知らなきゃ損!悪玉コレステロールがどんどん増えてしまうNG飲み物【管理栄養士が解説】

悪玉コレステロール
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悪玉コレステロール(LDLコレステロール)は、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞といった生活習慣病のリスクを高める因子としてよく知られています。一般的には食事からの脂質摂取が注目されがちですが、実は「飲み物」からの影響も無視できません。手軽に口にする飲料のなかには、知らず知らずのうちにLDLを増やす要因となるものが潜んでいます。

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悪玉コレステロールとは

動脈硬化イラスト
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コレステロールには大きく分けて「LDLコレステロール(悪玉)」と「HDLコレステロール(善玉)」があります。LDLは体に必要な脂質を運ぶ役割を持っていますが、多すぎると血管の壁にたまりやすく、動脈硬化を進める原因となります。一方でHDLは余分なコレステロールを回収する働きがあり、バランスが取れていることが大切です。血液検査でLDLが高めと指摘された場合には、食事や生活習慣を見直すことが予防につながります。

悪玉コレステロールに影響を与える飲み物とは

悪玉コレステロールに影響を与えてしまう可能性の高い飲み物を4つご紹介します。

缶コーヒーやペットボトルコーヒー(ミルク風)

缶コーヒーイラスト
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缶コーヒーやペットボトルコーヒーの中には、牛乳ではなく植物油脂を加えてミルク風味を出しているものも少なくありません。こうしたタイプは保存性や風味を補う目的で作られていますが、原材料によってはトランス脂肪酸を含む場合があり、LDLコレステロールに悪影響を与える可能性があると報告されています。選ぶなら、原材料に「牛乳」「生乳」と記載されたタイプや、無糖ブラックを選んで自分で牛乳を加えるスタイルがおすすめです。

加糖清涼飲料

ジュース写真
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炭酸飲料やスポーツドリンク、エナジードリンクなどには糖分が多く含まれており、とくに果糖ブドウ糖液糖(HFCS)は肝臓で脂質に変わりやすい性質があります。

そのため、中性脂肪が増えやすく、結果としてLDLコレステロールの悪化につながる可能性が指摘されています。清涼飲料を喉の渇きで日常的に飲むと過剰摂取になりやすいため注意が必要です。

代わりに水や麦茶、無糖炭酸水などを基本にしましょう。強い発汗や脱水のリスクがあるときには経口補水液を、運動時には糖分控えめのスポーツドリンクを取り入れるのも有効です。

フラペチーノ等クリーム系ドリンク

フラペチーノ写真
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カフェで人気のフラペチーノや、ホイップクリームやチョコレートソースが多く使われるデザート系ドリンクは、糖質と飽和脂肪酸を多く含む組み合わせになりやすい飲み物です。ボリュームがあるため「飲むスイーツ」といえるほど高カロリーになることも多く、習慣化すれば脂質異常症のリスクを高めかねません。普段はシンプルなカフェラテやカフェオレ(牛乳ベース)を選び、甘さを調整したいときはシロップを減らすなど工夫ができると良いですね。

多量のアルコール+カクテル類

アルコール写真
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アルコールは、毎日の飲酒や一度に大量に飲む習慣があると、中性脂肪が増え、脂質代謝のバランスを崩す可能性があります。

さらに、シロップやリキュールを多く使うカクテルは糖分の影響も加わるため、LDLコレステロールを悪化させやすい要因になると考えられます。楽しむなら量を控えめにし、休肝日を設けたり、糖質の少ない蒸留酒ベースのドリンクやノンアルコール飲料を活用するのがおすすめです。

まとめ

悪玉コレステロールに影響を与えやすい飲み物は、いずれも余分な脂質や糖質を多く含むことが特徴です。それぞれ作用の仕方は異なりますが、過剰にとることでLDLコレステロールの悪化につながる可能性があります。

ただし、選び方を工夫すれば、健康を損なわずに楽しむことは十分可能です。毎日の飲み物を少し意識して選ぶだけで、脂質のバランスを整えるサポートになります。ぜひご自身の飲み物を見直してみましょう。

 

【参考文献】

厚生労働省「トランス脂肪酸に関するQ&A」
日本動脈硬化学会「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版」
厚生労働省 「健康に配慮した飲酒ガイドライン」
農林水産省「脂質による健康影響」
農林水産省「脂質やトランス脂肪酸が健康に与える影響」

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