熱して固めるだけ。葛×アーモンド×クコで簡単すぎる腸活プリン|せきねめぐみの、肩の力を抜くごはん
SNSで見かける、彩り豊かな食事の写真。見るからに栄養がありそうで、こんな食生活を送ってみたいと思う人は多いでしょう。でも「そんなに頑張れない…」という人も少なくないはずです。時間もない、料理が得意じゃない、不器用なあなたに伝えたい「頑張らないごはん」。意識すべきポイントは、とってもシンプルです。今日からできる「簡単な食養生」、教えてくれるのはマクロビオティックマイスターの関根愛さんです。
みなさん、おはようございます。人肌恋しい季節になりました。だんだんと秋は深まり、そうこうしているうちに二十四節気では「霜降(そうこう)」をちょうど迎えたところ。初霜の便りが届く頃で、山々では葉が美しく色づいていきます。空気もますます冷え込みやすくなり、冬の気配がすぐそこに感じられますね。
今日は、そんな時期にすすんで摂りたい養生スイーツ「葛プリン」をご紹介。乳製品も卵も使わないけど、植物性のみで作る満足度たっぷりのプリンです。温活&腸活にぴったりで、しかもとっても簡単。まばたきする間にできちゃいます。冬に向け、芯から冷えない体づくりをしたい今。甘いものが食べたいな〜というときに作らない手はないほど、オススメしたいメニューですよ。
極陰性のお砂糖や乳製品をたっぷり使った甘いお菓子を食べていると、体はどうしても冷える方に傾いてしまうんですよね。いくら外側から防寒対策をしても、体の内側から冷えていては元も子もない状態。葛プリンは罪悪感ゼロで、ほんのりとした自然の甘さを味わいながら体は芯から温まるという、とっても健康的なメニューなんです。
主に使うのは「葛(くず)」。寒くなってきたら、いよいよ葛の出番といったところ!古くは「日本書紀」や「古事記」にも葛についての記載がされており、人々の生活に根付いていたことがうかがえるそう。病気になってもお医者さんにかかったり薬を買ったりすることが容易にはできなかった一般庶民にとって、葛は民間療法の心強い味方として重宝されてきたんだとか。
葛は生命力がつよく、成長が早いのが特徴です。特に丈夫な根っこの部分は葛粉として食事に使われたり、また漢方薬の生薬としても大切にされてきました。風邪の引きはじめ時に飲む「葛根湯」の原材料が、葛ですね。葛の根に含まれるカッコンエキスには血行促進や炎症を抑える効果があり、またイソフラボンやサポニンが体の代謝を活発にしてくれる。さらに葛由来の乳酸菌がお腹の調子を整えてくれたり、つやのある肌を保つのにも大活躍。まさに医食同源の食材として、長きにわたって人々の体を快い方へ導いてくれる食材だったといえますね。
作り方はとってもシンプル!材料は三つだけ。葛粉とアーモンドミルク、そしてバニラエクストラクト。これらをすべてがよく混ざるように、かき混ぜます。作りたい量に合わせて量を調節してください。葛粉に対して十倍程度のミルクを入れればOK。私のオススメはアーモンドミルクですが、もちろん豆乳でもライスミルクでもお好みのミルクでかまいません。バニラエクストラクトはひとたらし程度、こちらもお好みの分量で加えてください。
よく混ざったら弱火にかけ、五分程かき回し続けながらじんわり火を入れていきます。ちょっと手が疲れてきたら、頃合いです。もったりとしてくるので、よく混ぜながら火を止め、水で濡らした容器や型などに流し入れます。粗熱を取ってから冷蔵庫で冷やしてください。コンロから下ろしたての熱々のところを葛湯のようにそのままいただいてもとっても美味しいのですが、今日はプリンとしての楽しみ方でいきましょう。一時間ほどして冷やし固まったら冷蔵庫から取り出し、抗酸化作用たっぷりのスーパーフード、クコの実を適量のせ、メープルシロップをたらりとかけて、いただきます。
葛を使っているので体が冷えすぎず、とても優しい味。胸からお腹にかけてゆっくりじわっと温かさが広がっていきます。おうちに葛がないよ、という方はぜひこの機会に用意してみるのはいかがでしょうか。この冬は葛のある暮らしを取り入れて、ぽかぽかな心と体で過ごしましょう。
AUTHOR
関根愛
俳優を始めた十数年前よりアトピーなどさまざまな心身の不調を感じてきたことで、薬に頼るのをやめて自分の体の声を聴きながら養生していくために自然食を始める。「じぶんらしく生きるための食養生」をテーマにInstagramやnote、Youtubeで日々発信をつづける。マクロビオティックマイスター。映画制作者、ライター、翻訳者としても活動。座右の銘は「山動く」。
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