"怠け者だから"じゃない!人気トレーナーmikikoさんに聞いた「運動が続かない本当の理由」とは

 "怠け者だから"じゃない!人気トレーナーmikikoさんに聞いた「運動が続かない本当の理由」とは
吉野なお
吉野なお
2022-01-14
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フィットネスが続けられないのは「楽しくないから」

ーーなるほど。続けられないのは自分のせいだと思っていたけど、実は『続けられる仕組み』になっていなかったんですね。トレーニングって続けるモチベーションが下がってくることがあると思うんですが、続けることについてmikikoさん的コツや考え方はありますか?

mikiko:「続かないのは好きじゃないから」だと思っています。「続かないのはあなたが怠け者だからじゃない」と言いたいですね。ゲームは楽しいと思ったら続けるし、勉強も教科によって好きなものと嫌いなものがあって、続けられるものとそうじゃないものがある。運動も同じ。フィットネスも義務感でやってると絶対続かないんです。

実は、トレーニングをする人は2パターンいます。『運動自体が好きな人』と『運動がもたらしてくれる”結果”が欲しくてやっている人』。運動するのが好きな人は、毎日走りに行くのは辞められないぐらい走ったりしますよね。続かない人は、運動がもたらしてくれる結果が欲しくてやってる人で、プロセスは好きじゃない、結果が出るまで苦しいだけだから続かない。いかにそのプロセスを好きになれるか、楽しいからもっとやりたいって出来るかが1番大事ですね。

私はパーソナルトレーナーとして運動嫌いな人を相手にやっているので、プロセスをいかに楽しく出来るかをフォーカスしています。

ーー楽しく出来るようにするというのは、どういったアプローチをするのでしょうか?

mikiko:人それぞれですが、あなたの体にはこういう傾向があって、なぜこの運動をするといいのかっていうロジックを説明してあげると、「ああ、そうだったんだ」「なるほど」と自分ごととして聞いてくれますね。新しい気づきがありながら、トレーニングをやることだけじゃなくてその裏にある知識まで教えます。あと、人と一緒にやるのが好きな人なら、雑談しながら、仕事の愚痴を話しながらワイワイ楽しくやりましょうっていうスタイルだと続く人もいる。一番大事なのは、絶対無理強いしないこと。「疲れてるから何もできない」っていう人には「じゃあストレッチにする?」など提案することもありますね。本人が「ああ、今日ジムに来て良かったな」「運動してスッキリして良かったな」と思えるような成功体験を増やしていきます。「運動する」ということの良い思い出と、自分の心が良い関係が築いているので、嫌な思いをしないことは大事です。

ーーなるほど!トータル的に見てらっしゃるんですね。

mikiko:誰にでも一方的に「脂肪燃焼にはコレさえやればいい!」という教え方をしているトレーナーを見ると、どういう気持ちでやってるんだろう!?と思ってしまいます(笑)

ーーmikikoさんのジムには、他にもトレーナーがいるのでしょうか?

mikiko:います。でも、教え方も人それぞれ。ボディビルダー向けの人もいるし、有酸素運動専門の人も。パーソナルトレーナーもバックグラウンドがそれぞれ違いますからね。ジムの多様性ってことなのかな。

ーークライアントがトレーナーを選べるのでしょうか?

mikiko:そうです。自分でも選べるし、目的によって誰がいいのか相談することもできる。パーソナルトレーナーはジムと別ビジネスになってることが多いですね。日本のジムではあまりパーソナルトレーニングが重視されていないけど、ニュージーランドではパーソナルトレーナーがいてこそ、ジムが成立しています。だから広告もパーソナルトレーナーを全面的に押し出すし、そういう流れができています。

ーーフォロワーの方から聞いた話なのですが、ジムでパーソナルトレーナーをつけてダイエットした方がいて。3ヶ月で数十万円という結構高額な契約で、トレーニングもストイックできついし、徹底的な食生活管理と体重測定のチェックで、修行のような感じで精神的にも毎日苦しかったそうです。結果8キロ痩せたけど、契約期間を終えてジムを辞めたら体重も戻ってしまったので、再度ジム契約し直したと言っていました。

mikiko:大学時代に、大手トレーニングジムのビジネスモデルを研究して調べたことがあるんです。例えば「2ヶ月で結果を出す」と銘打っているんですが、「リバウンドしませんよ」とは絶対言っていないんです(笑)その後のことは保証されていなくて。すごくストイックで2ヶ月しか続かないようなメニューで結果を出すんです。でも結局リバウンドしてしまうので、リバウンド割引みたいなものも用意されている。ジムからしたら、リバウンドしてくれたら戻ってくるっていうスタンスですよね。日常で続けられるように出来ていないんです。それは消費者主体じゃなくて依存も生み出す、ビジネスしてる側がメインのサービスです。誰がこのサービスで利益を受けてるの?ってなったら、それはジム側ですよね。

ーーよくわかります。リバウンドするほど体に負担がかかるし、太りやすくなるのに、余計に抜けられなくなりますね。

mikiko:そういったジムは「2ヶ月で痩せたい!」と思っている人に、ただ欲しいものをあげているだけなんです。私のトレーニングでは、私からフィットネスに関する情報を全部吸い取って卒業していくつもりで受けてくださいって言っています。自分で自分のことをコントロール出来るようになって、ジムに戻ってこなくても大丈夫って言うのが一番だから。って最初のセッションで伝えています。

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吉野なお

吉野なお

プラスサイズモデル・エッセイスト。雑誌『ラ・ファーファ(発行:文友舎)』などでモデル活動をしながら、摂食障害の経験をもとに講演活動やワークショップのほか、ZOOMでの個人セッションも行っている。mosh.jp/withnao/



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