「抜け毛が増えた…」を防ぐ!髪がよろこぶ食習慣|管理栄養士が解説
年齢を重ねるにつれ、「髪のボリュームが気になってきた」と感じる女性は少なくありません。抜け毛には、遺伝・加齢・ストレス・ホルモンの変化・極端なダイエットなど、さまざまな要因があります。そのうえで、日々の食事を整えることは、健康な髪の土台づくりに役立つ要素のひとつ。今回は、抜け毛が気になる方が食事面で意識したいポイントについて解説します。
栄養不足だけじゃない!抜け毛に関わる多くの要因
抜け毛が気になり始めると、「生活習慣が影響しているのかな?」と感じる方も多いかもしれません。
しかし、抜け毛は特定の原因だけで起こるわけではなく、いくつかの要因が考えられます。遺伝やホルモンの影響、加齢、ストレス、生活リズムの乱れなど背景はさまざまで、年齢を重ねるにつれて気になりやすくなる人が増えるのも自然なことです。
さらに、極端なダイエットや栄養の偏りがきっかけで、抜け毛が増えたり、髪が全体的に薄くなったりするケースもあります。とくに女性に多い「貧血」が起こると、頭皮に酸素が届きにくくなるため、髪の成長が弱まり、抜け毛につながりやすい点には注意が必要です。
また、抜け毛にはびまん性脱毛症や円形脱毛症など複数の種類があり、原因によって治療方法も異なります。「最近抜け毛が増えてきた」「いつもと様子が違う」と心配に感じたときは、自己判断せず皮膚科などの医療機関を受診することをおすすめします。
そのうえで、日々の食事を見直し、整えていくことは「髪の土台づくり」を支える大切なアプローチになります。ここからは、抜け毛が気になる方が意識したい栄養素について紹介します。
髪の土台を整える!意識したい栄養素
特定の食べ物だけで抜け毛を防げるわけではありませんが、髪の成長にはさまざまな栄養素が関わっています。健康な髪を保つためには、バランスの良い食事が欠かせません。ここからは、髪の土台を整えるために意識したい栄養素に注目し、それぞれのポイントを解説します。
たんぱく質
髪の主成分は「ケラチン」というたんぱく質です。食事からたんぱく質を十分にとれていないと、髪が細くなったり、ハリやコシが出にくくなったりすることも。
たんぱく質は、肉・魚・卵・大豆製品・乳製品などに多く含まれます。毎食の中でさまざまな食材を組み合わせて取り入れてみましょう。
鉄
鉄は、頭皮まで酸素を運ぶ役割があり、髪の成長を支える大切な栄養素です。貧血になると頭皮が酸素不足になり、髪が抜けやすくなったり、細くなったりすることがあるといわれています。
また、酸素を運ぶヘモグロビンを作るには、鉄だけでなくたんぱく質も必要です。肉・魚・卵・大豆製品などを組み合わせることで、鉄のはたらきをサポートし、貧血予防にも役立ちます。
鉄が多い食材には、あさり・赤身肉・レバー・ほうれん草などがあります。なかでも、レバーや魚介類など、動物性食品に含まれるヘム鉄は吸収率が高いとされています。
また、鉄はビタミンCを含む食材と一緒にとると吸収が助けられるため、レモンやブロッコリーと一緒にとるなど、組み合わせを意識するのもおすすめです。
亜鉛・ビタミンB群
亜鉛は、髪の材料となるたんぱく質の合成に関わり、不足すると髪の成長が滞りやすくなるといわれています。また、ビタミンB群は、エネルギー代謝や細胞の生成に関わる栄養素で、髪の成長サイクルを整えるうえでも意識したい存在です。
亜鉛は牡蠣・赤身肉・チーズ・ナッツ類など、ビタミンB群は肉・魚・卵・大豆製品・玄米などに多く含まれます。日々の食事でこれらの食材を組み合わせることで、自然と補いやすくなります。
【参考文献】
・厚生労働省,女性の健康推進室ヘルスケアラボ『Q16.「最近、抜け毛が多くて気になります。」』
・公益社団法人 日本皮膚科学会,「皮膚科Q&A 脱毛症」
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