「肌荒れしやすい人」が不足しているものとは?【管理栄養士が解説】

「肌荒れしやすい人」が不足しているものとは?【管理栄養士が解説】
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「最近、肌の調子がなんだかよくない…」と感じていませんか?肌荒れはストレスや生活習慣の乱れ、環境の変化だけでなく、栄養不足が関係していることもあります。この記事では、肌荒れしやすい人が不足しがちな栄養素と、その栄養素を補うおすすめの食材について管理栄養士が解説します。

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内側からキレイを育てる、肌に必要な栄養素

肌の調子を整えるためには、スキンケアはもちろん、体の内側からのケアも大切です。どのような栄養素が肌荒れに関係しているのかを知っておきましょう。

ビタミンB2

スキンケアだけでは防げない?肌荒れしやすい人に不足しがちな栄養素とは【管理栄養士が解説】
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皮膚や粘膜を健やかに保つ働きがあり、不足すると肌荒れなどのトラブルが起こりやすくなります。レバーや魚、牛乳・乳製品、卵などの動物性食品のほか、納豆やきのこにも多く含まれています。

ビタミンB6

皮膚の材料となるたんぱく質の合成や分解をサポートする栄養素です。

通常の食生活を送っていれば、不足することはあまりありません。しかし、ビタミンB6は鶏肉や魚に多く含まれているため、ダイエットなどで動物性食品を控えていると不足し、肌荒れが起こることがあります。

ビタミンC

スキンケアだけでは防げない?肌荒れしやすい人に不足しがちな栄養素とは【管理栄養士が解説】
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肌のハリを保つコラーゲンをつくるために欠かせない栄養素です。また、ビタミンCには抗酸化作用があり、紫外線から肌を守る働きも期待できます。

紫外線を浴びると体内で活性酸素が発生し、コラーゲンを分解する酵素を活性化させます。その結果、コラーゲンが減少して肌が乾燥し、荒れやすくなるのです。ビタミンCを摂取すると、抗酸化作用によって活性酸素の働きが抑えられ、肌荒れを防げる可能性があります。

ビタミンCは、パプリカやブロッコリーなどの野菜、キウイや柿といった果物に多く含まれています。調理によって失われやすいため、生で食べたり、電子レンジ調理を活用したりして無駄なく摂取しましょう。

ビタミンA

皮膚や粘膜のうるおいを保つために必要な栄養素で、不足すると肌が乾燥しやすくなります。ビタミンAを摂取するなら、にんじんやかぼちゃ、ほうれん草などの緑黄色野菜を取り入れるのがおすすめです。また、レバーやうなぎにもビタミンAが多く含まれています。

ビタミンE

血管を広げて血行を促す働きがある栄養素です。血行がよくなると肌に酸素や栄養がしっかり行き渡り、ターンオーバーが整って肌の調子が安定しやすくなります。

また、ビタミンEが持つ抗酸化作用も肌荒れ対策に有効です。皮脂が酸化すると過酸化脂質になり、肌荒れをまねくことがあります。ビタミンEは抗酸化作用によって皮脂の酸化を防ぐことから、肌を守る働きが期待できます。

ひまわり油などの植物油やアーモンド、かぼちゃ、アボカドなどの食材は、ビタミンEが豊富です。さらにビタミンCと一緒に摂ると、抗酸化作用がアップすると考えられています。どちらも肌荒れ対策に役立つ栄養素なので、一緒に摂ることを意識してみましょう。

食物繊維

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善玉菌のエサになったり、便通を整えたりすることで、腸内環境を健やかに保つ働きがある栄養素です。

腸内環境が乱れると、悪玉菌が増加して有害物質をつくります。有害物質は腸で吸収され、血液を通して肌に運ばれて、肌荒れなどのトラブルをまねくことがあります。そのため、腸内環境を整えることは肌荒れを防ぐうえでも大切です。

食物繊維は野菜や果物、海藻、きのこなどに多く含まれています。食物繊維には水溶性と不溶性の2種類があり、どちらも腸内環境に重要な役割を果たします。どちらか一方に偏ることがないように、さまざまな食材から食物繊維を摂取しましょう。

そのほか、肌の材料となるたんぱく質や、肌を守る皮脂のもとになる脂質も、肌荒れを防ぐために必要な栄養素です。とはいえ、今回紹介した栄養素をひとつずつ意識しながら食事を摂るのは大変ですよね。

肌荒れを防ぐためには、多様な食材を取り入れることを心がけるとよいでしょう。1日3食きちんと食べ、1日や1週間といった期間の中で特定の食材に偏ることなく食べられていれば、栄養が不足する心配はほとんどありません。

食事に加え、睡眠などの生活習慣やスキンケアも見直して、健やかで美しい肌を目指しましょう。

【参考文献】
文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
上西一弘. 栄養素の通になる 第5版. 女子栄養大学出版部. 2022.

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