「惚れた・腫れた」で終わらないのはなぜ?「かくれ繊細さんの恋愛」はなぜ底なし沼なのか?3つの要因

 「惚れた・腫れた」で終わらないのはなぜ?「かくれ繊細さんの恋愛」はなぜ底なし沼なのか?3つの要因
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かくれ繊細さんの恋愛に関わる大きな要素1・外見の良し悪しに関わらず、外見で傷ついたことがある

まずは、見栄えが良い容姿を生まれながらに持ち合わせている場合、周囲からの見られ方が違いますし、身に起こる出来事そのものが異なっているというのが、抗えぬ事実です。決してぱっと見のよいわけではない筆者自身には起こらなかったことが、見栄えの良い方には起こっていることが、カウンセリングでわかります。

たとえば、見栄えが良い方は圧倒的に声をかけられますし、抜擢されたり、就職しやすかったり、取り立ててもらえる機会も多い。見栄えの良さを生かした仕事をすることもできます。ですがもちろん、良いことばかりではなく、不快な思いや危ない目にも遭うこともあります。同性からやたらと周囲からにらまれたり、やっかまれたり。もともとの容姿が目立つというだけで誤解を受けやすく、「努力してないくせに」「顔がいいだけで」といううがった見方をされやすい。内面は傷つきやすく、小さなことを気にしやすい繊細なものですから、「なんで自分ばっかりこんな目にあわなければならないの?」と、忸怩たる思いが募ります。周囲の注目をあびやすくなるため、変な行動を起こせないと緊張が続いたり、噂話をされていると怯えたり、異性の目のあるところを極端に避けて行動したりという不自由さを感じています。また、取り立ててもらえたり、俗に言う「美味しい思い」をする場合も、かくれ繊細さんの場合、持ち前の正義感の強さや公平性が強いので、「それはおかしい」と逆に反発したり、罪悪感を募らせたりするのです。

外見
外見の良し悪しに関わらず、外見で傷ついた経験はありませんか?

逆に、容姿が良くないと思い込んでる方(事実はさておき、ご自身が容姿にコンプレックスを抱いている場合)、そのことで傷つくことはたくさんあります。女性らしさを意識する年齢になると、たとえばみんなが容姿について話している話の輪には、一見入っているようでいてどこか逃げ腰。「自分の容姿には注目しないでほしい」という気持ちがあるから、容姿の話題になると存在を薄くします。「私は容姿を気にしてないよ」というアピールをするために、男っぽくしたり、あえて「〇〇にはこれが似合うんじゃない?」と自分以外の人に注意を強引に向ける技を使ったりもします。お調子者ポジションを確立しておけば、誰も自分の容姿をいじらないでいてくれる。それもこれも、自分の容姿の悪さに直面しないようにするための、戦略的な選択かもしれません。

そのような戦略的な回避行動には、大元の出来事があるものです。私の容姿への直面は4才頃で、「自分はかわいくないんだ」とはっきりとわかった出来事がありました。一瞬で理解したのですが、強く傷つき、それ以降、「私はかわいくないですから」という前提ですべての物事を推し進めてきました。その影響で、異性とつきあうことができるとはずっと思っていなかったですし、初めてお付き合いをし始めた時は、今度は相手にのめり込みすぎました。自分の考えを伝えずに言いなりにもなりましたし、尽くしすぎてしまったので疲れて、最後はひどい振り方をしました。それらは常に、「そもそも私なんかと付き合う人がいるはずがないのに」という容姿コンプレックスの表裏だったようです。

誰かに好意を持たれても「利用されているのではないか」などと考えて、その好意を素直に受け止められなくてせっかくのチャンスを良い関係につなげられなかったりすることもコンプレックスからくる猜疑心かもしれません。

生まれ持った容姿が素敵な人も、私のようにコンプレックスがあったとしても、外見の良し悪しによって傷つき、自分らしく立ち振る舞えなくなるのがかくれ繊細さんの恋愛の特徴と言えます。傷つき、作ったルールが、自らにダイレクトに締め付けてしまうのですね。

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時田ひさ子

時田ひさ子

HSS/HSP専門カウンセラー。繊細で凹みやすいが同時に好奇心旺盛で新しいものへの探求欲が旺盛なHSS型HSPへのカウンセリングをのべ5000時間実施。講座受講生からのメール、LINEのやりとりは月100時間以上。著書に『その生きづらさ、「かくれ繊細さん」かもしれません』(フォレスト出版、2020年)がある。



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