研究が示唆【全粒穀物の摂取が心臓病抑制に?】日常での取り入れ方のポイントは?
全粒穀物は以前から心臓の健康に良いと考えられてきたが、そのメリットを得るための摂取量については明らかになっていなかった。今回の研究では、全粒穀物の摂取量と得られるメリットの大きさとの関係に注目した。
全粒穀物60~100gの摂取で最も大きな改善
今回の研究では、これまでに行われた87件の無作為化比較試験を統合して分析し、全粒穀物の摂取量と健康へのメリットの大きさとの関係を調べた。無作為化比較試験は、因果関係を評価するうえで信頼性の高い研究方法とされる。
分析の結果、全粒穀物の豊富な摂取がさまざまな心血管疾患のリスク因子の改善と関連していた。LDLコレステロール(悪玉コレステロール)、総コレステロール、中性脂肪、血圧、空腹時血糖、炎症の指標のほか、体重やウエスト周囲径などにも改善が見られた。
特に注目されたのは摂取量との関係だった。全粒穀物を乾燥重量で1日に約60~100g摂取した場合、総コレステロールや収縮期血圧など、ほとんどの項目で最も大きな改善が見られた。調理後の食品として測ると約115~190gに相当し、4~6食分にあたる。
これは、2025~2030年版「Dietary Guidelines for Americans」が推奨する量をやや上回っている。同ガイドラインでは、必要なカロリー量に応じて、全粒穀物を1日に2~4食分摂取することを勧めている。
全粒穀物と心血管の健康
ユタ大学ヘルスの小児外科医スティーブン・フェントン医師によると、全粒穀物は精製穀物とは異なり、食物繊維やその他の栄養素を豊富に含む穀粒が残されている。食物繊維には、消化を緩やかにし、血糖値を安定させ、LDLコレステロールを低下させる働きがある。こうした働きはいずれも、心血管系や代謝の健康に役立つ可能性がある。
ただし、今回の研究はリスク因子の変化を調べたもので、全粒穀物が心筋梗塞や脳卒中、死亡を防ぐことを証明したものではない。対象となった試験の多くも平均約8週間と短期間であり、メリットが長期的に続くかは不明だ。また、1日140gを超える全粒穀物の摂取について調べた研究も少なく、その場合の影響はまだ明らかになっていない。
専門家による全粒穀物を日常に取り入れるポイント
心臓専門医チェン・ハン・チェン医師は、研究者らが示した4食分という推奨量は、心臓の健康を考えるうえで実践しやすい目標になると言う。一方で、栄養面での必要量は人によって異なると指摘し、「今回の結果は、心臓の健康のために全ての人が特定の量の全粒穀物を食べる必要があるという意味ではない。むしろ、全粒穀物を日常の食事に取り入れ、可能な限り精製穀物よりも全粒穀物を継続して選ぶことの重要性を改めて示すものだ」と述べる。
全粒穀物を日常の食事に取り入れやすくするには、まずは以下のような簡単な置き換えから始める方法がある。
- 精製されたシリアルや甘いシリアルの代わりにオートミールを選ぶ
- 白米の代わりに玄米を選ぶ
- 白パンの代わりに全粒粉パンを選ぶ
- 精製穀物の代わりにキヌアやファッロを選ぶ
- チップスの代わりに油を使わずに作ったポップコーンを選ぶ
「大切なのは、毎回完璧な食事を目指すことではなく、長期的に続けられる健康的な習慣を身につけることだ。精製された食品の代わりに、全粒粉パンや玄米、オートミール、全粒粉パスタなどを選ぶといった小さな変化を積み重ねることで、心血管系の健康改善につながる可能性がある」とチェン氏は話している。
出典
https://www.health.com/whole-grains-more-servings-heart-health-12126278
https://www.healthline.com/health-news/eating-more-whole-grains-lowers-cardiovascular-risk
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