あなたの恋愛がうまくいかない本当の理由|心の専門家が解説

 あなたの恋愛がうまくいかない本当の理由|心の専門家が解説
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石上友梨
石上友梨
2022-02-02

「恋愛がうまくいかない」「傷つくような恋愛を繰り返してしまう」という方は少なくありません。もしあなたが悩んでいるのなら、今回の記事を参考にしてください。

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気持ちを無視してくるような男性と、ずるずる付き合い続けてしまうAさんの話

好きでもない相手と付き合ったり、自分を好きになってくれる人に対して「こんな自分を好きになってくれてありがとう」と、乗り気でなくても相手の誘いを受けてしまうというAさん。自分の時間やお金などを犠牲にしたりすることも多いようです。また、相手の男性が実はだらしなかったり、浮気っぽかったり、俺様タイプでAさんの気持ちを無視するような人でも、なかなか関係を切れずに付き合いを続けていました。このような恋愛パターンから抜け出したいと思う一方で、また同じような人だったらどうしようと次の恋愛に臆病になってしまいます。

自己肯定感が低いと恋愛はどうなる?

先述のAさんは、自分のことをなかなか好きになれず、自分の良いところは何もないと感じていました。

自己肯定感とは、ありのままの自分を認めて肯定できる感覚のことです。自分はやればできるという「自己効力感」や自信とは異なり、自分の良い面も悪い面も含めて自分の存在そのものを受け入れられることです。自己肯定感の低さは恋愛にも影響を与えます。自己肯定感が低いと、自分の良い面を認められずに、「こんな私は幸せになれない」と自己卑下をしたり、いわゆるダメな男ばかり選んでしまう場合があります。あなたを1人の人間として尊重せず、あなたの気持ちを大切にしないような人とばかり付き合ってしまうかもしれませんね。また、自分の悪い面を認められずに、自然体な自分ではなく、相手に合わせた「良い彼女」を演じてしまう場合もあります。このような無理をした関係は長く続かないでしょう。そして、自己肯定感の低さは、恋愛への慎重さにつながることがあります。「どうせうまくいかない」と諦めてしまったり、傷つくことを恐れて行動を起こせないかもしれません。「あの時、ああしておければよかった」と後悔して、気持ちの整理がつかないまま、過去の恋愛を引きずることもあるでしょう。

自己肯定感が高いと恋愛はどうなる?

自己肯定感が高いと、自分と同じように相手の良い面も悪い面も受け入れやすくなります。相手の悪い面を見ないふりせずに、相手にうまく伝え、上手に折り合いをつけられるようになるかもしれませんよ。また、自分を過度に卑下することなく、自分に合った相手、あなたを尊重してくれる相手を見つけやすくなります。新しい恋愛に対して行動する勇気や、例え失敗したとしても、落ち込みから早めに抜け出して立ち直る力につながります。

自己肯定感を高めるためにできること

それでは、自己肯定感を高めるための方法をいくつか紹介します。自分に合った方法から無理のないペースで少しずつ取り組みましょう。

1. マインドフルネス

マインドフルネスは「今起きていることにあるがまま気づき、あるがまま受け入れること」です。マインドフルネス呼吸瞑想では、呼吸に注意を向けます。そして、呼吸を無理にコントロールをせず、あるがままの呼吸を観察していきます。もちろん注意がそれて雑念が浮かんできますが、それで大丈夫です。雑念が浮かんだことにも気づき、注意を呼吸に戻しましょう。このようにマインドフルネスの練習をすることで、自分の気持ちや想い、自分の行動や特徴についてもありのまま観察し、受け入れる力が鍛えられていきます。

2. 自分の好きを大切にする

自分の「好き」という感覚に気づき、それを大切にした行動を取りましょう。自己肯定感が低いと自分ではなく他人の基準で物事を判断しやすくなります。自分の「好き」という感覚を養うために、「心が少しでも動くもの」「惹かれるもの」を敏感にキャッチしましょう。

3. 自分に対して否定せず「それでいいよ」と声かけする

自分を無意識的に否定し、自己卑下していることに気づいたら、肯定的な声かけに変えていきましょう。自分が失敗した時も、何かを後悔している時も、それを気にして落ち込んでいるのは、あなたの向上心や、現状を変えたいという素敵な思いがあるからでしょう。自分のマイナス面だけではなく、「頑張った部分」など肯定的な面に目を向けます。そして、過去の自分や今の自分を丸ごと「それでいいよ」と声かけしましょう。

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石上友梨

石上友梨

大学・大学院と心理学を学び、心理職公務員として経験を積む中で、身体にもアプローチする方法を取り入れたいと思い、ヨガや瞑想を学ぶため留学。帰国後は、医療機関、教育機関等で発達障害や愛着障害の方を中心に認知行動療法やスキーマ療法等のカウンセリングを行いながら、マインドフルネスやヨガクラスの主催、ライターとして活動している。著書に『仕事・人間関係がラクになる「生きづらさの根っこ」の癒し方: セルフ・コンパッション42のワーク』(大和出版)がある。



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