早起きしなくてもいい? 心の余裕を取り戻す【タイムコーディネート】に学ぶ「朝活の誤解」とは?

早起きしなくてもいい? 心の余裕を取り戻す【タイムコーディネート】に学ぶ「朝活の誤解」とは?
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「時間がない」「余裕がない」——そんな悩みを抱える人は少なくありません。仕事や家事、育児に追われる日々の中で、自分の時間を確保することは難しいもの。しかし、朝のたった30分が、1日の過ごし方を大きく変える可能性を秘めています。今回は『24時間が変わる朝の30分 「時間がない!」から「余裕のある毎日」へ』(大和書房)の著者・吉武麻子さんにインタビュー。効率一辺倒の時間管理ではなく、自分らしく心地よい時間の使い方「タイムコーディネート」について伺いました。

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元々は夜型だった

——吉武さんが朝時間を大切にされるようになった経緯からお聞かせいただけますか。

元々、自分は夜型だと思っていて、夜にやりたいことをやる時間の使い方をしていました。ですが、子どもが生まれてからは夜まで体力が持たず、寝てしまって自分の時間が持てなくなったんです。

なので、朝を大切にしたいからというよりは、致し方なく朝活を始めました。でも始めてみて、朝の大切さを実感しています。

——本書の中で、さまざまな朝の過ごし方のご提案をされていますが、吉武さんご自身はどんなことから始められたのでしょうか。

本書では必要な朝の過ごし方を知るためのチェックリストを作っていて、下記の5タイプに分類しています。

①リセットタイプ:自分を取り戻す
②計画タイプ:見通しを立てる
③整理タイプ:振り返りと手放し
④生産タイプ:集中する
⑤成長タイプ:未来にタネをまく

当時の私は生産タイプで、やりたいことが明確にあったので、朝の時間を集中作業に使っていました。子ども中心の生活で日中は中断されやすく、まとまった集中時間を確保しにくかったからです。一方で、見通しを立てたり振り返ったりする時間は隙間時間でも取れたので、朝は「集中」、それ以外は日中の隙間時間に回していました。

「タイムコーディネート」と「時間管理」の違い

——吉武さんが提唱されている「タイムコーディネート」と一般的な「時間管理」の違いについて教えていただけますか。

これまでの時間管理術では、時間効率化を軸にし、時間を整理していきます。効率化で時間を生み出し、隙間時間にもやることをとにかく詰め込み、多くのことをこなしていく仕事中心の時間術がいわゆる「時間管理」だと思います。ですが24時間そのやり方を続けるのはなかなか厳しく、気づけばこなすことが目的になって、時間に追われる感覚が強くなってしまうことがあります。

私自身も時間管理術の本が大好きだったのですが、途中まではやる気があってできていても、だんだんと苦しくなり、できなくなってしまうことがありました。

そこで大事なのは、どういうふうに時間を使いたいのか、どういうバランスで24時間を使っていきたいのかということを理解したうえで、必要な部分で時間管理を取り入れることだと気づきました。

洋服やインテリアを自分が好きなように、心地よくコーディネートしていくように、自分の24時間も自分らしくコーディネートできればいいのではと思い、「タイムコーディネート」と名付け、時間管理との違いを明確にしました。

時間管理
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——タイムコーディネートでは「心地よさ」がキーワードとなってくると存じますが、朝の時間の使い方としても、「やらなければ」というよりも、自分がやりたい・楽しみと思うことを優先していった方がよろしいのでしょうか。

そうですね、やるべきことは年齢を重ねれば重ねるほどいろいろとありますが、やるべきことだけですと、何のために生きているのか?という話にもなってしまいます。なので、自分の楽しい時間、心地よい時間を意図的に優先して入れていくことが大切です。

