【5/9はアイスの日】アイスが美味しい季節…やっぱり食べたい！罪悪感のない「賢いアイスの選び方」

動物性油脂と植物性油脂の違い

それぞれ乳固形分と乳脂肪の比率が違うアイス。
動物性の脂（動物性油脂）と植物性の油（植物性油脂）を考えると、「植物性油脂」の方が身体に良いのでは？と思った方もいらっしゃるかもしれませんが、実はアイスの中で気をつけたいのが植物油脂の多い「ラクトアイス」なんです。

ラクトアイスを避けた方が良い理由

ラクトアイスは乳固形分は3％～9％、乳脂肪分に関してはゼロ。その多くが植物油脂と添加物からできています。植物油脂とは植物から採取された油脂のことで、一般的にサラダ油やなたね油やごま油など。牛乳やクリームの代わりに植物油脂と添加物を使用することによりミルクのような風味を出しています。

植物油脂とトランス脂肪酸の関係

ラクトアイスは植物油脂を加工する過程で脂肪酸をトランス脂肪酸へと変化させてしまっています。トランス脂肪酸はラクトアイスだけでなく、マーガリン、パンやお菓子、市販の揚げ物やケーキに入っているショートニングやファットスプレッドにも含まれています。

トランス脂肪酸とは

トランス脂肪酸を摂り過ぎると血中のLDLコレステロール(注1)が上がり、HDLコレステロール(注2)を減らしてしまい、動脈硬化や心筋梗塞・脳卒中など様々な疾患のリスクを高める恐れがあります。ハーバード大学では「バターとマーガリン」についての研究や論文がいくつも出ており、トランス脂肪酸を多く含まれているマーガリンを多く摂取する人たちはマーガリンをあまり摂取しない人たちの心臓病のリスクが5割以上も高くなったという研究結果も発表されています。

(注1)LDLコレステロール：悪玉コレステロール
肝臓で作られたコレステロールを体中に運ぶ作用があり、増えすぎると動脈硬化の原因に少なすぎると脳卒中になる可能性が高まります。

(注2)HDLコレステロール：善玉コレステロール
余ったコレステロールを回収する作用があり、少ないとさらに動脈硬化になる可能性が高まります。

トランス脂肪酸と世界基準

マーガリンが世界に広まった当時、動物性油脂よりもコストも低くかつバターよりも健康に良いという文句で売り出していましたが、その時期よりアメリカでは死因の１位である心臓病が増え、2013年～2017年頃には植物性油脂の危険性の訴訟が増え大手数社が訴えられこの「トランス脂肪酸」は世界では様々な基準が設けられるようになりました。

2003年、世界保健機関（WHO）では「トランス脂肪酸を摂ると冠動脈疾患のリスクが高まる」と発表し、一日あたりのトランス脂肪酸摂取量を総カロリーの１％未満に収めるようにと言う指針を発表。
2006年、アメリカでは加工食品の栄養成分表示に「飽和脂肪酸」と「コレステロール」そして「トランス脂肪酸量」の表示が義務付けられました。アメリカ食品医療薬品（FDA）では、トランス脂肪酸の食品への使用を2018年以降原則禁止するという発表も当時出しています。
またWHOは2023年までに世界中のすべての食べ物からトランス脂肪酸を取り除くことを目標にしています。
その他カナダ・台湾でも既に規制が始まっており、EUやシンガポールでもトランス脂肪酸の摂取量の上限を決め、韓国や中国・香港はメーカーに必ず表示するように義務付けられているメーカーに表示義務を定めています

日本ではまだなにも規制はされておらず、表示義務もないため、ラクトアイスを始めトランス脂肪酸の含有量を数字で知ることはできませんが、日本でも食パンのトランス脂肪酸の含有量は10年前に比べ40％まで減らし、マーガリンに関しては10％まで減っているようです。