「相手を好き過ぎた過去の自分が恥ずかしい」彼女が恋愛をこじらせた理由|かくれ繊細さんの恋愛

 「相手を好き過ぎた過去の自分が恥ずかしい」彼女が恋愛をこじらせた理由|かくれ繊細さんの恋愛
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Sさんの現状

それで、Sさんは恋愛が結婚への流れになるのであれば、自分は結婚しなくてもいいかなと思っていらっしゃるのだそうです。結婚を考えない恋愛をするだけにしておきたいと。

これは、ある意味納得のいく考えだと思います。

かくれ繊細さんは結婚をするなという意味ではありません。結婚する機会にめぐまれたら、経験として結婚を選択することや、結婚を継続する努力をすることは間違いなく貴重で得難い体験として自分に蓄積されていきますから。

でも、Sさんはまっとうでない部分を見せられる相手と恋愛することで、その部分を受け入れ合う甘美な体験をするのでしょう。でも、それは結婚という形に必ずしもならないかもしれません。それならそれで、良いんじゃないかと思うんです。まっとうな人との恋愛はできないんだろうと、なんだか気づいてしまったのだから。

かくれ繊細さんはどう恋愛したらよいか|"恋愛のゴール"への考え方

かくれ繊細さんの恋愛って、自分がどんな人と相性が良いとかいうレベルの話では解明できないと感じます。

Sさんの事例が端的に示しているように、ある程度大人になったら、かくれ繊細さんがのめり込むだけのめり込める恋愛は、結婚=ゴールという形に収まりにくいということは予想がつくかと思います。

結婚というゴールが欲しいなら、①そののめり込める相手の方と一緒に、結婚という一定の形に作り上げていくか、あるいは、Sさんの次のお相手のような、②自分がのめり込むことなく冷静でいられる相手と、タスクのようにゴールを達成していく。このどれかしかないんじゃないかと思います。

のめり込む恋愛をさせてくれる相手とであれば、かくれ繊細さんの恋愛に必要なのは「相手の意図を必要以上に察していると感じてくるしくなったら、そのことを伝えること」が大事かと思います。「自分は、察して、相手が喜ぶんじゃないかなと思うことを勝手にどんどんしてしまったりする傾向があるの。それが嫌だったら言ってね」のように懸念していることに釘を刺しておくと、詮索しすぎて空回りしなくて済むのではないでしょうか。これは、自分の思いを言葉にして、これまで言わないでいたことを開示してみるということです。

それから、Sさんが言っていたのですが、「相手のことを考えることを一旦やめてみるぐらいの大胆さがあってもいいのかもしれない」というのも良いそうですよ。

これを書きながら、今の自分のかくれ繊細さんの自覚と知識を持ったまま若返れたら、恋愛をやり直してみたかったなぁ、と悔しく思っています。

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時田ひさ子

時田ひさ子

HSS/HSP専門カウンセラー。繊細で凹みやすいが同時に好奇心旺盛で新しいものへの探求欲が旺盛なHSS型HSPへのカウンセリングをのべ5000時間実施。講座受講生からのメール、LINEのやりとりは月100時間以上。著書に『その生きづらさ、「かくれ繊細さん」かもしれません』(フォレスト出版、2020年)がある。



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