【お悩み相談・最終回】緊張すると、お腹がゆるくなる。 #毒出し保健室
アーユルヴェーダの中で大切にされている考え方をシンプルに言うと、"体に毒を溜めない/毒を排出する"という『毒出し』。「大きな声ではちょっと言えない」「身近な存在の人には知られたくない」と言った悩み事を抱えていませんか? 体調や心の悩み、人間関係やら恋愛、夫婦やパートナー間のあれこれまで、皆さまの悩ませている毒を溜めずに排出するべく、アーユルヴェーダアドバイザー/ヨガ講師の桑子麻衣子がアーユルヴェーダとヨガの智慧をベースにお悩みに答えます!
今回、「毒出し保健室」を訪れてくれたのは、「ここぞ」という時には、必ずお腹がゆるくなるというNさん(24歳)です。「学生の頃から、緊張するとよくお腹を下していました。就活の時など最悪でした」と話します。普段の生活習慣をお伺いしながら、改善策をご提案させていただきました。
緊張するとお腹がゆるくなります
桑子: 「毒出し保健室」へようこそ!本日はどういったお悩みでしょうか?
Nさん: 緊張するとお腹がゆるくなります。
桑子: それは辛いですよね。普段からお腹はゆるい方ですか?
Nさん: そうでもないですね。便秘っぽくなることも多いですし。一方で学生の頃から、緊張するとよくお腹を下していました。就活の時など最悪でしたね。面接の前にトイレからなかなか出てこれなくなってしまって。社会人になった今も、「ここぞ」という時には、必ずお腹がぐるぐるなってしまいます。大きなプレゼンの前とか。「ちゃんとやらないと」とか「上司にどう思われるのだろう」とか、考えると、下腹部に鈍い痛みを感じます。
桑子: 普段はお食事はどんなものを召し上がることが多いですか?
Nさん: 朝はパンとコーヒー、昼は適当に食べています。最初はお弁当を作って行ってたのですが、最近は会社の近くのお弁当屋で買ったり、コンビニでパンとかおにぎりを買うこともあります。夜は、お酒を飲むので、お腹が膨れないように炭水化物はとりません。
桑子: お食事をする時間は毎日同じですか?
Nさん: 朝は同じですが、昼ごはんと夜ご飯の時間はバラバラです。休みの日は、朝ごはんは抜きますね。
桑子: 就寝時間と起床時間は毎日同じですか?
Nさん: 平日の起床時間は、6時です。お弁当を作っていた頃は、5時に起きていたのですが、もうそうすると、夕方からヘトヘトになってしまうので。就寝時間はバラバラですね。夜寝る前に、スマホでSNSを見たり、ドラマを見たりしていて、気づいたら12時過ぎているということが結構あります。
桑子: 睡眠の質はどうでしょうか?
Nさん: 夜中に何度か目覚めることがあります。寝起きは良くないです。
桑子: 運動習慣はありますか?
Nさん: 運動は今はほとんどしていないですね…。入社したばかりの頃は、会社帰りにヨガスタジオに通っていたのですが、最近は行かなくなってしまって。
緊張するとお腹がゆるくなるのは、自律神経が乱れている可能性大
ご相談ありがとうございます。肝心な時、腕の見せ所、そんな時に限って、お腹の調子が狂ってしまうのは回避したい。せっかく努力して準備してきたものが水の泡となるのは、とても残念なことかと思います。
さて、緊張するとお腹がゆるくなるのは、仕事のプレッシャーなどのストレスが自律神経を乱すことによるものだと考えられます。ストレスにより、腸の動きを過剰に活発化させ、下痢を引き起こしてしまっているのです。ストレスで腸の動きが不安定な状態が続くと、ごく一般的に「過敏性腸症候群(IBS)」と呼ばれる状態に移行することもあります。
また、自律神経は、生活習慣からも影響を受けやすいのです。食生活や睡眠の質の乱れ、また運動習慣やリラックス方法の有無によっても乱れやすくなってしまうため、生活習慣から改善していくことをおすすめします。これにより、ストレス耐性が高まり、ここぞという時にも自律神経を乱すことなく、落ち着いて目の前のことに取り組めることができるようになるはずです。
生活習慣を整えて、自律神経を整えるよう
仕事のプレッシャーの他にも、環境の変化、季節の変わり目などに、ストレスを感じる方もいます。まずは、普段の生活習慣を整えて、ストレス耐性を高めていきましょう。そうすることで、ストレス状況下においても、冷静沈着でいられるようになるはずです。
規則正しい生活リズム
毎日決まった時間に起き寝ることで体内時計が整い、自律神経のバランスが保たれます。
アーユルヴェーダでは、朝は日の出前、夜は遅くとも10時には寝るのが理想的と言われています。
また、朝起きたら、朝日を浴びるのがGood。 起床後、15秒ほど朝日を浴びることで、幸せホルモンと呼ばれるセロトニンの分泌が促され、精神的安定につながることが期待できます。そうすることで、睡眠の質もアップする可能性大!
消化に良い食事
アーユルヴェーダでは、体質によって食事内容を変えることがおすすめされています。
一方で、共通するポイントは、消化に良い食事を意識すること。カフェイン、アルコール、香辛料、脂っこいもの、糖分の多いもの、コンビニ系のお食事や添加物が多く含まれる食品は、消化に負担をかけてしまうので避けるのがベター。
症状がある時は、お粥や温かいうどんなど消化に優しいものを選んで。
運動
適度な運動は気分転換になり、ストレス耐性を向上させてくれます。アーユルヴェーダでは、じんわり汗をかくくらいの運動を毎日行うことをおすすめしています。ヨガやウォーキングなど、続けられるものをチョイスしてください。
また、運動に加えて、瞑想、呼吸法なども、余力があればトライしてみて。リラックスができて、ストレスを和らげ、自律神経のバランスを整えてくれます。
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2022年からはじまった「#毒出し保健室」も、今回が最後の回となりました。3年間、ありがとうございました!
5000年前にインド・スリランカで生まれたとされるアーユルヴェーダは、「自然との調和」を謳ったもの。それを実践することで、健康に過ごすことができるというものです。もう少し噛み砕いた言い方をすると、「規則正しい生活」を送ろうといったところでしょうか。つまり、朝は太陽が出たら起きて、暗くなったら眠る。季節か気候によって体が必要とするものを必要な分だけ食べる(食べなさすぎない、食べすぎない)。適度に体を動かすといった、動物としての「自然の営み」を送ることです。健康や幸せについての情報が錯乱する今、こんな当たり前のことを言っても、あまり響かないのかもしれませんが、結局のところ、どれだけ情報を求めようとしても、真実はシンプル。そしてすでに私たちは、お悩みに対しての答えをすでに知っているのかもしれません。
これからも、アーユルヴェーダの知識が忙しい毎日を生きるみなさんの糧となり光となることを願っています。また、いつか新しいカタチで「#毒出し保健室」でお会いする日まで。
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