ダイエットの常識は誤解だらけ!人気トレーナーmikikoさんに聞く、健康のために本当に必要なこと

 ダイエットの常識は誤解だらけ!人気トレーナーmikikoさんに聞く、健康のために本当に必要なこと
吉野なお
吉野なお
2022-01-14

「太っていることは不健康だから痩せた方がいい」という意見をよく目にします。でも、私はダイエットに対してストイックになるあまり、身も心も不調をきたしてしまった経験があります。ポジティブな自分になりたかったはずなのに、「とにかく痩せればいいんだ」という価値観にとらわれて、本当の意味で自分の心と体と付き合っていく方法を知らなかったのです。同じような経験をしている方も多いかもしれません。そこで今回は、「心と体のためのフィットネス」を伝える、ニュージーランド在住パーソナルトレーナーのmikikoさんにお話を伺いました。前・後編でお届けします。

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本当の意味で「心と体のためになること」ってどんなこと?

今回インタビューさせていただいたのは、ニュージーランドで活躍する人気のフィットネストレーナー・mikikoさん。

 

トレーナーというと「◯◯が痩せるトレーニング」「腹筋にはコレ!」などのトレーニング方法を発信しているイメージがあります。でも、mikikoさんの発信は、トレーニング方法そのものよりも、フィットネスやダイエットに対する誤解を解いたり、自分を大事することやポジティブなマインドについてがほとんど。

「なるほど」「わかる〜!」と思わず共感しまうことが多いのですが、mikikoさんがなぜこのような発信を続けているのか、そしてフィットネスのあり方についてなど詳しく伺ってみました。

ーーいつもSNSで拝見しているのですが、お話するのは今回が初めてですね。mikikoさんについて、改めて伺えますか?

mikiko:ニュージーランドでパーソナルトレーナーをしています。大学・大学院を経て2017年にニュージーランドに来て、今は老若男女に対してトレーニングしています。

私のトレーニングアプローチは、「2ヶ月で◯キロ痩せよう!」というよりも、トレーニングを通して人生丸ごとウェルネスを実現しよう、体だけじゃなくて心までキラキラするような生活をしていこう、自分の体をコントロールすることで、体だけではなく人生に対して自信を持っていきたいね。ということを、学びと気付きをベースに教えています。

ーートレーナーになったのはニュージーランドに行ってからなのでしょうか?大学院を卒業後すぐにいきなりニュージーランドに行った理由は何かあるのでしょうか?

mikiko:日本でも大学時代にアルバイトでフィットネスジムのトレーナーをしていました。でも事実上はフロアスタッフ。フィットネス業界の現状について学んでいたという感じでした。移住したきっかけは、学生時代にオーストラリア留学をして、その時フィットネスジムで現場でのお手伝いやインターンをしたのですが、日本のジムで働くよりもオーストラリアのジムで働く方が、私が私らしくいられるなと感じて。そこで将来は、日本ではない場所のフィットネス産業で働きたいと思いました。でも当時はビザの関係でオーストラリアに住むことが難しかったので、いつかオーストラリアに渡ることを念頭に入れてニュージーランドに移住しました。結局はニュージーランドが気に入っているから良かったですね(笑)

ーーSNSで、日本にいたときは周りから体への指摘をされていたお話をされていましたが、そういったことも「私らしくいられる環境」へ移ることに繋がっていたのでしょうか。

mikiko:自分の意思だけで、「私は私でいられる!」と思えたら良かったのですが、当時は他人から「お前の腕、大きいな」とか言われて惑わされたり、親からも「なぜ普通になれないの?」と言われて育ってきたので、日本から飛び出して環境を変えないと私は変われない、日本にいると自分の体がコンプレックスになることから抜けられないなって思っていました。

ーーnoteで以前は摂食障害だったお話を書かれていますよね。今mikikoさんがパワフルに活躍されているモチベーションって、そうやって悩んでいた時期があったからなのかなというのも感じます。摂食障害だった経験があって、そこからどうやって今のようなトレーニングに意識が移っていったのでしょうか。

mikiko:当時は自分で摂食障害だと認めたくなくて。「多分そうだろう(摂食障害だろう)な」と思いつつラベルがつくのが嫌で、病院に行かなかったんです。通っていたのが体育学部だったので、フィットネスについて学び始めなきゃいけなくて。でも、オーストラリア留学がきっかけで、私は私のままいいんだと思って自分でどうにか乗り越えることが出来たんです。

最初は自分が摂食障害であったことはネガティブなことだと思って、誰にも言わずに隠していました。トレーナーとしてもネガティブで言えないことだと思って。摂食障害だった経験があると話したら、相手が身構えちゃうかな?と思っていたんですね。でも、トレーニングを教えているうちに、トレーニングのやり方の問題以前に、まず昔の私みたいに『考え方が問題でフィットネスジムに来ている人』が多いなと感じ始めて。教えているうちに、「私が教えていることって、自分が摂食障害だった時の経験が元になっているな」と思うようになったんです。

ネットの情報を丸呑みにしないで、自分の体にやり方が合っているかどうかとか、教え方を分析していたとき、ベースにあるのが摂食障害の経験だったので、これは隠してる場合じゃないなと。オープンにしていろんな人に知ってもらえたらいいなと思うようになりました。

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AUTHOR

吉野なお

吉野なお

プラスサイズモデル・エッセイスト。雑誌『ラ・ファーファ(発行:文友舎)』などでモデル活動をしながら、摂食障害の経験をもとに講演活動やワークショップのほか、ZOOMでの個人セッションも行っている。mosh.jp/withnao/



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