「なぜか私ばかり責められる…」その原因は“引き受けすぎ”かも?臨床心理士が解説

「なぜか私ばかり責められる…」その原因は“引き受けすぎ”かも?臨床心理士が解説
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佐藤セイ
佐藤セイ
2026-09-11

「なんで私ばかり責められるの?」と感じたことはありませんか?家族、学校、職場など、さまざまな人間関係の場で「私ばかり怒られている!」「みんなも悪いのにどうして私だけ!?」と心がざわついた経験を持つ人は少なくありません。ただし、「責められている」と感じる背景は人によってさまざま。実際に責める言葉をぶつけられた人もいれば、責める意図のない言葉を「責められている!」と捉える場合もあります。今回は「なんで私ばかり責められるの?」と感じる背景と、その関係を見直すためのヒントをご紹介します。

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なぜ「私ばかり責められる」と感じるのか

まず、「私ばかり責められる」と感じるメカニズムを紐解きましょう。

役割の固定化

「しっかり者」「真面目」「我慢強い」「頼れる人」などの役割を担ってきた人は、知らないうちに多くの役割や責任を引き受けていることがあります。

最初のうちは感謝されても、次第に周囲から「してくれて当たり前」と見られます。すると、うまくいかなかった時に「どうして今回はできないの?」と責められる状況が生まれてしまうのです。

また、実際には誰も責めていないのに「みんな私に失望しているのでは?」と、自分で自分を責める思考に苛まれることもあります。

言葉の受け止め方の偏り

「かわいい」と一目惚れして買った服を着ていたら、友達から「それ、結構高い服だよね?」と言われたとします。その言葉を「無駄遣いだ」「そんな高価な服は似合わない」などと変換して受け取ってしまう人がいます。

特に、自分の感情や考えを否定されたり、「我慢しろ」と言われたりしてきた経験が多いと、相手の何気ない言葉を「責められている」「否定されている」など過剰に否定的・攻撃的に受け止めてしまうのです。

そして、「これ以上責められたくない」という思いから、「そうだよね、ちょっと無駄遣いしちゃった」と相手に同調したり、「こんな高い服、私には似合わないよね」と自分を卑下したりします。

先回りして、自分で自分を責めることで、「こんなに反省しているから、これ以上私を責めないで」と相手から責められないよう守っているのです。

相手のストレスや余裕のなさ

強いストレスを抱えて余裕を失っている場合、私たちは身近な人にきつく当たりやすくなります。

例えば、

・仕事や試験でのプレッシャー

・体調不良

・疲労や睡眠不足

などの条件が揃うと、普段なら平気なことでもカッとなり、身近な人を責め立ててしまうのです。いわゆる「八つ当たり」です。

この場合、責められたとしても「私のせい」と思い過ぎず、「相手が余裕を失っているのかも」と、一度立ち止まって考え、適度に距離を取ってみることも大切です。

「私ばかり責められる」関係を見直すためのヒント

ここからは「私ばかり責められる」と感じる関係を見直し、心地良い関係を取り戻すためのヒントをご紹介します。

「事実」と「解釈」を分ける

「責められた」と感じたら、

・事実:実際に起きたこと

・解釈:自分が感じたこと・考えたこと

を分けてみましょう。

例えば、黙っている上司に対し、「私の資料がダメだから怒っている!」と感じた場合、

・事実:上司が黙って資料を見ている

・解釈:私の資料の出来が悪いことを怒っている

と分けてみます。

上司が黙っていたのは事実ですが、「怒っている」というのは必ずしも正しい解釈ではありません。「真剣に読んでいる」や「考えを整理している」など、様々な解釈がありえます。

「責められている」という解釈に引きずられず、「別の可能性はないか」と距離を置いて考えてみると、過剰な「責められている」に傷つかずに済みます。

自分の「引き受けすぎ」に気づく

最初は善意で引き受けたはずが、いつしか「この人がして当たり前」になり、しかも完璧を求められる。そんな状況になった場合は、いったん抱え込んでいる役割や責任について「本当に自分がやるべきなのか」と見直してみましょう。

その上で、他者の役割や責任を肩代わりしている場合、「今回は難しい」「これは私の役割ではないので引き受けられない」などの言葉で少しずつ手離すことも必要です。

また、自分の役割や責任でも、完璧にしようとせず、6〜7割程度できればOKとするなど、「ほどほど」「いい加減」を目指しましょう。

第三者や環境の力を借りる

固定化した役割や関係性は、当事者だけでは変えることが難しい場合があります。

例えば、

・家庭:「家事はこの人の役目」

・職場:「雑用は〇〇さんに任せればいい」

という役割が続いている場合、やらされている人が勇気を出して不満を訴えても「それくらいのことで」と逆に責められるからです。

そこで、普段はメンバーにいない専門家や上司などが間に入り、「これはおかしいよね」と別視点からの意見を伝えることで、役割や関係性のバランスを整えやすくなります。

さいごに

「私ばかり責められる」と感じる背景には、関係のバランスの崩れが隠れていることがあります。

大切なのは、自分の我慢を増やすことではなく、「この関係は私の負担や無理を前提にしていないか」と見直してみることです。小さな違和感は、心からのサインかもしれません。

まずは一つ、自分を守るためにできそうなことから始めてみてください。

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