年末年始に更年期世代からの相談が増えた理由|「心も体ももたない…」苦しむ更年期世代に伝えたいこと

 年末年始に更年期世代からの相談が増えた理由|「心も体ももたない…」苦しむ更年期世代に伝えたいこと
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高本玲代
高本玲代
2023-01-23

更年期と聞いてイメージするのは何でしょうか?イライラしている、のぼせて汗をかいている…そんなイメージを持つ人が多いと思いますが、実は肩こりや頭痛、疲れやすさも更年期症状なのです。そんな"知られざる更年期"について、更年期の方に向けたサービス「よりそる」を運営する高本玲代さんが綴るコラム連載です。高本さんご自身もまさに更年期世代。わかりやすい不調だけではない更年期の影響について、体験を交えてお話しいただきます。

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自律神経症状が出る更年期世代にとっては「変化」は一番の鬼門です。

働いている女性は年末まで辛い体に鞭を打って働かれているケースが多く、ようやく休みかと思ったら年末の大掃除や食事の準備、親戚周りとてんやわんやになります。

ここまで自分のペースをなんとか見つけてやっと落ち着いてきた日常が、一気に壊されるのがこの年末年始と言っても過言ではないでしょう。

年末年始はそういった変化に耐えきれない女性からのご相談があふれかえりました。

彼女たちからの相談内容に見られる社会現象やどうやって乗り切るか、について少しお話ししたいと思います。

自分の不調について日頃からどれだけ理解してもらうかが勝負

頑張り屋さんの女性ほど我慢してあまり文句も言わず、限界まで頑張ってしまっています。なんとかやれているから元気、という家族の誤解があります。

私は日頃から「体調が悪いから助けて」と6歳の次女にまで話し、家のことは一家総動員で対応しています。それくらい「更年期って大変は人は大変なんだよ、お願いします」と声を大にして伝えています。

そして「ここの掃除はもういいよね」「おせちも買ったものでいいよね」「お雑煮があればいいよね」「お正月の夜ごはんは簡単にしよう」など、自分も家族もご機嫌でいられる方法を探しています。(また、移動だけで大変になる夫の実家へ行くのは正月以外にしています)

「体がしんどいのに世間のイベントに自分たちを合わせていては体がもたない」「家族関係も悪くなる」というのが家庭内の認識として共有されています。

しかし、ここまでの道のりは長かったです。今でこそ自分の親含めて理解してくれているものの、発症当時は「弱いな」「いつもしんどいと言っている」「ちゃんとしろ」と言われたものです。

自分自身更年期に関する知識もなかったですし、どう説明したらよいのかもわからず、また動けないことに対する罪悪感もあって負のループに陥っていきました。

今回ご相談いただいた方々も過去の自分と同じ状況であったに違いないと感じています。

しかし、「体調が悪いこと」を伝え続けることは大事です。「できないものはできない」と言うしかなく、それをできない自分に負い目を感じないでほしいのです。

しんどいながらやれることをやれる範囲でできた自分を十分にほめてあげて、また1月からボチボチやっていっていくのが一番健康な出だしになると思っています。

「世間は世間、我が家は我が家」といった感覚がとても大事になってきますし、日頃からの家族への教育も続けていって欲しいと思います。

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AUTHOR

高本玲代

高本玲代

フェムテック起業家・社会活動家。自身のウツや更年期の経験から更年期女性のケアプロ グラム「よりそる」を立ち上げる。東京都をはじめとする自治体やポーラをはじめとする 企業向けに研修を実施。NHKをはじめメディア掲載50社以上。「がんばらない更年期」 についてYoutube「更年期アカデミー よりそる」で発信中。



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