「故郷スコットランドと共に生きる」90年代スーパーモデル、カースティ・ヒュームのカムバック

 「故郷スコットランドと共に生きる」90年代スーパーモデル、カースティ・ヒュームのカムバック
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横山正美
横山正美
2022-04-30
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自身の人生を振り返るきっかけとなった娘の誕生

娘のヴァイオレットの誕生から10年間ファッションの第一線から遠のき、事実上“引退”状態にあったカースティ。しかしLAで子育てに専念する中で、彼女は今後の自分の人生について深く考えることが多くなったと言う。

「LAでのんびり暮らしていたせいか、本当に全ての“喧騒”から離れてしまっていました。娘が10歳になるまでは子育てに専念していましたが、だんだん手が離れてくると、今度は自分の人生に目が向くようになったのです。“次の10年はどうしたいのか?何をすべきだろうか?”と」

そんな毎日を過ごしていく中で、カムバックの布石となるある考えが頭をもたげて来たという。

「そこでふと思ったのです。ファッションというと20代の若者ばかりがフォーカスされるけれど、30代、40代、50代、それ以上の年齢で活躍しているモデルが少なく、そんな彼女たちをフィーチャーするメディアも少ないと。私くらいの年齢の女性が求めるのは、いつまでも23歳のモデルたちが演じるファッションストーリーではありません。だったら、私がその幅を広げるために、何かできるのではないだろうか、と考えるに至ったのです」。

現在ファッション業界では、そんな彼女の考えに賛同するかのようにカレン・エルソンやグィネヴィア・ヴァン・シーナス、そしてアンジェラ・リンドヴァルら彼女と同期のスーパーモデルたちが続々とランウェイにカムバックしている。そしてその“年齢層”はさらなる広がりを見せ、子育てを経たジェマ・ウォードは7年ぶりに、またナオミ・キャンベルもNYのファッションシーンに返り咲くなど、現在もその動きは波及している。

故郷スコットランド初のスーパーモデルとして、また故郷を代表するファッションブランドの“顔”として現役復帰を果たしたカースティ。20代の頃とは違う大きな目的を持って幅広い活躍を目指す彼女は、最後にこう語った。

「どこにいても、私はいつもスコットランドを恋しく思っていました。私が育ったのは、突き刺すような冷たい新鮮な空気と風が吹く海岸沿いの小さな町です。LAにいた時も、私と母と弟が故郷エアーの海岸で笑っている写真を大事に飾っていました。エアーに帰ったら最初にしたいことは、あの時のように海岸に行って、冷たくて新鮮な空気を深呼吸すること。そして、ずっと離れていた故郷に“ただいま”と言うつもりです」。

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横山正美

横山正美

ビューティエディター/ライター/翻訳。「流行通信」の美容編集を経てフリーに。外資系化粧品会社の翻訳を手がける傍ら、「VOGUE JAPAN」等でビューティー記事や海外セレブリティの社会問題への取り組みに関するインタビュー記事等を執筆中。



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