現役を退いた元NFLのプレーヤーがヨガの道へと進んだ理由
元NFL選手で現在はパーソナル・トレーナー、国際ヨガインストラクター等として活躍するデリック“DJ”タウンセル氏。彼がプロフットボールリーグを去った後に出会ったヨガ、そして助けを必要としている人々にヨガを伝授するという新たな人生の目標を見つけるまでのストーリーを話してくれました。
フットボーラーとしての日々とヨガとの出会い
記憶に残る試合、頻繁な激しい体のぶつかり合い、契約問題、不安定な雇用保障、日々のトレーニングや練習──これらは一般の人がほとんど目にすることのないプロスポーツ選手の裏側です。
マイアミ近郊の荒れたオーパ=ロッカ地区で育った当時5歳の私にとって、仕事の内情など理解するわけもなく、ただフットボールをしたいという気持ちだけははっきりしていました。私が育った地域では、多くの子供たちはエンターテインメントとスポーツ産業に就職すれば、唯一明るい未来の道が開けると考えていました。
私は生まれ持った運動の才能を持っていたので、自分の人生の目標はかなり早い時期に見つけたように思います。6〜12歳の間、母とともにメンフィスへと移り住むまで一年中、野球に打ち込んでいました。メンフィスでは中高のコーチたちにバスケットボールとフットボールを両立するように薦められました。恩師のおかげで、ケンタッキー州にあるマリー州立大学のフットボール・スカラーシップを受けることができ、テキサス州ヒューストンに本拠地をおくNFLチーム、ヒューストン・テキサンズのリストに名を連ねることになりました。
大学時に漠然とではありますが、この道はずっと歩み続けられないだろうという不安感がありました。21歳にも満たないというのに、ステージ2の大腿四頭筋の裂傷、複数回に及ぶ脳しんとう、股関節のズレによる慢性腰痛など身体的なトラブルを抱えていました。しかしながらNFLで抱えていた問題は肉体的なこと以上に精神的なものが多かったのです:頻繁に自分の仕事や経済的な保障について不安を抱えるようになり、都市から都市へと移動が多く、「自分はプロフットボール選手としてプレイするには実力が足りない」と頭のどこかでささやき声が聞こえていました。
2011年にテキサンズから解雇された際には、ドラフトで新たな選手を獲得するためにチームは資金が必要だということがわかりました。しかし、私はまだフットボールのキャリアをあきらめる心の準備ができていませんでした。テキサンズを去った後、カナダフットボールリーグのエドモントン・エスキモー、今は亡きユナイテッドフットボールリーグのオマハナイトホークス、アリーナフットボールリーグのオーランド・プレデターズに所属しました。どのチームでも長続きせず、肉体的、精神的、感情的に非常に消耗してしまいました。
2012年のオーランドにいた際、心身共にストレスを抱え続けるのは、もう限界だと気付き、iPadを手に取り、YouTubeを開き、「初心者向けヨガクラス」と入力した瞬間、私の真の進化が始まったのです。
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