「美容によいと思ってたわ…」レモン水を飲まない方がいい人の特徴【管理栄養士が解説】
暑い季節、喫茶店で冷えたレモン水を口にすると、暑さがすっと引いていくような涼しさを感じますよね。爽やかな風味に癒されながら、美肌や健康のために毎日の習慣として取り入れている方も多いのではないでしょうか。 だけど実は...「飲めば飲むほどキレイになれる」そんな理想的な美容ドリンクというわけではないんです。飲み方や種類によっては肌トラブルや体調不調の原因となることも…。この記事では、そんな「レモン水を飲まない方がいい人」の特徴を、わかりやすくご紹介します。
レモンの栄養成分と働き
ビタミンC
関節やお肌、血管などを丈夫に保つために欠かせない、コラーゲンを作るのに必要な栄養素です。また、体の抵抗力を高めるサポートもしてくれます。
クエン酸
レモンの酸っぱさのもと「クエン酸」には疲労回復効果があります。ミネラル(カルシウムや鉄)を体に吸収しやすくする力もあります。
ポリフェノール
体の酸化、いわゆる“サビつき”を防ぐ力(抗酸化作用)が高く、生活習慣病の予防にも役立ちます。
レモンの健康効果
リラックス効果
レモンのさわやかな香りは、アロマセラピーにも使われています。レモン精油の香りはリラックス効果やストレスを緩和する効果もあります。
生活習慣病改善
血糖値やコレステロール低下、血圧の正常化が確認されています。また、血管の健康維持、動脈硬化予防にもつながる可能性があります。
美容への影響
「レモンがシミの原因」って本当?
最近では、インターネット上で「レモンに含まれるソラレンが紫外線を吸収しやすくするため、朝に摂取するとシミにつながる可能性がある」という情報を目にする機会が増えています。実際はどうなのでしょうか?
・レモン可食部100g中に含まれるソラレンの量「0.033㎎」
・紫外線に影響を与えるとされるソラレンの摂取量に達するには、「レモン約303個分」30.3kg が必要。
つまり、レモンの絞り汁を少量使ったレモン水を飲む分には問題がありません。ただし、レモンの皮には多量のソラレン類が含まれますので、皮ごとの大量摂取には注意が必要とされています。
糖質入りのレモン水に注意!
市販のレモン水には糖質が含まれていることがあるため、大量に飲むと、「糖」が体内のたんぱく質とくっついてしまう(糖化)ことにより、AGEs(エージーズ)という老化物質ができてしまいます。
このAGEsが肌にたまってくると、コラーゲンがかたくなり、肌の弾力や透明感が失われて、しわ・たるみ・くすみの原因になると考えられています。
糖質入りのレモン水で老化の原因となることもあるため、市販のレモン水を購入する際には、糖質の含まれていないレモン水を選択するか、レモン果汁のみを使用した自家製ドリンクをおすすめします。
レモン水を控えた方がいい人の特徴
胃炎や胃潰瘍の既往がある方
胃腸への刺激
・クエン酸は胃酸分泌を促進するため、空腹時の摂取で胃痛や胃酸過多を引き起こす可能性があります。胃炎や胃潰瘍の既往がある方は、控えましょう。
血糖値の高い方
・市販のレモン水には糖質が含まれているものもあり、スティックシュガー3~6本分の糖質が含まれているものもあるため、血糖値上昇のリスクがあります。血糖値が高い方は、糖質の含まれていないものを選ぶことをおすすめします。
まとめ
「美容によい」と思っていたレモン水も、選び方や摂り方によっては、逆効果になることもあります。体質や体調に合わせて、正しい情報のもとで取り入れることが大切です。レモンの良さを上手に活かして、内側からキレイを目指しましょう。
参考文献:
・西山一朗.“「果物や野菜に含まれるソラレンの量はどのくらい?」にお答えします【拡散希望】”. 駒沢女子大学/駒沢女子短期大学 健康栄養学科.
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