「私って〇〇だから」と決めつけていませんか?レッテル貼りの原因と対処法を心理士が解説
「私は人見知りだから、初対面の人とはうまく話せない」 ——こんなふうに、自分や誰かを簡単に決めつけてしまうことはありませんか? これは「レッテル貼り」と呼ばれる認知のゆがみの一つ。過度なレッテル貼りは、自分を追い詰めたり、周囲との関係性に支障をきたしたりする可能性があります。 そこで本記事では、レッテル貼りの正体と上手な向き合い方を心理学的な視点で紹介します。「もしかして自分もやってるかも?」と思った方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
レッテル貼りってなに?よくある例を紹介
レッテル貼りとは、自分や他人の一部分だけを見て、「この人はこういう人だ」と決めつけてしまうことです。心理学では「認知のゆがみ」の一種として知られています。
レッテル貼りには、「自分自身へ向けたもの」と「周囲の人へ向けたもの」の2パターンが存在します。
具体的には以下のような例があります。
- 「私はバカだから、難しいことは理解できない」と思い込んで、テスト勉強を諦めてしまう(自分へのレッテル貼り)
- 「刺青があるから、この人は問題がある」と判断し、距離を置いてしまう(他人へのレッテル貼り)
レッテル貼りをしてしまう原因ともたらすデメリット
程度の差こそあれ、誰しもレッテル貼りをした経験があるでしょう。では、どうして私たちはレッテルを貼ってしまうのでしょうか。ここではその原因と、レッテル貼りが引き起こすことについて解説します。
レッテル貼りの原因
レッテル貼りをしてしまう理由の一つは、情報処理を簡単にするためです。
私たちは日々、たくさんの人と関わりながら生活しています。もし一人ひとりを細かく理解しようとしたら、脳がパンクしてしまいますよね。だから、ある程度カテゴリー分けして「この人はこういうタイプかな」と先読みすることで、コミュニケーションをスムーズに進めているのです。つまり、レッテル貼りには「情報を整理して、素早く判断できる」というメリットがあるわけです。脳の負担を減らすための、いわば効率化の仕組みなのですね。
レッテル貼りが引き起こすこと
一方で、ネガティブなレッテル貼りは自分にも他人にも悪影響を与えかねません。自分向けのレッテル貼りは、成長のきっかけを奪ってしまうリスクがあります。例えば「自分には能力がない」と思い込むと、新しいことに挑む意欲が失われかねません。
もっと深刻なのが、貼られたレッテルが実際の姿になってしまうケースです。アメリカの社会学者ハワード・ベッカーによる「ラベリング理論」では、レッテルを貼られた人はそのイメージに沿った振る舞いを選び、実際にその通りの人物になりやすいと説明されています。
つまり、職場などで「○○さんは成績が悪い、もっとしっかりしなさい」と言われ続けると、本当に成績が伸び悩んでしまう。一方で「○○さんはできる人だ、やり方を工夫すればもっと良くなる」と言われた人は、実際に成長しやすいのです。
さらに、レッテル貼りは差別的な見方を生むリスクも持っています。「男性は仕事、女性は家事」という固定観念は、まさにレッテル貼りの一例ですね。
世の中にはいろんな人がいて、どんな人も多面的な存在です。あるカテゴリーに当てはまっていても、そこから外れた個性を持っている人もたくさんいます。「あの人はこんな人間だ」と断定してしまうと、その人の本当の姿を見逃しかねないのです。
ネガティブなレッテル貼りをやめるための対処法
それでは、マイナスのレッテル貼りにどう向き合えばいいのか、心理学の視点から具体策をお伝えします。
自分が貼っているレッテルに気づく
マイナスなレッテル貼りは、無意識のうちにやってしまっていることがほとんどです。だからこそ、まずは「今レッテル貼りしてないかな?」と意識することが大切です。ネガティブな感情が湧いてきたときは特に注意が必要となります。
例えば、同僚が挨拶を返してくれなかったとき。つい「なんて冷たい人なんだろう」と思ってしまいがちですが、一度立ち止まって「もしかしたら、気づかなかっただけかも」と考えてみると、自分が「あの人は冷たい人だ」というレッテルを貼ろうとしていたことに気づけるはずです。
自分も周囲の人も多面的に見ることを意識する
人は誰でも、いろんな顔を持っています。一面だけを見て判断するのは非常にもったいないとことです。ネガティブなレッテル貼りは、情報が少ないときに起こりがち。だからこそ、周りの人とコミュニケーションを取って、多面的に見ることを心がけてみましょう。 相手の趣味や大切にしている価値観を知ることで、それまで見えなかった一面が見えてくるかもしれません。 これは自分自身に対しても同じです。「私はダメ人間だ」と一つの側面だけで自分を判断するのではなく、「苦手なこともあるけど、得意なこともある」と多角的に自分を見てあげることが大切です。
認知のレパートリーを増やす
日常生活で意識するだけでは改善が難しいと感じたら、認知行動療法を実践してみるのもおすすめです。
認知行動療法とは、考え方(認知)に働きかけて、気持ちを楽にしていく心理療法のことです。レッテル貼りのような偏った考え方から距離をとり、柔軟な認知を増やすことを目指します。
たとえば「自分は仕事が苦手だ」というレッテルを持っているなら、「確かに苦手なことはあるけど、得意な分野もある」と考えてみる。こうして認知のレパートリーを増やすことで、自他へのマイナスイメージを払拭し、バランスの良い見方ができるようになっていきます。カウンセリングなどで専門家の力を借りてもよいですし、アプリを活用するのもおすすめです。
まとめ
レッテル貼りは、私たちが無自覚のうちに日々繰り返している思考のクセと言えます。情報処理を効率化してくれる便利な面もありますが、否定的なレッテル貼りは自分自身や身近な人を傷つける危険性もあります。今回ご紹介した対処法は、メンタルケアアプリ「Awarefy(アウェアファイ)」を使って実践可能。「自分もしてるかも」と感じた方は、ぜひアプリも活用しながら少しずつ改善に取り組んでみてくださいね。
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