更年期世代の首に出来るツブツブの正体とは?取るべき?対処法を皮膚科医に聞いた【連載・更年期大学】
更年期世代の首元に時々現れる、ツブツブのようなイボ。とても気になるけれど、これは放置しておいて良いものなのか、ちゃんとクリニックに行ってとるべきものなのか……?更年期世代あるあるのお悩みです。今回は、美容皮膚科タカミクリニックの山屋雅美副院長先生にお話を伺いました。
更年期世代の首元に時々現れる、ツブツブのようなイボ。とても気になるけれど、これは放置しておいて良いものなのか、ちゃんとクリニックに行ってとるべきものなのか……?更年期世代あるあるのお悩みです。今回は、美容皮膚科タカミクリニックの山屋雅美副院長先生にお話を伺いました。
お話を伺ったのは…美容皮膚科タカミクリニック 山屋雅美医師
首のツブツブ。あれは一体何?その原因は加齢なのか
ーー更年期世代の首に出来るツブツブは、どうして出来るのでしょうか?何か原因があれば教えてください。
山屋先生:加齢が原因の場合もありますが、20代や30代の方でも治療を希望される方はいらっしゃいます。体質が関係していることもあります。例外もありますが、肥満の傾向がある方に多く見られます。ただ、これも一概には言えませんね。
原因としては、肌への刺激がきっかけになることがあると思います。例えば、タートルネックの素材ですれてしまったりネックレスが首にあたっているなど、首の皮膚に負担をかけている場合ですね。
ーーツブツブの正体は何なのでしょうか?
山屋先生:医学用語では、「軟性線維腫」「アクロコルドン」そして「スキンタッグ」と呼びます。皮膚は外側から表皮・真皮・脂肪というように層になっていますが、ツブツブしているスキンタッグは、一番外側の表皮部分の皮膚が外側に飛び出している状態です。湿疹のように痒くなったりするものではないですが、患者様の中には痒みを感じる方もいらっしゃいます。
ーースキンタッグと呼ぶのですね。治療が必要なのでしょうか?
山屋先生:特に悪性の種類のものではないので、ご自身が気にならなければそのままにしておいても問題はありません。ただ、大きくなってしまうと衣服と擦れて出血したりする場合があります。また、大きくなったり数が増えたりして気になる場合には治療をおすすめします。スキンタッグが皮膚と同じ肌色の場合と、黒っぽくなって目立ってしまう場合もあります。
ーー具体的に施術はどのように行われますか?
山屋先生:まず、皮膚にクリーム麻酔をしてから炭酸ガスレーザーで表面を焼きます。1個につき5~6秒で終了します。炭酸レーザーを使うメリットは、かなり小さい範囲を狙ってレーザーをあてることが出来るので、周りの皮膚を傷つけないことです。
液体窒素を綿棒につけて焼くクリニックもありますが、その場合には患部以外の皮膚を焼いてしまうこともあり、色素沈着が残ってしまう場合もあります。
当クリニックの場合、レーザー治療後は患部にすり傷が出来たような状態なので、ぬり薬を処方します。大きめの傷の場合には、3日ほど絆創膏を貼って頂く場合もあります。
ーー治療としては、それほど大掛かりなタイプのものではないですね。
山屋先生:そうですね。先ほどもお伝えしたように、皮膚の浅い部分にレーザーを照射していきますので、短時間で終了する施術です。1度レーザーで治療しても、再度違う場所から出来る場合もあります。繰り返す場合の患者様には、1年に1度いらっしゃる方もいらっしゃいます。
スキンタッグの予防法は、基本的に肌ケアと同じ
ーースキンタッグの予防法はありますか?
山屋先生:美肌ケアの基本と共通していますが、①摩擦に気を付ける② UVケアをする③保湿をする この3つを念頭にお手入れを継続してください。ご存知のように、肌に対して摩擦は大敵です。首に出来るスキンタッグは首だけではなく、例えばブラのラインや脇の下など下着と擦れる部分にできることもあります。
ーー摩擦は本当に皮膚にとって悪影響なのですね。
山屋先生:そうですね。例えば、フェイスクレンジングひとつとっても、オイルクレンジングやバームクレンジングを続けることによってシミを作ってしまう方もいらっしゃいます。摩擦を最小限にするためには、ジェルタイプのクレンジングがおすすめです。
更年期大学今回の学び
首に出来るスキンタッグはそのままにしても問題ありませんが、クリニックで治療をした場合、比較的手軽な施術でとれることがわかりました。とはいえ、普段の生活の中で肌を摩擦や刺激から守ることの大切さを改めて感じます。首のスキンタッグが、肌への摩擦と関係があることは意外でした。
子供の頃、ウールのタートルネックのチクチクする感触が苦手だった私に、母がシルクのスカーフを首に直接巻いてからセーターを着るようにと教えてくれました。シルクに含まれるタンパク質は素肌をなめらかに守ってくれるので、直接肌に触れる素材として最高です。
山屋先生から「下着で擦れてしまう部分にスキンタッグが出来ることがある」というお話がありましたが、シルクの下着を身につけて負担を減らすのも良いアイデアだと思います。また、パジャマをシルク素材にするのもオススメです。睡眠中にパジャマと肌の間で起こる摩擦を小さくすることはもちろん、冬場はとても暖かく気持ちが良いです。
コットンも良いですが、シルクは習慣的に身につけると、その心地良さに手放せなくなります。上質のものを少しだけ日常に取り入れて、大事に使いながら自分をいたわるのがいい感じ。気持ちが不安定になりがちな更年期世代は、心地よい環境を作ることが大事だなと感じます。
【取材協力】美容皮膚科タカミクリニック
住所:東京都港区南青山3-18-5モンテプラザ2F・3F・4F
電話:03-5414-6000(初診)03-5414-6300(再診)
AUTHOR
栗尾モカ
記者・漫画家。新卒で航空会社に就職。退社後、出版社に入り多くの企画に携わる。「ダ・ヴィンチ」で漫画家デビュー後、朝日新聞の社会見学連載、「TVタックル」モバイルサイトインタビュー、女性誌「STORY」の海外・美容取材など数多くの連載を担当。女性のウェルネスをテーマにしたコミックエッセイは、取材の経験がニュースソースになっている。シンガポールのメディアに再就職した際、締切と子育てに追われる中でインド・バンガロールにあるヨガ研究大学(Swami Vivekananda Yoga Anusandhana Samsthana / S-VYASA)により考案されたヨガインストラクター認定プログラムに出逢い、資格を取得。伝統的なヨガ哲学や、心身を癒すメソッドを学び始める。著書に「サロン・ド・勝負」「おしゃれレスキュー帳」(KADOKAWA)「女のネタ帖」(学研)などがある。
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