諦めるためにした行動が、その後の人生を変えた|元モーニング娘。小川麻琴、34歳の今|前編

 諦めるためにした行動が、その後の人生を変えた|元モーニング娘。小川麻琴、34歳の今|前編
Takahito Ochiai(Gran)

13歳でモーニング娘。5期生として芸能界デビューした小川麻琴さん。トップアイドルとして駆け抜けたあとは、タレント・俳優活動と並行して、アプリのディレクターや大学の講師、ベーグルのプロデュースなど、ジャンルを問わずさまざまなことに挑戦されています。現在、数年前から始めたヨガのインストラクター資格取得を目指している小川さん。“挑戦”をキーワードに、小さいころやモーニング娘。時代のこと、ヨガに出会っての変化など3回に渡ってお話をお伺いしました。

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モーニング娘。の5期生として13歳で芸能界へ。グループを卒業後は、タレント・俳優としてはもちろん、アプリディレクターや大学講師、ベーグルのプロデュースなど、幅広いジャンルで活躍する小川麻琴さん。数年前にヨガと出会い、現在はインストラクターの資格取得にも意欲的だという小川さんですが、その挑戦心はどこから生まれてくるのでしょうか。今回は“挑戦”をキーワードに小さいころのお話。そして、アイドルを夢見るお子さんを持つ親御さんに伝えたいことなど、お話をお伺いしました。

"諦める"ために行動したことが、その後の人生を変えた

――芸能活動だけでなく、さまざまな分野で意欲的に挑戦している小川さん。モーニング娘。5期生オーディションも挑戦のひとつだったと思いますが、小さいころからやりたいことには臆さずチャレンジするタイプだったのでしょうか。

小川さん:そうですね。わりと「やりたい!」と思ったことは、すぐに挑戦するタイプでした。父も母も、私がやりたいことは反対せずにやらせてくれる人だったので、小学生のころは月曜から金曜まで毎日習い事、みたいな感じでした(笑)。週に2回、塾に通って、あとはスイミングや習字、ピアノ。すぐ止めちゃったものもありましたけど、夏休みの間だけ、演劇教室のサークルに入っていたことも。「やりたいな」と思ったら、すぐに行動に移す。「やりたい」「やろう!」「やってみよう!」という感じでした。

そういうところは今も変わってないですね。ちょっとやってみたいな、と思うことがあったらすぐに調べてやる方向で考えちゃう。ヨガもそうですけど、興味があることに対しては「もっと深く入ってみよう」と思います。

――習いごとなど、やりたいことに次々と挑戦するなかで、ある意味一番大きな挑戦だったのがモーニング娘。のオーディションだったわけですよね。

小川さん:大きな挑戦、と言えばそうなのかな。というのも、オーディションを応募したきっかけは「夢を諦めるため」だったんですよね。新潟で歌とダンスを教えてくれるスクールに通っていたんですけど、中学2年生のときに親から「来年は高校受験だから、学業に専念しよう」と言われて、スクールもその年で辞めることになっていたんです。

そのタイミングで、母親がモーニング娘。の5期メンバーのオーディションがあるという新聞の切り抜きを持ってきてくれたんですよ。「これを受けて、諦めなさい」って。自分でもそういう気持ちで受けたんですけど、どうせやるんだったら一生懸命やろうとガムシャラに向き合っていたら、最終審査まで残って。最後は「絶対受かりたい!」という気持ちに変わっていました。

あのとき、オーディションのことを母が教えてくれなかったら、ここにいなかったと思うので、まず感謝ですけど、そういった面でも両親はやりたいことを応援してくれるタイプだったので、すごく恵まれたなと。「やりたいことがあるなら挑戦しなさい」と言ってくれる両親だから、自分もいろんなことに挑戦できたのかなと思っています。

小川麻琴
「あの日もし母がオーディションのことを教えてくれなかったら、今の私はここにはいないと思う」(小川麻琴さん)

