知らなかった…!悪玉コレステロールを下げる“意外な飲み物”とは?【管理栄養士が解説】
悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が最近、健康診断などで高めになってきたなと感じている方はいませんか?この悪玉コレステロールが増えると動脈硬化が進行し、心筋梗塞や脳梗塞を起こしてしまうリスクが非常に高くなります。 今回、そんな悪玉コレステロールを減らす可能性をもつ、私たちにとって馴染み深い緑茶について管理栄養士が解説します。
悪玉コレステロール(LDLコレステロール)とは?
コレステロールは体に必要な脂質のことで、細胞やホルモンをつくっています。
コレステロールには悪玉コレステロール(LDLコレステロール)と善玉コレステロール(HDLコレステロール)が存在し、悪玉コレステロールは、肝臓から体の隅々までコレステロールを運ぶ役目をもちます。しかし、多くなりすぎると血管壁に溜まり、血管を狭く、硬くしてしまいます。これが動脈硬化です。この動脈硬化が進行して血管が詰まってしまい、心臓や脳に痛みを感じたり、壊死することで心筋梗塞や脳梗塞などを起こします。そのため、悪玉コレステロールを増やし過ぎないことが大切です。
悪玉コレステロールがなぜ緑茶を飲むと減るのか?
日本の伝統的な飲み物、緑茶に含まれる苦みの成分のカテキン類(特にエピガロカテキンガレート)には、
- 食事からの脂質や悪玉コレステロールの腸への吸収を抑えてくれる
- 血液中の悪玉コレステロールが酸化するのを防ぎ、血管壁にくっつきにくくしてくれる
- 脂質の代謝が促進され、エネルギーとして使われやすくなるため、血液中のコレステロールバランスが整う
などの働きがあるため、悪玉コレステロールを減らしてくれます。
緑茶を美味しく効果的に飲むポイント
緑茶のうまみの成分は50度以上の低い温度でも出てくると言われていますが、悪玉コレステロールを減らしてくれるカテキン類が出てくる温度は、80度以上の高い温度と言われています。そのため、1煎目はお湯の温度を冷まして、うまみの多い緑茶を味わい、2煎目からは温度を上げ、時間を半分程度にして淹れ、苦みのある緑茶を味わってみましょう。緑茶を飲む目安量と注意点
緑茶にはカフェインが含まれています。日本では日常的に摂取している緑茶の量であれば、カフェインの過剰摂取につながる可能性は低いとされています。しかし摂取し過ぎると、神経への刺激によるめまい、心拍の増加、震え、興奮、不安、不眠症、下痢、吐き気、脱水などを起こす可能性があります。緑茶を1日10杯以上飲む人の悪玉コレステロール値は低いという研究データもありますが、
別の研究では、緑茶を飲むとLDLコレステロールを有意に低下させ、介入の種類、緑茶カテキンの投与量、研究期間、個人の健康状態、または研究の質の影響を受けないことが示されています。
以上のことから、緑茶の飲み過ぎには注意し、1日に飲む目安としては3~4杯程度にしましょう。
まとめ
悪玉コレステロールを減らし高くしないために、食事や運動を軸にしつつ、今からでも私たちにとって馴染み深い緑茶を取り入れて、健康づくりをしていきましょう。【参考文献】
2:一般社団法人日本動脈硬化学会、動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版
4:脂質異常症患者における血中心血管代謝リスクバイオマーカーに対する緑茶飲料の効果
5:日本の健康な労働者集団における緑茶消費量と血清脂質およびリポタンパク質 徳永正治、イアン・R・ホワイト、クリス・フロスト、田中啓太郎、河野純則、徳留新寛、赤松隆、森山武志、座光寺秀元
- SHARE:
- X(旧twitter)
- LINE
- noteで書く






