コロナウイルスワクチン開発に1億円を寄付|75歳の米シンガーが世界を救うために立ち上がった意義
世界中が新型コロナウイルスのパンデミックに見舞われる中、いよいよイスラエルを含む数カ国ではワクチン接種が始まっており、日本もいよいよ開始間近だ。そのワクチン開発のために1億円もの資金を寄付したのが、米シンガーソングライターのドリー・パートンだ。人道活動家としても知られる彼女が、今回世界を救うために立ち上がった意義とは。
「今世界はパンデミックで混沌としています。コロナという病から私たちを救ってくれるものを開発するために、私自身がいかなる形にせよ関わることができて誇らしい気持ちでいっぱいです。きっと私以外の大勢の人たちがが何百万ドルも寄付したとは思いますが、わずかでも開発のための着手金に寄与できたことを本当に嬉しく思います。どうか世界中の人々の健康回復に繋がる素晴らしいものを開発して欲しいと思います」。
英TV番組に出演した際にこう語ったのはシンガーソングライターのドリー・パートンだ。1946年、アメリカ・テネシー州生まれ。現在75歳のカントリーシンガーの“レジェンド“としてあまりにも有名な彼女は、8歳の頃からギターを片手にシンガーとしてのキャリアを積み続けてきた。1970年代半ばに入ると、ポップミュージックへと進出し、1978年にリリースしたアルバム「Here You Come Again」でグラミー賞最優秀女性カントリーボーカル賞を獲得。以降ミュージカル「9時から5時まで」(1980)等に出演し、女優としてのキャリアをスタートするなど、精力的に活動を続けてきた。68歳となった2014年には、イギリス最大の野外音楽フェスティバル“グラストンベリー・フェスティバル“に初出演し、18万人ものオーディエンスを前にヒット曲を熱唱した。
そんな彼女は人道活動家として、これまで様々なチャリティに尽力してきた。先のコメントも、2020年11月に新型コロナウイルスのワクチン開発100万ドル(約1億円)を、故郷のテネシー州ナッシュビルのヴァンダービルト大学医療センターに寄付した時のものだ。彼女が寄付した時期に、この医療センターでは米モデルナ社のワクチンの試験が開始されていた。そんな彼女は寄付にあたり、自身のインスタグラムからこうメッセージを発信している。
「ヴァンダービルトで長年研究に携わっている友人のナジ・アブムラド医師から、新型コロナウイルス治療の研究で前向きな進展があったという知らせを受けました。私は、このヴァンダービルトでの研究に100万ドルを寄付すると同時に、他の人たちにも可能な限り寄付してもらえるよう呼びかけていきます」
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AUTHOR
横山正美
ビューティエディター/ライター/翻訳。「流行通信」の美容編集を経てフリーに。外資系化粧品会社の翻訳を手がける傍ら、「VOGUE JAPAN」等でビューティー記事や海外セレブリティの社会問題への取り組みに関するインタビュー記事等を執筆中。
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