子どもの可能性を信じてあげてほしい

――アイドルを目指すお子さんを持つ親御さんに、ご自身の経験から、お子さんにこんな風に接してあげてほしい、と思うことはありますか。

小川さん:難しいですけど、まずはその子の可能性を信じてあげてほしい。親の言葉ってすごく大きいんですよ。応援の声はもちろんですけど、ちょっとマイナスな言葉もすごく心に残るので。やっぱり親には味方でいてほしいじゃないですか。それなのに反対されてしまうと、すごく反発したくなっちゃうというか。だから、全部そのままOKというわけにはいかないと思うけど、まずは言葉を聞いてあげてほしい。ご両親が可能性を摘み取ってしまうのはもったいないなと思います。

やっぱりやりたいことや楽しいことに対してのエネルギーって、すごいと思うんです。大人になればなるほど、好きなことにかけられる思いは減っていくから。そういう熱意があること自体が素晴らしいことだよって言ってあげてほしいですね。今の時代、将来の夢がないという人もいるなかで「私はアイドルになりたい」と言えるのって、それだけですごいことなんじゃないかな。

最初から「あなたは出来ないよ」と決めつけるのではなくて「やってみれば?」という気持ちで応援してあげられたらいいのかなと思います。ダメだったとしても自分で決めたやったことなら「チャレンジしてよかった」となるけど、やらなかった後悔は一生残ってしまうから、親のせいで挑戦できなかった、となるのはもったいないと思うんですよね。だったら、その挑戦する瞬間を一緒に頑張ってほしい。自分もそうだったけど、親がサポートしてくれてるって、すごく心強いんです。

――頭ごなしに無理だよ、と反対するのではなくて、失敗したり、悩んだりしたときにはしっかりとフォローすることも大事ですね。

小川さん:失敗しても、よかったじゃん!って言えるくらいでいいと思うんですよね。失敗なんて成功のもと。チャレンジすることって大事ですよね。私、停滞が一番もったいないと思うんです。チャレンジしなかったら何も変わらない。それって失敗もないけど、前進もなくて、ただの停滞。失敗しても一歩は絶対進んでいるはずなので、子どもにとってはすごく安心するんじゃないかなって思います。

でもね、親は親で心配なんだろうなとも思うんですよね。自分に子どもが出来て「アイドルになりたい」と言われたらと思うと……。

――やっぱり心配になっちゃいますか。

小川さん:めっちゃ悩むと思います。「そんな簡単じゃないから、ちゃんとした覚悟を持ってね」と最初に言っちゃうかな。本当にやりたいことだったら全力で応援するけど、中途半端に進んでいける世界ではないよ、というのは、自分がそこにいたからこそ、ちゃんと伝えたいです。けど、やっぱり心配しちゃうだろうなぁ。

華やかな世界ですけど、裏ではすごく大変だったので。それは私も加入してから分かったことですけど、モーニング娘。ってステージではあんなに笑顔で楽しそうだけど、裏ではすごく練習して、リハーサルして、休みなく動いているんだって。芸能界に限らず、どの世界でもそうですけど、プロで活躍されている方は本当にすごいですよね。だからこそ、リスペクトを持って挑戦してほしいなと思います。

小川麻琴さんインタビュー中編に続きます!

小川麻琴さんプロフィール

1987年10月29日生まれ。新潟県柏崎市出身。2001年モーニング娘。に5期メンバーとして加入。2006年に卒業後、ニュージーランドへ語学留学。帰国後は舞台を中心に、TV、ラジオ、イベントなどさまざまな分野で活動。2015年よりフリーに転身。アプリのプロデュースや東洋大学の講師、ベーグルのプロデュースなど幅広く活躍している。Twitter@1029makoto Instagram@1029_makoto

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Photos by Takahito Ochiai(Gran)
Text by Mitsue Yoshida
Hair&make-up by Yuki Inakoshi(PUNCH!)
Pose instruction by Kanako Noguchi

AUTHOR

ヨガジャーナルオンライン編集部

ヨガジャーナルオンライン編集部

ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。



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