「弱さを見せられる自分」も好きになりたくて|元モーニング娘。小川麻琴、34歳の今|中編

 「弱さを見せられる自分」も好きになりたくて|元モーニング娘。小川麻琴、34歳の今|中編
Takahito Ochiai(Gran)

13歳でモーニング娘。5期生として芸能界デビューした小川麻琴さん。トップアイドルとして駆け抜けたあとは、タレント・俳優活動と並行して、アプリのディレクターや大学の講師、ベーグルのプロデュースなど、ジャンルを問わずさまざまなことに挑戦されています。現在、数年前から始めたヨガのインストラクター資格取得を目指している小川さん。“挑戦”をキーワードに、小さいころやモーニング娘。時代のこと、ヨガに出会っての変化など3回に渡ってお話をお伺いしました。

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モーニング娘。を卒業後は、タレント・俳優活動に加えて、アプリディレクターやベーグルのプロデュースなど、ジャンルを超えて活躍している小川麻琴さん。数年前から続けているヨガは、インストラクターの資格取得も視野に。さまざまなことに挑戦し続けている小川さんですが、ご自身のことを「実は、ネガティブ」だと語ります。今回は今の自分に活きているモーニング娘。時代の経験、ヨガとの出会いから変化したことなどをお伺いしました。

10代で経験した厳しさに感謝している

――14歳でモーニング娘。に加入し、10代をアイドルとして過ごした小川さん。当時は、かなりハードな毎日で大変なことも多かったのではないでしょうか。

小川さん:当時はめっちゃきつかったし、毎日新潟に帰りたいって思ってましたけど、今思うと右も左も分からない10代だったからこそ、ガムシャラに進めたという部分はありますね。厳しいこともいっぱい言ってもらって、常に全力でやらせてもらった経験や学びは、今でも自分のなかに活きています。当時、積み重ねたものが自信に繋がっているんだろうなと思うことが多いんですよ。

今でも舞台に立つときは緊張しますけど、大丈夫って自分を信じてあげられるのは、当時かなり場数を踏んだから。10代で培ったものが活きているなと感じることが多いです。あのときの厳しさに感謝です!

――グループを卒業したあとには海外に留学。事務所を辞めてフリーで活動するようになってからは、ジャンルを問わずさまざまなことに挑戦している印象があります。

小川さん:卒業のタイミングで留学したのは、新しいことに挑戦したいなという気持ちと、せっかくなら誰もやってないことがいいな、という浅はかな考えで(笑)。当時は、モー娘。の卒業生で留学しているメンバーがいなかったから、面白そうだなって思ったんですよ。だから、そこまで「海外、よし行くぞ!」と意気込んで行ったわけでもなく「ちょっとチャレンジしてみよう、何とかなるでしょ」くらいの気持ちでした。

今だったら海外で一人暮らしって、すごく怖いと思うんですけど、当時は知識がなかった分、ワクワクしかなかったですね。こういうところ、自分でもよく分からないんですけど、全然自信ないくせに「なんとかなるでしょ!」とチャレンジ精神だけで進んでしまうところがあるんです。昔から「とりあえず、やってみよう。ダメだったらその時また考えたらいいじゃん」みたいな感じがあります。

海外にいた期間にはTOEICにチャレンジして、ある程度の点数が取れるまでになったり、コーヒーが好きだったからバリスタの資格を取ったり。フリーで活動する前には1年ほど芸能活動をお休みしていたので、その間に医療事務の資格も取りました。何かあったときに働けるためには、勉強していた方がいいかなと。あと、母国語が英語じゃない国の子どもに英語を教える資格も持っています。無駄に資格持ちですね(笑)。

自分と向き合うためにヨガを学びたい

――今は、ヨガインストラクターの資格取得も目指していらっしゃるんですよね。

小川さん:ヨガは数年前に始めたんですけど、続けていくなかでヨガの気持ちよさって、ただ体を動かすだけじゃなくて、心の安定。呼吸をすることによって自分を知ったり、自分に向き合う時間になったりするところだなって思ったんです。ヨガを始める前まで、自分の内側に意識を向けられる時間って無かったなと気付くのと同時に「今日取れたポーズが取れないのは、なんでかな」「今日集中してないな」とか、その日によって変わるのも面白いなと、ヨガの哲学みたいなところに興味を持って。ヨガの資格を取ることで、その哲学を学ぶことができたら、自分の心にもっと向き合えるのかなと思いました。

身体的なトレーニングをしたりしながら哲学的なことも学ぶ、というのはやっぱりスタジオに通うだけだと無理なのかなとも思ったので、資格を取ろうと。人に教える云々ではなく、知りたい、学びたいというのが一番にあります。

小川麻琴
「呼吸をすることで自分を知ることができる。それがヨガの好きなところです」(小川麻琴さん)

――フィジカルな面ではなくて、メンタル面から興味を持ち始めたことが資格取得を目指すきっかけになったんですね。

小川さん:そうですね。自分のメンタルをもっと鍛えたいと思ったんです。モーニング娘。時代からの"元気がよくて活発な小川麻琴"という、この自分の姿も全然嘘じゃなくて私なんですけど、実は本質的には自分に自信が無くて、わりとネガティブ。「私なんて……」と思ってしまうことも結構多いんです。そんなときに、今回の撮影でもヨガのポーズ指導をしてくださった、のぐちかなこ先生の「ヨガに出会って、自分を好きになれた。ありのままの自分を好きになれるのがヨガ」という言葉を聞いて、自分もそうなりたいなって。

グループにいたことが悪いわけではないんですけど、やっぱり同世代の子が集まっていると周りと比べてしまったり、「私なんか」と思ってしまったり。そういう思考の癖が染みついてしまって、自分を好きになってあげられない、認めてあげられない気持ちがずっと続いてしまっていたんですね。そういうのも全部ひっくるめて、自分を許してあげること。ヨガを通して、頑張りすぎなくてもいいんだよ、今の自分でいいんだよ、と自分自身に言ってあげられることを訓練できたらいいなって思っています。

やっぱり今はまだ「昨日ここまで出来たのに今日はなんで出来ないの」って自分を責めちゃうことが多い。でも、ヨガをすることによって少しそれが減ってきたというか。それもあって、ヨガの本質はどこなんだろうというところに興味を持っているので、インストラクターの資格取得を目指しながら、自分と向き合ってメンタルを鍛えたいと思っています。

*インタビュー後編は2022年6月19日21時に配信します。

小川麻琴さんプロフィール

小川麻琴
小川麻琴さん

1987年10月29日生まれ。新潟県柏崎市出身。2001年モーニング娘。に5期メンバーとして加入。2006年に卒業後、ニュージーランドへ語学留学。帰国後は舞台を中心に、TV、ラジオ、イベントなどさまざまな分野で活動。2015年よりフリーに転身。アプリのプロデュースや東洋大学の講師、ベーグルのプロデュースなど幅広く活躍している。Twitter@1029makoto Instagram@1029_makoto

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Photos by Takahito Ochiai(Gran)
Text by Mitsue Yoshida
Hair&make-up by Yuki Inakoshi(PUNCH!)
Pose instruction by Kanako Noguchi

AUTHOR

ヨガジャーナルオンライン編集部

ヨガジャーナルオンライン編集部

ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。



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