楽しい時間・心地よい時間を持つために、仕事や家事などは限られた時間の中で成果を出していく必要があります。そこで時間管理が活きてくるのです。

心地よいと感じる時間は人それぞれ違うので、まずは自分の心地よさを知って、24時間の中に組み込んでいく。そのうえで、仕事や家事などのすべきことも時間管理で進めていく。そうすると、楽しみながらもやるべきことも進められて、心の余裕が生まれるのではと思っています。

——どういうきっかけで「心地よさ」に注目するようになったのでしょうか。

原点は中学生のときです。美術がすごく苦手で、美術の授業がある日は朝から憂鬱だったんです。でもサボるわけにはいかないので、そんな中で1日を楽しく過ごすことはできないだろうかと考えたとき、「自分で楽しみを入れていけばいいんだ!」と思ったんです。

それから毎日「今日楽しかったことベスト3」を手帳に書くようになりました。そうやって集めた「私の楽しいことリスト」が、憂鬱な日の支えになってくれたのです。美術がある日にはあらかじめ、自分の楽しみを予定に入れておく。そうすると、憂鬱なことがあっても気持ちが引っ張られすぎず、最後は楽しい気持ちで一日を終えられるようになりました。

その経験があるので、楽しみを1日の中に入れることが自然に染みついているのだと思います。大人になると、たくさんある義務や責任を優先せざるをえないことが多いですが、1日5分でも楽しいと思える時間をとることで、心の余裕が変わってきます。

「朝」を推奨する理由

——早起きが苦手な人は、「なぜ朝なの?」と思う人もいると思うのですが、朝に自分の時間を持つことを推奨されている理由を教えていただけますか。

一番は脳がクリアになっているからです。私たちは1日の中で膨大な量の決断をしていて、脳がどんどん疲れていきます。時間が遅くなればなるほど脳が疲れていくのですが、起きた後は「脳のゴールデンタイム」と言われるように、脳がスッキリとしています。

なので、判断や決断もしやすいですし、アイディアも浮かびやすいです。朝早くというよりは、起きてから自分のための時間を持つことが大切です。

——「朝活=早起き」でなくてもいいのですね。他に朝活に関してよく聞く誤解はありますか?

脳のゴールデンタイムなので、アイディアを出したり、何か書いたり、アウトプットをすることが良いのは確かです。ただ、クリエイティブなことをしなければいけないということはありません。

私が朝活を始めたときのように、やりたいことが明確ならばその情熱を持って進めばいいと思います。しかし、やりたいことが決まっていない方々にとっては、リラックスしたり、ぼーっとしたり、今日何をするのか見通したり、詰め込みすぎているからどう整理できるかを考えたり、どんな未来に進んでいくか想像したりする時間にしてもいいのです。

人それぞれ、その時々の状況によって、必要な時間は異なります。早起きして何か成果を出さなければいけないと苦しんでいる方も多いので、「早起きしてアウトプットすることだけが全てではない」ということを、お伝えしたいです。

※後編に続きます。

『24時間が変わる朝の30分  「時間がない!」から「余裕のある毎日」へ』(大和書房)
『24時間が変わる朝の30分 「時間がない!」から「余裕のある毎日」へ』(大和書房)

【プロフィール】
吉武麻子(よしたけ・あさこ)

TIME COORDINATE株式会社代表取締役。
キャリアとライフイベントの狭間で葛藤した経験から、疲弊せずに毎日を楽しみながら仕事のパフォーマンスもあげていく「タイムコーディネート術」を考案し、のべ4000名以上に指南。
著書に『目標や夢が達成できる 1年・1カ月・1週間・1日の時間術』や、『無駄をスッキリさせて、人生の質を高める 時間デトックス』がある。

その他、シリーズ180万部発行の『時短・効率化の前に今さら聞けない時間の超基本』の監修や、タイムコーディネート手帳の製作販売、企業研修、時間の専門家として各種メディアにて掲載・連載執筆を行っている。プライベートでは2児の母。

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『24時間が変わる朝の30分  「時間がない!」から「余裕のある毎日」へ』(大和書房)