「あらゆる境界線を越えるために」世界的メイクアップアーティストが目指す美容業界のダイバーシティ

 「あらゆる境界線を越えるために」世界的メイクアップアーティストが目指す美容業界のダイバーシティ
横山正美
横山正美
2021-01-29

1990年の初めにアヴァンギャルドな作品で一躍世界のファッション業界にセンセーションを巻き起こし、アルマーニやドルチェ&ガッバーナらトップメゾンのコレクションのメックアップを手がけ、スティーヴン・マイゼルや世界的著名フォトグラファーの御用達メイクアップアーティストとなったパット・マクグラス。2016年から自身のビューティブランド「Pat McGrath Labs」を展開し、世界的人気を博している彼女が、ブランドを通じて伝えたいこととは。

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「例えば、いくら影響力を持つインフルエンサーや美容のプロからアーティストとして好きだと言われても、化粧品自体の性能や質が良くなければ意味がありません。ただでさえ今は情報が溢れていて、こと化粧品となるとユーザーも豊富な知識を持ち合わせていますから、製品が良くなければすぐにそっぽを向かれてしまいます。ですから、成功するためには品質の高さが問われるのです」。

昨年末英紙にこう語ったのは、現在NYを拠点に活躍する世界的メイクアップアーティストのパット・マクグラス。世界的メイクアップアーティストとしてシャネルやアルマーニ等トップメゾンのコレクションのメイクアップを始め、マドンナやフォトグラファーのスティーヴン・マイゼルらのお気に入りとして数多の歴史的作品の製作に携わってきた。2013 年にその華々しい功績から英エリザベス女王より大英帝国勲章を受勲。2016年には自身のブランド「Pat MacGrath Labs」をローンチし、カイリー・ジェンナーの「Kyie Cosmetics」の成功に続き、自らの力で億万長者となった人という意味の“セルフメイド・ビリオネア”との呼び声も高い。その成功の秘訣を、彼女はこう語っている。

パット・マクグラス
パット・マクグラス氏

「自分のブランドを作るなら、ありきたりの手法を使いたくありませんでした。それは店舗展開についても同様です。カウンターがあって、四季に合わせて商品ディスプレイとイメージ写真を変えるだけ。これでは面白くありません。今はSNSで私とユーザーがダイレクトにコミュニケーションを取ることも可能ですし、四季と言わず1日に4回は興味を持ってもらえるようなコンテンツとイメージで集客することも可能です」。

そんな彼女のブランド「Pat McGrath Labs」は現在彼女の“ホーム”である英国のデパート・セルフリッジで1位のセールスを誇り、中でも“フェティッシュアイズマスカラ”は、他のメジャーブランドとの比較でも突出した売り上げを記録しているという。

「セルフリッジは私の“凱旋帰国”を喜んで迎えてくれました。いちイギリス人に過ぎなかった私が、自分のお店を持つことができただけではなく、売り上げもトップだなんて、まるで夢のようです」。

パット・マクグラむ マスカラ
FETISHEYES™ MASCARA

昨年中にはマンチェスターにも店舗を展開するなど、着実にビジネスを拡大している彼女。そんな彼女がメイクアップに目覚めたのは、7歳の頃だという。

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パット・マクグラむ マスカラ
パット・マクグラム
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