心配事に支配された心を小休止させる「不安との共存法」【乳がんサバイバーのためのヨガ】
乳がんになると、乳房切除や抗がん剤の副作用による脱毛といった外見の変化、治療や再発の不安から生じるストレスとのつきあい方が課題に。治療中に衰えた筋力の向上に加え、うつむいた心のケアに役立つ乳がんサバイバーのためのヨガをご紹介。
自立心を目覚めさせヨガで心の健康を取り戻す
「生活の質の向上のため、乳がん患者さんにヨガを提供している」と話すのは、乳がんリハビリヨガを指導する伊藤美奈子先生。クラスでは、治療中に低下した筋力の回復を目指し、関節を動かしてリンパや血液の流れを促進。そして、不安で緊張状態にある心身をポーズと呼吸でほぐし、リラックスさせることを意識しているそう。
ヨガは病気の回復に大切な「自立心」を養う手助けになるとも。「本来治療には患者さん自身の治す意欲が大切。しかし、治療によ る体調不良で社会参加が減少し、自信と存在意義を失い、自己肯定感が低くなりがち。そんなときこそヨガで体と向き合い、自分に何ができて、何ができないのかを理解し、自らの意思でポーズを選び行っていく。その小さな選択を積み重ねることで自信がつき、自立心を育む一歩になると思います」
今後の治療や再発の心配...集中ポーズで不安から一度離れよう
がんになり不安を抱えるのは当然のこと。ヨガで今この瞬間に集中し、心配事に支配された心を小休止させる不安との共存法をマスター。
片鼻呼吸
呼吸を自分でコントロールすることで集中力を高めて
指で鼻腔をふさぎ左右の鼻から交互に吸って吐く呼吸法。呼吸の流れを自分で調整するため、意識を留めておけます。細く長く ゆっくり呼吸するのがポイント。
右手の人差し指を眉間に添えて、中指で左鼻を押さえ、右鼻から4カウントで息を吸う。次に右鼻を親指でふさぎ一瞬息を止める。中指を離して左鼻から4カウントで吐き切る。(10回)
木のポーズ
足裏を意識してバランスに集中
地面に根を張るイメージで足裏全体で床を捉え、バランスの鍵となる脚を安定させて。体と相談して適切な強度を選び徐々に難度を上げましょう。
壁を横にして立ち左手を壁に添える。右の足裏全体で床を踏み込み、左足を右くるぶしに添えてキープする。
余裕があれば手を腰へ。右足で踏み込み左足を右ふくらはぎに添えて、ふくらはぎと足裏の両方で押し合う。反対も。(5呼吸)
できる人は
左足はふくらはぎに添えたまま、肩の高さで肘を曲げて手のひらを前へ。
三角のポーズ
脇腹の伸びを感じて深い呼吸に集中
体を横に倒してもバランスが崩れないよう、支えとなる体幹をオンに。上の手は伸ばさず頭の後ろに添えるアレンジで、術後に腕が上がらない人も行えます。
両脚を脚1本分広げ て立ち、右足を90度外側に開き骨盤は正面に向け、胸の前で合掌。息を吸いながら背筋を伸ばし、右手を上げて左手で右肘を掴む。
※腕を上げにくい場合は両手は腰に当てる。
左手を頭の後ろに添えて (腰でもOK)、息を吐きながら体を右側に倒し、右手を右脚のすねに、目線は斜め上へ。深く倒す必要はなく、体が前後に傾かない角度で止める。反対側も。(3〜5呼吸)
瞑想
不安なことが浮かんでも否定せず、呼吸に集中
不安な気持ちが浮かんでも否定せず、そっと脇に置いて呼吸に意識を戻して。不安に引っ張られそうなときは日常生活でも呼吸に集中する習慣を。
お尻の下にクッション を置き、骨盤を立てて背筋を伸ばして座る。目を軽く閉じて肩の力を抜き、自然呼吸を続ける。(3分)
タンクトップ¥8,900、レギンス¥8,900/ともに[sn]super.natural(SN Japan http://sn-supernatural.jp)
お話を伺ったのは...伊藤美奈子先生
看護師、乳がんリハビリヨガインストラクター。新倉直樹先生が主宰する大学病院でのオンラインヨガ「乳がんサバイバーのリハビリヨガ」(第3週土曜10:00〜11:30)を指導。
※今回紹介したヨガの一部を動画で確認できます。。下記サイトをチェック!
https://www.youtube.com/playlist?list=PLGpkggyKq8mp4Faf_SkQIFbwbNDECo--g
※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。
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