ナッツを食べ過ぎると起こる不調とは?注意が必要なのはどんな体質の人?管理栄養士が解説
ナッツは、アーモンドやくるみ、カシューナッツを代表とする人気の健康食品です。食物繊維やビタミンE、不飽和脂肪酸などの栄養素が豊富で、美容やダイエット、アンチエイジングの目的で取り入れている方も多いでしょう。しかし、健康に良いとされるナッツも、食べ過ぎると個人の体質や体調によっては不調を引き起こすことがあります。今回は、ナッツを食べ過ぎた場合に起こりやすい体調の変化や、注意したい体質について管理栄養士が解説します。
ナッツの主な栄養素と働き
脂質(不飽和脂肪酸):コレステロールを抑え、動脈硬化の予防に役立つとされています。
ビタミンE:抗酸化作用があり、細胞の老化を防ぐはたらきがあります。
食物繊維:腸内環境を整え、便通の改善に役立ちます。
たんぱく質:体をつくる基礎となる栄養素で、筋肉や臓器の健康維持に欠かせません。
ミネラル(マグネシウム、亜鉛、鉄など):代謝やホルモンバランスの調整に関わります。
少量でも満足感があり、間食やサラダのトッピングとして手軽に取り入れやすい食材です。ただし、脂質が多いため、高カロリーで摂り過ぎるとさまざまな不調を招くことがあります。
ナッツを食べ過ぎると起こりやすい不調
消化不良や腹部の張り:ナッツは脂質が多く消化に時間がかかるため、食べ過ぎると胃もたれや腹部膨満感を起こすことがあります。特に消化器が弱い人は、下痢や便秘など腸のトラブルにつながることもあります。
肌荒れ・吹き出物:ナッツに含まれる脂質は良質な油ですが、摂り過ぎると皮脂分泌が過剰になり、ニキビや吹き出物が出やすくなることがあります。特にアーモンドやカシューナッツなど脂質の多い種類は注意が必要です。
カロリーオーバーによる体重増加:ナッツは健康的な脂質源ですが、100gあたり約600kcalと高カロリー。つい「体に良いから」と食べすぎると、摂取カロリーがオーバーし、体重増加につながる可能性があります。
ナッツアレルギー:アレルギー体質の人は、少量でもアレルギー症状(喉のかゆみ、蕁麻疹、呼吸困難など)を起こす場合があります。特にピーナッツやくるみは注意が必要です。
注意が必要な体質
胃腸が弱く、脂っこい食事で胃もたれを起こしやすい
肌が脂性タイプでニキビや吹き出物が出やすい
体重増加が気になる、またはダイエット中
ナッツアレルギーやアレルギー体質がある
ナッツの適量目安とおすすめの食べ方
1日あたりの適量目安:20~25g(片手に軽く一杯分)
おすすめ:無塩・無添加タイプ(塩分や添加物の過剰摂取を防ぐため)
食べるタイミング:活動量の多い朝食や昼食後が理想的
摂取方法:ヨーグルトやサラダなどに少量トッピングして“ちょい足し”するのがおすすめ
まとめ
ナッツは、美容や健康にうれしい栄養が詰まった優秀な食材ですが、「良いものも摂りすぎれば不調の原因」になります。ご自身のライフスタイルに合わせて適量を守り、バランスの取れた食事の一部として取り入れることで無理なく健康的な食生活を続けることができます。
参考文献
記事監修/亘美玲
管理栄養士。病院栄養士を7年経験後、食品会社で約15年間メディカルサプリメントや機能性表示食品の商品開発責任者として従事。2児の母で、自身の妊娠と出産、離乳食作りの経験から母子栄養の研究を重ね、産前産後ママの栄養サポート、栄養相談、料理教室、レシピ提案、執筆、栄養学講座の活動を行っている。離乳食や調理の基本についてSNSでも発信をしている。
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