「こんな私もいいじゃん」"私"に縛られず生きていく|元モーニング娘。小川麻琴、34歳の今|後編

 「こんな私もいいじゃん」"私"に縛られず生きていく|元モーニング娘。小川麻琴、34歳の今|後編
Takahito Ochiai(Gran)

13歳でモーニング娘。5期メンバーとして芸能界デビューした小川麻琴さん。トップアイドルとして駆け抜けたあとは、タレント・俳優活動と並行して、アプリのディレクターや大学の講師、ベーグルのプロデュースなど、ジャンルを問わずさまざまなことに挑戦されています。現在、数年前から始めたヨガのインストラクター資格取得を目指している小川さん。“挑戦”をキーワードに、小さいころやモーニング娘。時代のこと、ヨガに出会っての変化など3回に渡ってお話をお伺いしました。

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13歳でモーニング娘。5期メンバーとして芸能界デビューした小川麻琴さん。トップアイドルとして駆け抜けたあとは、タレント・俳優活動と並行して、ベーグルのプロデュースや大学の講師など、ジャンルを問わずさまざまなことに挑戦されています。最近は数年前から始めたヨガのインストラクター資格取得を目指している小川さんですが、ヨガとの出会いから「どんな自分も好きになりたい」と思うようになったそう。長年、芸能活動を続けている小川さんにとって“普通”とは。これからの“挑戦”についてなど、お聞きしました。

私の普通とあなたの普通は違うから

――前回、インストラクター資格の取得取得を通して、ヨガの哲学を学びたいというお話を伺いました。そこには自分を好きになりたい、自分と向き合いたいという思いもあるそうですね。

小川さん:人には「そのままでいいじゃん」って言ってあげられるんですけど、自分はありのままの自分を認められないんですよね。ダメな自分でもいいじゃんって、受け止められるようになりたいです。でも、元気な自分も決して嘘じゃないんですよ。みんなの前で作っているわけでもなくて、これも私。暗く考えちゃう自分も私。弱さを持っている自分も好きになってあげられたらいいなと思います。それも私だよって。

芸能界でずっと戦っている分、弱さを見せられないところもありますけど、もうちょっと自分のことを認めてあげられたらいいなって。ヨガをやっていると、自然とそういう気持ちになれるんですけど、あともう一歩。そのためにも、ヨガについての学びを深めたいなと思っています。

小川麻琴
「ダメな自分でもいいじゃんって、受け止められるようになりたいです」(小川麻琴さん)

――芸能界でずっと戦っている、という言葉がありましたが、ある種、芸能界は「普通じゃない世界」だと言える部分もあると思うのですが、10代からそこで活動している小川さんにとって“普通”ってどんなものですか。

小川さん:「普通」って、何なんでしょうかね。私、普通ってよく分からなくて。私の普通とあなたの普通は違うよねって思うし。最近感じるのは、枠を作りたがる人の多さ。こうあるべき、みたいな。男らしさ、女らしさ、とかもそうだと思うんですけど、そういう“らしさ”についても、何なのかなって感じています。

私らしさって何だろうっていうのも、よく考えます。芸能界にいると「まこっちゃんってこうだよね」というイメージがあるので、「私らしさってこうだよな」と自分でも思ってしまうんですけど、そのイメージにない弱さを持つ私もいて。それをひっくるめて私なんだけど、それを出してもいいのかな、求める私でいた方がいいのかな、と思うこともあって。

いろんな普通があっていいと思うんです。どっちも正解じゃないし、どっちも不正解じゃないから、お互いが尊重しあえたら、みんなハッピーになるのになって思います。

竹のようなしなやかな人になるために

―― “普通の”と言ってしまうと少し語弊があるかもしれませんが、長年エンタメの世界にいるなかで、いわゆる「普通の人」になりたいという気持ちになったりしませんか。

小川さん:新しい世界が見つかったら挑戦したいな、という気持ちはずっと持っています。ファンの方が聞いたら悲しむかもしれないんですけど、実は「芸能界でずっと生きていきたい」と強く思っているわけではないんです。今はエンタメを通して人をハッピーに出来ているから、それが私のハッピーになっていますけど、例えば今後ヨガを通して周りをハッピーに出来るようになったら、それもいいのかなって。誰かがハッピーになる手段には、別にこだわっていないというか。

