パーソナルトレーナーが「身体を変えるだけでは人生は変わらない」と語る理由|本当に大事なものは

 パーソナルトレーナーが「身体を変えるだけでは人生は変わらない」と語る理由|本当に大事なものは
mikiko
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2022-06-24

パーソナルトレーニング指導や自分自身の失敗を通じて感じるのは「身体を変えるだけでは人生は変わらない」ということ。どうやら、どれだけ努力を重ねて見た目だけ変えたとしても、それを活かせるだけの「思考」と「環境」が欠けていれば、その大変身に人生を動かすほどのポテンシャルは生まれないようなのです。 「色々努力してるつもりだけど、なんか空回りしてるな」と思っている人が前に進むために必要な2つの視野を紹介します。

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嫉妬をまっすぐ受け止める「思考」

ある女性を指導していた時のこと。その人が、若い女性が自撮りをしている姿を見て「うわ、あの人ナルシスト...」って嫌な顔をしたんです。よくありますよね、「あの人絶対自分のこと好きだよ」って会話。

でも、「なぜ嫌悪感を感じるか」まで考えたことがある人は少ないのではないでしょうか?相手は誰にも迷惑をかけていないし、その人なりに人生を楽しんでるんだからそれでいいはずです。「よかったね」で終わるはず。自分は「もっと自信が持てたらいいな」と思っているのに、いざ自信がある人を目の前にすると嫌な気持ちになるんです。不思議ですよね。

「あの人嫌だなぁ」と思う気持ちの根っこにあるのは、自分の嫉妬心だったりします。他人のキラキラした姿が自分のコンプレックスをえぐっていたりする。成功してる人や自分に自信がありそうな人に「よかったね」「そのままの君でいてね」って言えないのは、自分が心のどこかでコンプレックスと闘っていて、自分を守るために必死になっているだけなのかもしれません。その場合、原因は相手ではなく、自分の中にあるのです。

そのお客さんとは「あの人に『あなたが楽しいならそれでいいよ』って言えない理由は何だろう?」「フィットネスで身体を変えていくのは大切だけど、身体以外にも自信を育てるために必要なものはあるのかもしれないね」という話をしました。いくら身体が大変身したって、人を否定することで成り立つ自己肯定感を育てていては人生が好転するわけないですもんね。

自分のネガティブな気持ちを受け入れて「自分も本当はあの人みたいになりたいんだよね」と認めることが出来たら一番いいんでしょうけど、実際は難しい...。私も時々「ほらほら、また嫉妬してるんじゃないの?」なんて一人で反省会をしています。でも、嫉妬に心を動かされていると気付くだけでも、その後の思考や言動は変わります。余裕ってものは、そうした小さな変化を積み重ねて、一生をかけて学んでいくものなのかもしれませんね。

 

「そのままの君が好き」を大切にできる「環境」

私は、今でこそ(時々の嫉妬を除いて)「今の私、自分を貫けててカッコいいよ、誰に何言われてもそのまま行きなよ」と語りかけられるようになりましたが、こうして自分を軸に生活を送れるようになったのは、つい最近のこと。海外留学や引越しなどの環境の変化がきっかけでした。

行く先々で「よかったね」「そのままの君でいてね」と言ってくれる人たちに出会い、少しずつありのままの自分の存在を肯定していくことが出来るようになったんです。問題だらけだと思っていた自分が肯定されていく時の安心感が、私が前に進むために必要なエネルギーとなりました。

カメラの前でこんなに笑うようになったのも「あのままの自分」を肯定することができるようになったから
カメラの前でこうやって笑うようになったのも、ありのままの自分を肯定できるようになったから

もちろん、世の中にはそう言ってくれる人ばかりではなく、どれだけ私が頑張ったって私の良さが分からない人もいたし、嫉妬から言葉の暴力をふるってくる人もいました。でも、自分にはどうにもできないことに労力を使うより、「そのままの君が好き」って言ってくれる人を大切にする方に時間を使うことに決めたんです。「ありのままの私」に嫌悪感を持つ人は、離れていってくれていい。今いる環境に「ありのままの私」を分かってくれる人がいないなら、分かる人がいる環境に出ていけばいいだけなのです。

そうやって“勇気を出して”逃げ回っていたら、「そのままの君が好き」って言ってくれる人達だけが側に残りました。「そのままの私」を大切にしている私も気持ちがいいし、そんな私の側にいる人も笑顔でいてくれる。だからみんなで元気に前に進んでいける。好循環が次々と起こっていきました。私自身は「そのまま」なのに、環境を変えることで人生が好転していったのです。

 

身体の大変身だけでは得られないもの

嫉妬心、嫌悪感、劣等感、が持つエネルギーはすごく強い。強いしそこらじゅうに伝染します。周りの人にも、あなたの表情にも、あなたの未来にも。なんでも飲み込んでいく割にはあまり生産性がありません。

そんなことに時間を使ったり気持ちが消費されるよりも、他人が気にならなくなるくらい自分の人生のために生きた方がいい。他人の庭に文句つける時間があるなら、自分の庭をキレイな花で埋めることにエネルギーを注いでください。そして、自分の庭にケチつけてくる人ではなく、「あなたの庭が好きだ」と言ってくれる人と時間を過ごしてください。

私は、人の「なりたい身体」を叶えるパーソナルトレーナーとしてこれだけは何度でも言っておかなければならないと思っています。世の中には、身体の大変身では変えられないもの、学べないもの、気づけないことがたくさんある。なりたい自分になるために一生懸命になるのももちろん素敵だけれど、見た目を変えることばかりに囚われては何も変わりません。「そのままの自分」も大切にしながら、それを活かすための「思考」や「環境」を見直すことも忘れないようにしてくださいね。

 

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パーソナルトレーナー|自身の失敗経験を元に個人差や体質を重視した『mikiko式フィットネス論』を提唱|身体と人生観が変わるフィットネス哲学で、一生ブレないための視野と学びを発信しています|流行を根拠と本質で斬る人| 筑波大学健康増進学修士|NZベストトレーナー入賞



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