冬の腸トラブル卒業!腸がよろこぶ4つの“発酵食品”の上手な活用法【管理栄養士が解説】

冬の腸トラブル卒業!腸がよろこぶ4つの“発酵食品”の上手な活用法【管理栄養士が解説】

冬になると、「お腹が痛くなる…」という不調を抱える人も多いのではないでしょうか?寒さで体が冷えてしまい血流が悪くなり、腸の動きも悪くなることで、免疫力の低下や肌トラブル、便秘などにつながりやすいです。そこで、冬の腸トラブル予防のために取り入れてもらいたいもののひとつが、発酵食品です。今回は、管理栄養士視点から、温活と絡めた発酵食品の上手な活用方法についてご紹介します。

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冬に発酵食品をおすすめする3つの理由

冷えで腸の動きが低下しやすいため

冬は気温が下がることにより、体も冷えやすくなり自律神経が乱れやすくなり、さまざまなトラブルに見舞われやすいです。そして、特に影響を受けやすいのが腸であり、冷えにより腸のぜん動運動が低下することで、便秘やガスの溜まりなどの不調を感じやすくなります。そのため、乳酸菌やビフィズス菌、麹菌などの善玉菌を豊富に含む発酵食品を積極的に取り入れることで腸内環境を整えてくれ、腸のぜん動運動の低下の改善も期待できます。

免疫力が低下しやすいため

体調不良の女性
byフォトAC

日照時間の短さや気温の低下により、体も冷えやすく自律神経が乱れてしまい、風邪や感染症も流行りやすい季節です。また、免疫の細胞の約7割は腸に生息しているため、腸内環境の悪化で免疫力が低下し、感染症などにもかかりやすくなる傾向が高まります。そのため、腸に善玉菌を届けたり、善玉菌のえさを運ぶ役割もしてくれる発酵食品は、腸内環境を整えて免疫力アップの土台作りにおすすめです。

体を温める食材と調理方法と相性がよいため

体の冷えも感じやすい冬は温かいメニューを口にすることが増えやすくもあります。味噌汁や米麹で作る甘酒、キムチ鍋(鍋に漬物や納豆を入れたり、味噌での味つけをしたり)などいろいろなバリエーションで取り入れやすいのが発酵食品の特徴でもあります。ただし、加熱しすぎてしまうと菌が死んだり、酵素活性は失活してしまうため、仕上げとして発酵食品を加えるというのでもよいでしょう。しかし、菌の働きが減っても善玉菌のえさになることはできるため、あまり神経質になる必要もありませんよ。

冬におすすめな発酵食品4選

味噌

味噌汁
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味噌は味噌汁に使うことが多いため、温活には欠かせないメニューでもあり、腸だけでなく体も同時に整えるアイテムとしておすすめです。そして、乳酸菌やアミノ酸も豊富に含んでいるため、腸と免疫力のサポーターとしても期待できます。ただし、長時間加熱や沸騰させてしまうと味噌に含まれる乳酸菌が死滅してしまい、せっかくの発酵食品による恩恵が減ってしまいます。そのため、火を止めて少し冷ました状態になってから、味噌を溶く方がよいでしょう。また、購入する場合には、パッケージに空気穴があり冷蔵陳列されている発酵が止まっていないものを選ぶのがおすすめです。

甘酒

甘酒
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別名「飲む点滴」とも呼ばれる米麹から作る甘酒は、栄養価が高いのはもちろん、砂糖代わりにも使用できるほど、自然な甘みを持っています。冷えた状態で飲むのも美味しいですが、寒い冬は人肌くらいに温めて飲むのもおすすめです。また、より冷え解消のために飲みたい場合には、甘酒に生姜やシナモンなどを加えてあげるのもよいでしょう。酒粕で作る甘酒と異なり、ノンアルコールでもあるため、誰でも飲むことができます。

納豆

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そのまま食べるイメージが強い納豆は、冬は食べる頻度が減るという人も多いかもしれません。しかし、実は温かい汁物との相性がよいのです。そのため、温かい味噌汁やとろろ汁、とろみのあるスープなどと組み合わせるのもよいでしょう。ただし、納豆に含まれる酵素のひとつであるナットウキナーゼは熱に弱いため、煮込むのではなく、最後の仕上げとして入れてあげるのがおすすめです。

キムチ

チゲ鍋
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唐辛子で辛味をつけているキムチには、発汗作用や代謝アップを期待できるため、温かい鍋や汁物に入れて食べるとよいでしょう。善玉菌のえさとなる食物繊維も豊富に含まれているため、ぜひ取り入れてもらいたいです。お店で購入する時には、できれば無添加のものを選びましょう。ただし、人によっては塩分や辛味を刺激に感じてしまう場合もあるため、1度に大量に食べ過ぎないように注意する必要はあります。

冬こそ腸活を取り入れて体の内からキレイになりませんか?

冷えで免疫力が下がりやすい冬だからこそ、上手に温活×発酵食品を取り入れながら、今年の冬は冷え知らずで元気に過ごしましょう。

【参考文献】

文部科学省 | 日本食品標準成分表2020年版(八訂)増補2023年
厚生労働省|e-ヘルスネット
わかさ生活|わかさの秘密

ライター/管理栄養士 亀崎智子
管理栄養士×セラピスト(野菜ソムリエ・中級食品診断士 )。食に関する講演や記事執筆・監修、体の本来の機能を取り戻すお手伝いをする整体のセラピストとして、家族丸ごと体の内と外にゆとりをつくるサポートを行っている。また、満月の日に、乾物と塩で作るふりかけと即席スープの素の製造販売も行っています。インスタグラム:kamegohan0528

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