ダイエットの常識は誤解だらけ!人気トレーナーmikikoさんに聞く、健康のために本当に必要なこと

 ダイエットの常識は誤解だらけ!人気トレーナーmikikoさんに聞く、健康のために本当に必要なこと
吉野なお
吉野なお
2022-01-14
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オフィスワーカーの女性がプロボクサーの減量方法を取り入れている!?

ーーニュージーランドでもクライアントと接していて、ネットの情報を鵜呑みにしているなと感じることがあるのでしょうか?

mikiko:あります。国による文化は関係ないのかなって思うぐらい。よくあるのが低炭水化物ダイエット、ファスティング、ケトジェニック。その3つが「ネットで読んだ」とか「友達がやって成功したからやってみた」という感じでよく話題になるものです。

でも日本の方と話すともっとコアなネタが出てくることが多いです。強いキーワード、例えば「褐色脂肪細胞」とか、プロの方でもよく知らないようなコアなワードなものがピンポイントで出てくるんです。でもそれってとても表面的。実際話を聞いてみると、しっかり3食食べるなど基礎が抜けているので、まずはそれをきちんと説明していきます。「私自身もそういう情報に惑わされていた時期があったんだけど...」って。

最初のうちは「この人何言ってんだろ」って感じで納得してくれないけど、数ヶ月経つとまた戻ってきてくれますね。

ーー影響力のあるYouTuberやインフルエンサーが偏ったダイエット方法を紹介している場合もありますよね。そういったものを信じていて、mikikoさんのところに来るとショックを受けそうですが、戻ってきてくれるんですね。

mikiko:最初はやっぱり拒否されます。でも、私が何度も発信するうちに、記事を読んでくれて、本人が飲み込めるようになってくるみたいです。SNSやnoteでは、今響かなくても5年後に響くような発信をしています。

ーー流行るダイエットってとっつきやすくて、簡単そうに見えるものが多いですよね。「◯◯を抜けばいいい」とか「たった3日で」とか。でも本当に大事なことって基礎のところにあるんですよね。私も摂食障害の経験があるので、表面的なダイエットにのめり込んでしまう考え方がよくわかるんですが、そういう時にmikikoさんの発信する情報に触れていたら良かったのにと思います。例えば、以前はトレーナーさんの言ってることは全て正しいって思っていました。よく言われるのは、『消費カロリーより摂取カロリーを減せばいい』(※)という話。でも、mikikoさんがそんな単純な話じゃないってSNSで発信してくれていて、とても納得しました。トレーナーとは言っても、体のことだけを言っているのか、メンタルのことなど体のこと以外のことも言及している人なのか、というのは気にして見るようになりました。

(※私・吉野は、摂取カロリーを減らそうとするあまり、低カロリー食を続けたり絶食を繰り返したことで摂食障害に繋がっていった経験があります)

mikiko:トレーナー業界で問題なのが、トレーナーっていう意味がとても広いこと。トレーナーを大きく分けると実は3種類あるんです。アスリートを見る『スポーツトレーナー』、理学療法士=リハビリとかをやっている『トレーナー』、エクササイズなどをするのが『パーソナルトレーナー』。今は情報が混ざってしまっている感じです。

例えばスポーツトレーナーが「朝ごはん抜きで有酸素運動すると脂肪が燃えます!」とかいうのは、「アスリートが減量をするなら」ってことであって、一般のダイエットしたい人たちがやってしまうと、当てはまらないんです。アスリートは体が資本で寝る時間もきちんと8時間キープして、運動を毎日してホルモンバランスも整っている、そういう人がやるのと、オフィスワーカーで生理不順の女性がやるのとではぜんぜん違う。

ーー確かに、普通のオフィスワーカーの女性がボクサーの人がやるようなストイックな減量を真似してやっていたりしますね。

mikiko:私がよくクライアントに話すのは、「1日○分だけ」とか「1ヶ月で○キロ痩せる」っていうのは「遠くに飛ばせるワード」だということです。分かりやすくてヒュンって飛んでいくようなワードですね。そういうものを見た時は、この情報を発信する人はどんな利益を受け取れるのか考えるようにしよう、と説明します。受け取る側の利益なのか発信側の利益なのか、1分考えるだけでも変わってくるので。

ーー私もwebマーケティングの本を読んだことがあるのですが、そういうことが書いてありました。「〜してはいけない」とか「まさか」と驚くことやネガティブワードの方が人の目をひきやすくて良いと。日常的に使うSNSでも、そういう見方で気をつけていくことはできますよね。クライアントさんに言われることが多い誤解とか思い込みはありますか?

mikikoさん:たくさんあります!(笑) 思い込みだらけです。

ーーパーソナルトレーニングをする時って、食生活とか生活面も聞くのでしょうか?

mikiko:私はすごく聞きます!その人がジムにいるところだけ見ても、それって結局その人の生活の10分の1ぐらいしか見れていないので…。私はホリスティックアプローチと言って、エクササイズと姿勢と食事・ストレス・睡眠・ホルモン・遺伝・水分摂取など環境も含めてライフスタイルも含めて見ながら、学びながらやっていくというセッションをしているので、ライフスタイルとかジムの外で何が起きているかみたいな話はよくします。

一番多い誤解は、「努力の量は多い方がいい」「もうちょっと自分が頑張ればいいんだけど」みたいなことですね。「運動が続かないのは自分が怠け者だから」みたいなことはみんな言います。あとは、お腹の運動をしたらお腹の脂肪が落ちるとか。「腹筋割りたいからお腹のセッションしたい」とか言われることもあります。そういう時は、「ちょっと話し合おう」と言って、先ほどお伝えしたホリスティックなお話をします。

インタビュー後編に続きます

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吉野なお

吉野なお

プラスサイズモデル・エッセイスト。雑誌『ラ・ファーファ(発行:文友舎)』などでモデル活動をしながら、摂食障害の経験をもとに講演活動やワークショップのほか、ZOOMでの個人セッションも行っている。mosh.jp/withnao/



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