今、芸能活動と自分の挑戦が両立出来ているのは、それが両方とも誰かのハッピーに繋がっていて、自分のハッピーにもなっているから。今後、挑戦していくなかで別のハッピーが目指せる環境が出来ても最高だなって思いますし。今はファンの方が「舞台のまこっちゃんが観たい。元気をもらえるよ」と言ってくれるから頑張りたいし、まだ舞台に立っていいんだな、と思える気持ちもあります。エンタメの世界は求められる需要がなければ、やりたくても出来ないですから、今は声をかけていただいているのが本当にありがたいです。

――その柔軟な考え方が、ジャンルを超えて挑戦を続けられる秘訣なのかもしれませんね。

小川さん:そうなんですかね。「いろんなことやってますね」と言ってもらうことも多いんですけど、本当にチャンスがあるから、やってみよう!という気持ちだけなんです。アプリも「作ってみませんか?」と言われて「やりたい!」と手を挙げた感じですし。私がもともと、そこに対してめっちゃアンテナを張っていたかというと、そうではないし、チャンスとご縁が続いているだけなんです。

お声がけいただいたことにも全部手を挙げるのではなくて、求められているものが私の力不足のものだったら「そこまでは出来ないです」と正直にお伝えしていますし。分からないことでも「やります」という強さも、ときには必要かもしれないですけど、私はそういうタイプではないので「このジャンルならここまでしか出来ないですけど、やれるならやりたいです」と、最初にお伝えすることを心がけています。

――自分の出来ることを把握して、やりたいことに飛び込んでいく。そういうバランス感覚も挑戦するときには必要なことなのかもしれませんね。では、最後に今後どんな挑戦をして、どんな“小川麻琴”になっていきたいか、教えてください。

小川さん:今まで走り続けてきた自分、それも小川麻琴ですけど、ここからは無理なく自分らしくいる環境のなかで、新しい自分と向き合っていく期間にしていきたいなと思っています。今までのガムシャラに頑張ってきた小川麻琴も大事にしつつ、もう1ステージ、人としてステップアップしたい。もうちょっと余裕のあるというか、肩の力を抜いて、プライベートも仕事も頑張る!全力でやらなくちゃ!ではなく、今後は楽しむことにフォーカスして、それを仕事に繋げられるように。

「こんな私もいいじゃん」っていうイメージですね。自分を認めてあげて、そのなかで楽しみながら仕事も頑張っていく。こんな私だけど応援してくれたら嬉しいな、くらいの生き方にシフトチェンジしていけたらいいなって感じています。

将来的には、しなやかな人になるのが目標です。私、竹のような人になりたいんです。何があっても芯はぶれずに柔軟に。これまでゼロか100かで生きてきたから、真ん中にいるのが不安なんです。どっちかに全力で振らなくちゃと思っているので、「どっちも私だよ!」ってなれたらいいなって。ヨガを続けていったら、そんな風に「ニュートラルもいい」と思える私に出会えるんじゃないかなと思っています。

小川麻琴さんプロフィール

小川麻琴
小川麻琴さん

1987年10月29日生まれ。新潟県柏崎市出身。2001年モーニング娘。に5期メンバーとして加入。2006年に卒業後、ニュージーランドへ語学留学。帰国後は舞台を中心に、TV、ラジオ、イベントなどさまざまな分野で活動。2015年よりフリーに転身。アプリのプロデュースや東洋大学の講師、ベーグルのプロデュースなど幅広く活躍している。Twitter@1029makoto Instagram@1029_makoto 

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Photos by Takahito Ochiai(Gran)
Text by Mitsue Yoshida
Hair&make-up by Yuki Inakoshi(PUNCH!)
Pose instruction by Kanako Noguchi

AUTHOR

ヨガジャーナルオンライン編集部

ヨガジャーナルオンライン編集部

ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。



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