“人類の難局”に直面した今、NY で思うこと｜キレイな人の脳内 #1 RIE OMOTO

待望のサマーコレクション“GOLD IN THE AIR OF SUMMER”

「今回のコレクションのキーワードは、Love、Dream、Future 、Power、Game、Performance、Run、Movement、そしてBe Playful（大人の遊び心）。空気の中に宿るゴールドのエネルギーを纏えば、今よりもっと高い所で輝く眩しい自分になれる。このカラーで、皆ゴールドのように輝いて欲しいーそんな思いを込めました」と、サマーコレクションのリリースを4月29日に控え、そのコンセプトを語るRIEさん。

日本で美容師として活動後、デイヴィッド・ボウイやセックス・ピストルズへの愛が高じ、パンク＆ロック全盛の80年代に19歳で単身ロンドンへ。そこで目にしたファッションやメイクアップにカルチャーショックを受け、本格的にメイクアップアーティストを目指す。その後パリに渡り、ミラノコレクションのバックステージや「ELLE」「VOGUE」等名だたるメディアのメイクを手掛ける中、数多のスーパーアーティスト達との出会いやコラボレーションを経てNYに辿り着き、THREE のグローバルクリエイティブディレクターとして今に至る。

そんなRIEさんのロック愛は、カラー名を見れば分かる。デイヴィッド・ボウイの曲名をつけるなど、ロックは彼女にとってまさにインスピレーションそのものだ。「今回聞いていたのはニューオーダーの「RUN」。1989年のアルバム「TECHNIQUE」からのシングルです。彼らは80年代にイギリス・マンチェスターで結成されたバンドで、今も現役でツアーをやってます。ぜひ聴いてみて」。そしてそのタイトル「RUN」も、今回のコレクションのキーワードの一つだ。

都市封鎖（ロックダウン）されたNYで過ごす毎日

毎回メディア向けコレクションの発表会にはNYから来日するRIEさん。しかし、２月28日に行われたTHREE初のショートムービー完成披露を兼ねた発表会への来日は、運悪くパンデミックの発生と重なったためキャンセルに。さらに、拠点のNYで最初の感染者が出てわずか5日後の3月20日にはクオモNY州知事がNY市外出禁止令を発令。事実上NYが“ロックダウン”したこの日を境に、RIEさんも自宅で自主隔離状態となる。

「これまでずっと世界を旅していたから、こうしてずっと家で過ごすようになってみると、案外やる事ってたくさんあるものだなあ、と（笑）。手付かずだったパーソナルなプロジェクトに取り掛かる、料理をする、掃除する、洗濯する…考えればキリがない（笑）。今は毎日ヨガやメディテーションやワークアウトをしたり、愛犬のジャックとボウイの世話をしながら結構忙しくしてます。もちろん、最低限の外出の時は他人との“ソーシャルディスタンス”を保つことも忘れません。でも、この事態が収束したら何ができるのか、次回のコレクションのアイディアはどうしようか…この状態になってから考えるのは、先のことばかり。日々前向きに、ポジティブに過ごすように努めています」。

しかし、そんな前向きなRIEさんとは対象的に、NYの状況は日々悪化の一途を辿る。クオモ州知事の弟（CNNアンカーのクリス氏）も感染が発覚。感染者数は爆発的に増加し、セントラルパークには野営病院が設営され、病院船までが現れるなど、収束の兆しどころか、長期化の様相すら見せている。

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