冬の感染症に負けない!免疫力がどんどん上がる食べ方とは?|管理栄養士が解説

冬の感染症に負けない!免疫力がどんどん上がる食べ方とは?|管理栄養士が解説
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全国的に風邪などの感染症が流行する季節です。今年はとくにインフルエンザの早期流行によって免疫力が低下し、他の病気にもかかりやすい人が増えています。そこで、免疫力をアップさせるために有効なのがビタミンACE【ビタミンエース】という三つのビタミンを組み合わせて補給すること。この記事では、その摂り方のポイントについて、管理栄養士が詳しく解説します。

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ビタミンACEってなに?

ビタミンACE(エース)とは、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンEを合わせた総称です。ビタミンは、単独で多く摂るよりも、複数を一緒に摂取することで栄養のバランスが整い、それぞれのビタミンの働きを助け合うことができます。チームで働くことで、相乗効果が生まれるのです。なかでもビタミンA、C、Eは『抗酸化ビタミン』として、同時に摂ることでその効力を発揮します。

ビタミンAは、免疫力低下の原因となる活性酸素を除去する効果が期待できます。ビタミンCは細菌やウイルスの侵入口である鼻や口などの粘膜を強化する役目、ビタミンEは体を温めて免疫力をアップさせるのに役立ちます。これらを一緒に摂取すると、ビタミンCが酸化されたビタミンEを還元して再び働けるようにし、ビタミンEがビタミンAの酸化を防ぐ、というように、最強の抗酸化ビタミンチームとして免疫力アップ効果が期待できるのです。

by写真AC
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ビタミンACEはどんな食材に含まれているの?

ビタミンA

鶏・牛・豚レバー、うなぎ、アナゴ、うずらの卵、鶏卵、モロヘイヤ、人参、春菊、あんず、温州みかん、焼きのり、青のり

ビタミンC

パプリカ、ブロッコリー、菜の花、かぶの葉、カリフラワー、にがうり、さつまいも、じゃが芋、キウイ、レモン、柿、イチゴ、グレープフルーツ

ビタミンE

アーモンド、ピーナッツ、くるみ、ツナ缶、いくら、たらこ、うなぎ、はまち、サーモン、モロヘイヤ、かぼちゃ、パプリカ

ビタミンACEの摂り方のコツ

ビタミンAとビタミンEは脂溶性ビタミンです。油と一緒に摂取することで吸収率がアップします。調理する時は炒め物にしたり、ドレッシングをかけて食べると良いでしょう。卵と野菜の炒め物、ナッツやツナ缶を組み合わせたサラダなら、手軽で簡単にビタミンACEが同時に摂取できます。

野菜炒め
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一方、ビタミンCは水溶性ビタミンです。水に溶けやすく、熱や光に弱い性質があります。酸化しやすく、保存中や調理中にビタミンが失われやすいので、野菜や果物は新鮮なうちに食べるようにしましょう。一度にたくさん摂っても体内に蓄積されず、体外に排出されてしまうので、効果を持続させるためにはできるだけ毎食取り入れることです。

キウイ
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そのなかでも、じゃが芋やさつま芋のビタミンCはでんぷんに守られているため、損失が少ないのが特徴で、量も摂りやすく良い供給源になります。野菜や芋類、果物を一食の中で必ず入れるようにしていきましょう。

芋類
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注意したいこと

レバーなどの動物性食品に含まれるビタミンAは摂りすぎると過剰症を起こす可能性があるため、食事で適量を摂るようにして、サプリメントを過剰に利用するのは避けましょう。また、ビタミンだけ摂っていても免疫力が上がるわけではありません。ごはんなどの炭水化物、魚などのたんぱく質も同時にしっかりと栄養補給していくことが免疫力アップには欠かせません。食習慣で感染症に負けない免疫力をつけていきましょう。

《参考文献》
あたらしい栄養学/高橋書店
妊娠できる体は食から30代からの妊活食/岡田明子

《ライター》やなぎかおり
特別養護老人ホームにて介護食の大量調理と栄養士業務を経験。働きながら管理栄養士の資格を取得。その後、中学校給食センターにて、献立作成、給食管理、食育授業に携わる。結婚、出産を経て、子育てをしながら栄養に関する記事執筆を行っている。

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