毛穴が目立つのは肌内部の「隠れ老化」のサインかも?美容皮膚科医が教える40代からの毛穴対策

毛穴が目立つのは肌内部の「隠れ老化」のサインかも?美容皮膚科医が教える40代からの毛穴対策
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ふとした時にに毛穴が目立つ。それは、肌内部の「隠れ老化」のサインかもしれません。40代は紫外線ダメージや代謝低下が一気に表面化する時期。放置すればシミやたるみに進行する可能性も。美容皮膚科医の見解をもとに、原因と解決策を整理します。

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秋に表面化する「毛穴=老化のバロメーター」

秋は、夏の紫外線や乾燥で受けたダメージが毛穴に現れやすい季節。実はこれは単なる“毛穴の悩み”に留まらず、コラーゲン破壊やメラニン蓄積、再生力の低下など、肌内部で進む老化過程の手がかりです。進行した内部ダメージはセルフケアだけで完全に巻き戻すのは難しいため、早めの対策が重要です。

毛穴が告げる「3つの危険信号」

1)ざらつき・詰まり毛穴=ターンオーバー低下のサイン

強い紫外線や空調による乾燥で生まれ変わりのリズムが乱れ、肌表面に古い角質が蓄積。毛穴の中で皮脂と混ざって角栓化し、「詰まり毛穴」が発生します。ターンオーバーが低下して角質が厚くなった肌は、毛穴の詰まりだけでなく、肌のごわつきやくすみを招きます。スキンケアのなじみにくさやファンデーションのノリの悪さが気になる人は要注意です。

2)ポツポツ黒ずみ毛穴=メラニン過剰のサイン

毛穴の縁がリング状に黒ずむ「毛穴じみ」は、紫外線ダメージのサイン。肌の奥ではシミやくすみの原因になるメラニンが蓄積する可能性が大。放置するとシミ・くすみの発生や定着につながります。

3)ぽっかり開き毛穴=たるみ老化のサイン

紫外線はシミやくすみだけでなく、たるみの原因にもなります。UVAはコラーゲンやエラスチンを破壊し、肌のハリや弾力が低下します。その結果、毛穴が楕円に開いて見える「たるみ毛穴」に。たるみが本格的に進行するとフェイスラインや頬のたるみに発展します。

毛穴のタイプ別・推奨ケア

ざらつき・詰まり毛穴には:角質ケア+再生サポート

毛穴
画像提供:美容皮膚科タカミクリニック

不要な角質を穏やかに取り除き、乱れたリズムを整えるのが基本。セルフケアで角栓除去にばかり注力すると、毛穴の開きや色素沈着など新たなトラブルにつながる恐れがあります。そのため、セルフケアでは角質ケアを取り入れて、予防と緩やかな改善を目指しましょう。すでに毛穴に詰まってしまった角栓には、美容医療を取り入れるのが賢明です。クリニックでは角栓除去の施術に加え、蓄積した角質をオフする作用と肌再生を作用のあるピーリング治療を組み合わせると、透明感と手触りの回復が期待できます。

  • セルフケア例:低刺激の角質ケア、週1の酵素洗顔
  • 美容医療例:角栓除去のトリートメント、ピーリング治療(マッサージピール)

ポツポツ黒ずみ毛穴には:美白・抗酸化+光治療

毛穴
美容皮膚科タカミクリニック

毛穴の黒ずみ(毛穴じみ)には、メラニンの生成を抑えつつ、蓄積した色素にアプローチする美白ケアが効果的です。ビタミンC誘導体などの導入治療により、美白・抗酸化成分を肌の奥まで届け、色ムラやくすみの原因に直接働きかけます。さらに必要に応じて光治療を組み合わせることで、肌の奥に潜んでいるシミの“予備軍”にも先回りしてアプローチできます。ホームケアでは、美白化粧品を取り入れることも重要です。日常的に紫外線対策をしながらケアを続けることで、毛穴の黒ずみの進行を防ぎ、肌全体の透明感や明るさを維持しやすくなります。

  • セルフケア例:美白成分(ビタミンC誘導体、トラネキサム酸など)配合の化粧品でのケア
  • 美容医療例:フォトフェイシャルM22(厚労省薬事承認機器を使用)、エレクトロポレーションによる導入治療(メソフェイシャル)

ぽっかり開き毛穴には:土台再構築(HIFUなど)

毛穴
美容皮膚科タカミクリニック

加齢により肌のハリが失われると、皮膚は重力に負けて垂れ下がり、毛穴の開きが目立つようになります。特に皮脂分泌が落ち着く40代以降は、開き毛穴を改善するには肌のハリや弾力を取り戻し、たるみを引き締める美容医療ケアが必要です。HIFUは、肌の土台である筋膜(SMAS)に熱エネルギーを届け、内側から毛穴を引き締めます。フェイスラインや頬のもたつきが気になりはじめる40代に適した施術で、さらにたるみ治療を強化したい場合は、肌再生をサポートする肌育注射との併用も効果的です。

  • 美容医療例:HIFU(高密度焦点式超音波)で肌土台を引き上げる
  • 美容医療例:肌再生を後押しする肌育注射(リジュラン等)

40代こそ「攻めと守り」の年中設計を

毛穴は見た目だけの問題ではなく、内部老化の指標。40代は、紫外線ダメージの蓄積や代謝低下が顕在化しやすいため、季節の変わり目に「攻めの集中ケア(ピーリング・導入・光治療・HIFU・肌育注射)」を計画的に取り入れ、日常では「守りのUV・抗酸化・保湿・摩擦対策」を徹底する二段構えが有効です。

今日からできるセルフチェック&生活ヒント

  • 毛穴のざらつき・肌のごわつき・リング状の黒ずみ・頬の開きなどの変化を2〜3週に1回チェックする
  • 朝はUV&抗酸化、夜は角質ケアと保湿でリズムを整える
  • 枕カバーやタオルはやわらかい素材で摩擦を減らす
  • 湯船に浸かり血流を促して代謝をサポート
  • 睡眠の質をあげ肌のターンオーバーをサポート

毛穴について正しく理解し、ご自身の毛穴タイプにあったセルフケアを選びたいもの。それと同時に、時にはプロの力を借りて、毛穴に向き合ってみることもお勧めです。「年齢のせい」と諦めずに、正しいケアで肌の健康を保ちましょう。

教えてくれたのは…山屋雅美医師

美容皮膚科タカミクリニック副院長。東邦大学医療センター大橋病院や三井記念病院皮膚科で、アトピー性皮膚炎から皮膚腫瘍、シミやあざなど幅広い症例を経験。2011年よりタカミクリニックに入職し、毛穴・ニキビなどの美肌治療から、シミ・しわ・たるみといったエイジングケア治療まで、あらゆる肌悩みに対応してきた実績をもつ。2021年より副院長に就任し、現在は全診療の監修を担当。患者一人ひとりの肌質やライフスタイルに寄り添い、肌本来の力を引き出す治療を提案することを大切にしている。毛穴治療の分野では特に豊富な知見を持ち、最新の美容医療と日常ケアを組み合わせた“結果が続く治療”を目指している。

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