更年期世代が「朝から疲れている」原因を探る前に一度見直してみたいこととは
更年期の方に向けたサービス「よりそる」を運営する高本玲代さんが綴るコラム連載。高本さんご自身もまさに更年期世代。わかりやすい不調だけではない更年期の影響について、体験を交えてお話しいただきます。
「朝起きた瞬間から、もう疲れている」
そんな日が増えてきた、と感じることはありませんか。
しっかり寝たはずなのにすっきりしない。朝食を作って、洗濯をして、仕事に行く準備をする。それだけで、まだ一日が始まったばかりなのに「もう今日は何もしたくない」と思ってしまう。
以前なら、朝は一日の中で比較的元気な時間だったのに、最近は朝からすでに疲れている。
更年期世代の女性からお話を聞いていると、こうした声を耳にすることがあります。
そんなとき、「もっと早く寝ないと」「運動不足なのかな」と、つい生活習慣の中に原因を探したくなるかもしれません。
もちろん睡眠や食事、運動も大切です。
でも、朝から疲れている日に一度見直してみてほしいのが、「朝の時点で、今日やることでいっぱいいっぱいになっていないか」ということです。
朝起きた瞬間から、一日が始まっている
朝、目が覚める。
その瞬間に、
「今日は仕事であれをやらないと」
「帰りに買い物に行かないと」
「夕飯は何にしよう」
「子どもの予定を確認しないと」
「あのメールにも返事をしないと」
「そういえば週末の予定も決めないと」
と、頭の中に次々と予定が浮かんでくることはないでしょうか。
まだ布団から出てもいないのに、頭の中ではすでに今日やることでいっぱいです。
しかも、実際にやっているわけではないのに、一つ一つについて考えたり、順番を決めたり、忘れないように覚えておいたりしています。
朝から疲れている日は、「何をしたか」だけではなく、「朝の時点で何を抱えているか」にも目を向けてみてください。
一日の予定を全部頭の中に並べているだけで、「今日はこれだけやらなければならない」という圧迫感が生まれてしまいます。
今日一日ではなく、「今の一つ」にする
そんな日におすすめしたいのが、一日を丸ごと考えないことです。
「今日はこれとこれとこれをやらないと」
ではなく、
「まずは顔を洗う」
「次に朝ごはんを食べる」
「その次に着替える」
くらいまで、小さく考えてみます。
仕事に行く日なら、朝の時点では「無事に家を出るところまで」で十分。
仕事中にやることは、仕事場に着いてから考える。
夕飯のことは、夕方になってから考える。
もちろん、予定を立てておく必要があることもあります。
ただ、予定を決めることと、その予定を朝からずっと頭の中に置いておくことは別です。
朝の時点で、今日やることを全部抱え込まなくてもいいのです。
「今日できること」ではなく「今日やらなくていいこと」を決める
疲れているときほど、
「今日は最低限これだけはやろう」
と考える人も多いのではないでしょうか。
でも、その「最低限」が意外と多いことがあります。
仕事に行く。
夕飯を作る。
洗濯する。
部屋を片付ける。
買い物に行く。
メールを返す。
家族の用事をする。
一つ一つを見ると、それほど大きなことではないように感じます。
けれど、全部合わせるとかなりの量です。
そこで、朝から疲れている日は、「何をやるか」だけではなく、「今日は何をやらなくてもいいか」を一つ決めてみてください。
夕飯は簡単なものでいい。
洗濯物は畳まなくてもいい。
買い物は明日に回してもいい。
今日中でなくてもいい返信はしない。
一つ減らすだけでも、「今日これだけやらなければ」という感覚が少し変わります。
元気だった頃の朝を基準にしない
もう一つ、気をつけたいのが、以前の自分と比べることです。
「昔は朝から動けたのに」
「前なら仕事の前に洗濯も掃除もできた」
「これくらいのことで疲れなかった」
そう思うと、今の自分がずいぶん動けなくなったように感じるかもしれません。
でも、今の自分に必要なのは、「以前と同じように動くこと」ではなく、「今の自分が一日をなるべく無理なく過ごせる方法」を見つけることです。
以前は朝に家事を三つできていたとしても、今は一つでいいかもしれません。
朝の時点でやることでいっぱいいっぱいなのに、元気だった頃と同じ量をこなそうとすると、その時点で一日のエネルギーをかなり使ってしまいます。
「今の自分なら、どこまでなら無理がないだろう」
そんな基準に変えてみることも大切です。
朝は「一日を完成させる時間」ではない
朝になると、今日一日をうまく回さなければ、と考えてしまうことがあります。
仕事もちゃんとする。
家のこともする。
家族のこともする。
自分のこともする。
全部をうまくやろうとすると、朝の時点ですでに大きな宿題を渡されたような気持ちになります。
でも、朝にやることは、一日を完成させることではありません。
その日の最初の一歩を踏み出すだけです。
まず起きる。
何か食べる。
着替える。
家を出る。
そこまでできたら、その先はそのとき考える。
朝から疲れている日は、それくらい一日を細かく区切ってみてもいいと思います。
「朝から疲れている自分」を責めない
朝から疲れていると、
「まだ何もしていないのに」
「こんな状態で今日一日大丈夫かな」
と、不安になることもあるかもしれません。
でも、本当に何もしていないでしょうか。
起きる前から今日の予定を考え、家族のことを気にして、仕事の段取りを考えている。
気づかないうちに、頭の中ではすでにたくさんのことをしています。
だからこそ、朝から疲れている日は「もっと頑張って元気を出そう」とするよりも、朝の時点で抱えている「今日やること」を少し減らしてみる。
今日一日を全部見ようとせず、まず目の前の一つだけを見る。
そして、「今日はここまででいい」と決める。
朝から元気いっぱいでなくても、一日は始められます。
その日のやること全部を朝から抱えず、そのときできることを一つずつ。
そんな過ごし方が、今の自分にちょうどいい日もあるのではないでしょうか。
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