「誰でも気軽に始められるヨガ」が辛いのはなぜ?よくありがちな3つの誤解【50歳からのヨガ】
「ポーズが上手な人は優秀」の誤解
ヨガのクラスで、柔らかい体でどんなポーズも軽々こなせる人を称賛したり、羨ましく感じることもあるかもしれません。ポーズは他のスポーツやパフォーマンスと同様、練習を積み重ねることで磨かれていきます。ストレッチの要素が強いので、練習を続けていれば関節の可動域が増し、誰もが柔らかくなっていきます。出来なかったポーズが練習によって出来るようになるのは喜ばしいことです。努力が報われた瞬間や、それで得られた達成感は変えがたい宝ですね。しかし、ヨガの本来の目的は体がぐにゃぐにゃと柔らかくなることでも、たくさんのポーズが出来るようになることでもありません。ヨガの実践は、心身のバランスを整えて日常のストレスに強くなることを目指しています。ポーズは本来、姿勢の悪さや不調を改善し、快適な心身の状態へと導くために存在するものです。たとえポーズが他の人より浅かったとしても、自分自身の体や心が快適さを感じられればそれが正解。難しいポーズの習得にとらわれ過ぎてポーズの練習しかしないのは本来のヨガとは違います。なのでポーズが出来ないことで悩む必要は全くないのです。
「年のせいで出来ない…」の誤解
年を重ねるごとに体の機能は衰えていきますが、50歳という年齢はそれを実感し始める時でもあり、心もマイナス思考になりがちです。「出来ない自分」、「衰えた自分」というものを意識してしまうのです。しかし、80歳や90歳になってもヨガを続け、見た目も心も若々しく毎日元気に過ごしている人たちもいます。筆者も実際お会いした高齢のヨガインストラクターの方たちは、皆さん「老いる」ことをネガティブに捉えていませんでした。さらに言えば、体も軽やかで姿勢も整っていることから、怠惰な生活が習慣になっている若年層よりも若く、美しく見えました。将来、老年期を不調ばかりで苦しいものにするのか、それとも衰えのスピードを遅くし若いころと同じ状態を保持できるかは50歳からの過ごし方に大きく関わってきます。運動不足や姿勢の悪さ、食生活の乱れを放置していては先の人生に影響を残します。ヨガは今の自分自身の状態を受容し、時にはプロップや軽減法を用いて一番快適と思える心身を探究し、ストレスにさらされないように導いていきます。年齢に関係なくどんな人でも実践できます。50歳から始めるヨガでは、若い人が行うヨガよりもより自分の心や体の状態を繊細に受け取ることができ、本質的な部分の大切さを知ることができるでしょう。
「太っているから出来ない…」の誤解
太っているせいで自分はヨガに向かないと考える人も多いです。ポーズにおいては、前屈などで上体を伏せる動作で腹部の脂肪に圧迫感を覚えたり、関節にかかる負担が大きかったり、逆転が難しかったりなど、やせている人より一層辛く感じられるかもしれません。しかし体型が太っていてもヨガを実践している人たちもたくさんいます。自分を否定しないこと、自分にとって無理を強いたりしないことでヨガを楽しんでいるのです。そして実は、ヨガは肥満解消にも効果があると言われています。日々の練習によってエネルギー消費がなされるのはもちろんのこと、必要な筋力や柔軟さが養われ、滞りも解消されて徐々に体が変わっていきます。しかしそれ以上にダイエットに適していると思える点は、過食の原因ともなる心のストレスや、胃腸の不調に意識的に気づき、外見だけでなく心や内臓にまで健康的なアプローチをしていくところ。腹部に刺激を加えるポーズも多く、快適な状態のために浄化法や呼吸法を用いたりもします。ヨガの実践で、ストレスのない心身づくりへの意識が高まると、ダイエットに我慢や努力をする必要がなくなります。50歳からは運動不足や食生活の乱れは体型に現れやすくなり、それを放置すれば病のリスクを高める可能性も…。肥満は健康のためには良いとは言えません。 運動習慣、胃腸に負担の少ない食生活、そしてストレスに負けないために心を整えたりなど、健康的な人生を送るうえでヨガの実践はとても役に立つでしょう。
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