、後頭神経痛という診断が出ました。PCやスマホのし過ぎでストレートネックになっていたようです。レントゲンで見ると、正常な人とのレントゲンと比較すると一目瞭然で、「相当まっすぐになっているよ」と言われました。
その上で、色々体操などを教えてもらい、今は1時間に一度パソコンで作業する手を止めて体操をしています。おかげでかなり楽になりました。
病院に行こうとしたとき、予約が取れるクリニックは「もう3週間先まで予約がいっぱい」と言われたので、待つこと覚悟で予約がいらない近所のクリニックにしました。
家に帰るまでトータル3時間ほどかかりましたが、「心配のない頭痛である」という結果の収穫は3時間という時間以上のものになりました。なぜなら医師から「症状だけ見たら、脳の大きな病気の前触れということもあるので、きちんと調べておいてよかった」と言われたからです。
一方で、朝、「病院どうしようかな」と一瞬迷った時に「こういったケースで女性たちはどういう行動をとるのだろうか」と思いました。私は更年期の方向けにSNSで色々情報を発信しており、その中でもインスタグラムの中ではよくアンケートを行っています。インスタグラムのフォロワーさんはほぼ40代~50代の女性。まさに更年期世代の方々です。そこで、さっそくインスタグラムでこんなふうに質問してみました。「あなたは経験したことのない頭の激痛を感じているとします。他方、今日は業務がいっぱいです。さて、あなたなら病院に行きますか?」この問いに対し、なんと半数以上の人が「今日は行かない」と答えたのです。
私は仕事柄、更年期症状を抱えている女性の相談にのることが多いのですが、深刻化している人ほど受診や休みを取ることの判断がおくれているのです。
多くの人に聞くと「周囲に理解がない」とか「忙しくて休みが取れない」といいます。
しかし、それは本当なのでしょうか?
体調が深刻な状態になっても休めないと思っているのは実はあなた自身なのでは?と思うことがよくあります。
もし同僚の人が「ものすごく体調が悪くて行けない」といったら、あなたは「それでも会社に来なさい」というのでしょうか?
多くの人が誤解をしています。案外助けを求めたら周囲は理解をしてくれます。問題の大部分は「ちゃんと打診もしていないのにあきらめること」
逆に無理して会社にいくと「元気だから大丈夫」と思われるのです。
そこで我慢して我慢して倒れてしまって、休職や離職を余儀なくされている人を知っています。
「更年期なんて大したことはない」それは事実ではありません。実際に働けなくなっている人を知っているからです。
仕事の責任は他の人が取れるけど、自分の体の責任は自分にしか取れないのです。ですから、もう一度考えて欲しいことは「あなたにとって一番大事なものは何か」ということです。
もし体調がイマイチ、という方がおられたら是非一度考えていただきたいなと思います。
AUTHOR
高本玲代
フェムテック起業家・社会活動家。自身のウツや更年期の経験から更年期女性のケアプロ グラム「よりそる」を立ち上げる。東京都をはじめとする自治体やポーラをはじめとする 企業向けに研修を実施。NHKをはじめメディア掲載50社以上。「がんばらない更年期」 についてYoutube「更年期アカデミー よりそる」で発信中。
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