「惚れた・腫れた」で終わらないのはなぜ?「かくれ繊細さんの恋愛」はなぜ底なし沼なのか?3つの要因
かくれ繊細さんは、好奇心旺盛で、感受性の高い人たちです。普通の人たちから見たらメンドクサイ反応や思考回路を持っているので自信をなくすことが多い反面、観察力、洞察力、想像力、集中力に優れているため扱いようによってはすごい力を発揮します。「いったいどうやったら結婚できるの?」という疑問をいただくことも多いので、この方たちの恋愛・結婚の側面を掘り下げてみたいと思います。
かくれ繊細さんの恋愛は、まるで底なし沼
かくれ繊細さんの恋愛はただ、男女間、好きな人に好きだとか愛しているだとか言うことなだけではない、底なし沼感が否めません。恋愛を惚れた腫れたで終始できるなら簡単なわけですが、恋愛の奥行きが深すぎるのです。それは、恋愛には「自分の容姿による傷つき体験」「自分の気持ちを伝えられない」「性との出会い方・付き合い方」という3カテゴリーに課題が表面化します。これは、恋愛・結婚にまつわる自分の側の要素です。その上、恋愛に欠かせないのは「相手」です。「相手」も千差万別。たとえお相手が同じような感受性の持ち主であっても、単純に理解しあえて、うまくいくわけではありません。自分のことがよくわかっていないかくれ繊細さん同士が近づいて恋愛関係になったとします。その場合、よくわからないまま傷をなめ合い、時間とともに力関係のバランスが崩れて、傷つけあう結末になる(なった)。逆に、自分と違う感受性の方との恋愛の場合は、表面上うまくいっても、折々に感じられる「なんだかちぐはぐ」な感じ、「なんだかわかりあえないかも」な感じがつきまとうことでしょう。そして、かくれ繊細さんにとってもっとも辛い恋愛・結婚のお相手は、かくれ繊細さんを利用する方との場合です。そういう出会いもありますので、自分のことや、自分の取り扱い方を知らないままおつきあいしてしまい、長いこと自分を傷つけ続けるのは避けたいところです。
私はかくれ繊細さん専門のカウンセリングを通して、多くのかくれ繊細さんに話を伺っていますが、大人になってから登場してくる「恋愛・結婚」は、人生で身に着けてきたマイルールがあちこちから絡んでくる上に、対象が自分だけではなく、相手とのふたり分になるため、ややこしく入り組み、ほどきづらくなりやすくて、一気に解決しません(同様に、「仕事」と「お金」についても複雑ですがそれについてはまた別途お伝えしたいと思います)。
相手がいることですから、「メンタルを整えればよい」とか、運気とか根性とか相性といった精神論だけで片付くものではなく、お金、仕事、家族といった現実的な要素が無視できません。その上、解決法に特定の理想形があるわけでもありません。自分なりの「最適解」を見つけていくしかないようです。ここに書かせていただくことが、かくれ繊細さんが人生を心地よく過ごせる最適解のヒントになるといいなと思っています。
そこでまず、かくれ繊細さんの恋愛に関係が深い3つの表面化しやすい課題について見てみることにしましょう。
AUTHOR
時田ひさ子
HSS/HSP専門カウンセラー。繊細で凹みやすいが同時に好奇心旺盛で新しいものへの探求欲が旺盛なHSS型HSPへのカウンセリングをのべ5000時間実施。講座受講生からのメール、LINEのやりとりは月100時間以上。著書に『その生きづらさ、「かくれ繊細さん」かもしれません』(フォレスト出版、2020年)がある。
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