BLM運動から人気に火がついたブランドファウンダーが元獣医師の視点から語る「本当の美しさとは」

nola SKINSENTIALS

BLM運動から人気に火がついたブランドファウンダーが元獣医師の視点から語る「本当の美しさとは」

横山正美
横山正美
2020-11-28

実の妹のミドルネームと、夫との初デートの思い出の地名、そして肌がもっとも欲しているもの、という意味を込めた“エッセンシャル”の3つをブランド名に冠した「Nolaskinsentials」がBLM運動をきっかけに、今アメリカで人気だ。その仕掛け人のジェーン・オーモンがブランドに込めた「アフリカ系の肌を中心に、全ての人の肌を健康で美しく輝かせたい」と言う想いは、今SNS上で多くの女性/男性の共感を得ている。そんな彼女が語る、ブランドに込めた想いとは。

「自分の化粧品会社を立ち上げた理由は、自分の肌が抱える問題を解消してくれるぴったりの化粧品が見つからなかったから。アフリカ系アメリカ人女性特有のメラニン色素が多い肌にあう植物エキスベースの化粧品を見つけることは皆さんが想像する以上に大変なことなんです。でも、見つからないからといって諦めたくなかった。だから『よし!ないなら自分で作ればいい!』と一念発起してブランドを立ち上げました」。

米メディアにこう語ったのは、ビューティーブランド「Nolaskinsentials」のアフリカ系アメリカ人女性ファウンダーのジェーン・オーモン。アフリカ系のようにメラニン色素の多い肌トーンを中心に、全ての女性/男性の肌を健康的でツヤやかな肌をもたらしてくれるジェーンのブランド「Nolaskinsentials」は、あのカイリー・ジェンナーが「注目のアフリカ系ファウンダーのビューティーブランド」としてSNS上で“ひと押し”したこともあって本国アメリカで人気急上昇中だ。

「ビューティーに興味を持ったきっかけは、7年前にあるユーチューバーが自宅で手作りの化粧品を作っていたのを見たこと。その頃の私の美容の情報源は雑誌ではなくもっぱらYouTubeだったので、トレンドやおすすめに上がるものは片っ端から見ていました。その頃の私は特に化粧に関する知識がなかったので、YouTubeは1から10まで懇切丁寧に教えてくれる"親友"のような存在でした」。

起業することの苦悩と素晴らしさ

「Nolaskinesentials」を起業したのが2017年。色々メリットも多いけれど、反面すごく犠牲にするものも多い、と起業家としての心情を打ち明けるジェーン。

「今はインフルエンサーコスメがどんどん登場して、ビューティービジネスなんて簡単に立ち上げることができるように見えるけれど、9時から5時までのオフィスワークと違って、全部一人でやらなくてはならないから、仕事とプライベートのバランスがすごく取りづらい。家族との時間も、友達と過ごす時間も少なくなったし、何よりゼロベースのスタートで、それこそ資金繰りも想像していた以上に難しいんです。それに、一旦モチベーションが下がったらやる気もなくなってしまうから…。マネージャーも、締め切りもない中でたった一人でビジネスをするということは自己管理能力が問われると痛感しています。そして人間関係。“自分のアイディアを持ちながら、他人を信用して動いてもらう、ということがどんなに難しいことか…赤ちゃんのように脆いものに接するように気を使わなくてはならないのですから」。

だが起業家にあるのは苦悩ばかりではない。自分の時間をやりくりして好きなところに行ける自由は何ものにも代え難い宝物だと言う。

「自分のルールに従って、自分の好きなように人生をデザインできることは素晴らしいことよ」。

本当の美容は、美しい=健康であること

ミレニアル世代であるジェーンは、当初から自分と同じ肌色を持つ同世代の女性と男性に向けて、健康重視の美容の大切さを発信したかったという。そこでブランド立ち上げに際し、譲れなかった条件が3つー肌に強い刺激をもたらす化学物質を排除すること。そしてリーズナブルな価格帯であること。さらに元獣医師という経歴を持つことから、動物実験は絶対にしないことを心に決めていたという。

「オイリースキンだったので、大学に通っていたころはひどいニキビに悩まされていたんです。だからニキビに良いと言われれば何でも試したり、クリニックにも通ったのですが、どれも肌質の改善には至りませんでした。でもその経験がさらなる美容の“深み”へと導いてくれたことは事実ですね」。

そんな中、様々な化粧品を試すたびに自分がまるで実験動物になったような気分になったと語るジェーン。結局何を使ってもピッタリくる化粧品に出会わなかったため、食生活などの見直しやどの成分が自分の肌に合うのかを割り出すことにしたという。

「そこで行き着いたのが、全てを植物ベースにすること。ダイエットでも植物ベースのものは心身ともに良い作用をもたらすということはすでに知られていますしね」。

以降実生活においても菜食中心を心がけ、スキンケアも同様に動物実験を実施していない植物ベースの化粧品を使うようにしたところ、効果てきめんだったという。

「自分で作った化粧品をしばらく使っていたんです。そうしたら、しばらくぶりにあった友人から『ジェーン、肌がすごくキレイになったけど、何を使っているの?』と聞かれるようになって。その経験が起業の大きな要因になったことは間違いないです」。

世界中で今クリーンビューティーが注目されている理由

「Nolaskinsentials」を含め、肌を健康に導く持続可能な成分を配合し、パッケージにリサイクル可能な素材を採用する“クリーンビューティー”を謳うブランドが今世界中で全盛だ。同時に動物実験を行わないヴィーガンビューティーもセットで注目されており、コロナ禍でその動きは今まで以上に加速している。その理由を、ジェーンはこう分析する。

 

「多分、人間は何故“ヒト”として生まれてきたのか、そのルーツに目をむけるようになったからではないでしょうか。そして、この地球上に生を受けたものは皆意味があって生まれてきたのだと考えるからこそ、行動をする前に慎重に決断を下すようになってきたから思います。個人の目的のために他を搾取することは決して良いことではありません。そして今はビューティーとは他の犠牲の上に成り立つものであってはいけないと考える人も増えています。自分が買ったフェイスパックに“動物実験は実施していません”とあったら、何となくホッとしませんか?こういう道徳的なところに気を配ることができるエシカルなビューティーは本当に素晴らしいと思います。そしてこれこそが、今後のビューティービジネスにおいてブランドのあり方に大きな差を生むのだと思います」

スーパーモデルを起用せず、広告写真にも修正を入れず、製品を利用した人のリアルな使用感を包み隠すことなく公表する“リアル”を徹底的に追求した「Nolaskinentials」。美と健康は直結するものーそんなシンプルなアプローチに立ち帰り、全ての“生”に敬意を払った恵みから生まれたジェーンのスキンケアがもたらすのは、心と肌を輝かせるポジティブな美しさだ。世界中を美と優しさで包み込む「Nolaskinsentials」の日本上陸が待ち遠しいところだ。

ライター/横山正美

ビューティエディター/ライター/翻訳。「流行通信」の美容編集を経てフリーに。外資系化粧品会社の翻訳を手がける傍ら、「VOGUE JAPAN」やデジタルメディア「VOGUE CHANGE」等でビューティー記事や海外セレブリティの社会問題への取り組みに関するインタビュー記事等を執筆中。

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